飲まない
あなたは断った。よく怖い話で、妙な世界の食べ物を口にすると、二度と元の世界に戻れない話を思い出したからだ。あなたは冷静だった。
一緒に来た人物は、そんな警戒もせずにオレンジジュースを飲んでいる。
あなたたちはメリーゴーランドにのった。キラキラと輝いてとても綺麗だ。少し恥ずかしい気持ちもあったが、ここにあなたの知り合いなどいない。あなたは存分に楽しんだ。
メリーゴーランドが止まり、あなたが木馬から降りたとき、景色が変わった。あなたはボロボロに朽ち果てたメリーゴーランドの上に立っている。楽しそうな人の声も聞こえない。あなたと一緒に遊園地に来ていた人もいない。
あなたは電話をかけた。電波が届かないところにいると機械音声が知らせる。あなたは探した。しかし、どんなに声を張り上げても返事は返ってこなかった。ふざけているか。そう思った。冷たい風があなたを吹きつける。帰ろう。あなたは出口に向かった。
門の外を出たとき、遊園地から楽しそうな声が聞こえてくる。振り返ってもそこには閑散とした遊園地しかない。
あの人はどこに行ってしまったのだろうか。次の日も次の日も連絡はない。
★ END 消えた友人 ★
遊園地へようこそ 桃花西瓜 @momokasuika
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