第3話 次の間
「ここにいる人と話そうとすれば、どうすればいいんです。」
「このまま歩くさ。たまたま誰かの物語に合えば、彼らと話ができる。」
「そんなに、大きい家じゃなかったですよね。すぐに、外に出ちゃうんじゃ。」
「家の悪口を言うな!ほらみろ。」ドアを開けると千畳はあろうかと思うほどの畳の間にでた。
「ひろ!凄い。」何人か座っている。隣で、Yが靴を脱ごうとしている。
「靴は脱ぐな!ここに物を置いて帰ると二度と取りには来れないぞ。同じ物語にたまたま出くわすのは、難しいんだ。」
「ちょっとここ広すぎますね。」そう言って、元来たドアを開いた。目の前は、さっきの調理場ではなくどこかの野球場。
「ちょ、勝手に動くな!」
「どういうことです?調理場でしたよね。」
「基本、くぐり抜けてきた物語には戻れない。引き返そうとするとかえって迷い混むぞ。前に向けて抜けないと。」ここは、ファースト側だ、サード側に行けばいいはず。Yは、後ろからついてくる。
「ここの世界の人は、野球好きですかね?」
「どうかな。野球場って言っても色々だろ。コンサートの会場だったり、何かの展示会だったりするかもしれない。」
「ほら、あそこ誰か走ってる。スタジアムランとかかも、昔見た海外ドラマでこんなシーンがあった。」
「話しかけられますかね?」Yが観客席の階段を上がったり降りたりしている人に声をかけた。
「だから、勝手に動くなって」
「ダメですね、目も合わせてくれません。」扉についた。
「よし、扉についた。次に行くぞ。」
「了解です。男便所で、入りにくいですが。わがままは言いません。」Yが戯けていう。
「つべこべゆうな。一生ここで走ってるか?」
「いやです。次行きましょう。」
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