第12話 雫トンネルのひみつ

「人間ども、我は君たちのあとをついていくからトンネルに入りなさい!」小さな精霊は私達の方を向いて偉そうに口を大きく開けた

「あのトンネルを通るくらい私一人でも行ける」私は言った

「もしかしてあなた一人じゃ怖いからとか、、、」精霊は顔を背け恥ずかしそうに左手と右手の小指をツンツンと合わせた

「やっぱり!図星だぁ!!」2人は声を合わせて笑った

「そんなことは無い!諸君に図書館までの道を覚えてもらおうとしただけである!!そんなことよりも入り口へ行くぞ」

精霊が少しずつトンネルを歩いていくので私達もついていきました

「早く進みなさい精霊!」精霊はゆっくりと体を震わせながら進んでいった

「ゆっくりじゃないと迷子になるんだよ。このトンネルは暗いから気をつけないと」

トンネルの中で声は跳ね返り外まで聞こえた

足音も大きくなって消えてしまう

「あったあそこが入り口だ」

止まったところはドアもなくトンネルから直接繋がっている一つの部屋だった。秘密基地のような誰の目にも見えないようなところに入り口はあった

「早く入ろう」

「ちょっと待った!合言葉を言わないとここへ入れない。Firefox book!」

紋章が現れその紋章が一つになった

「よし、これで入れるぞ人間ども」

「ありがとう!助かったよ」

「じゃあ我は地下にお宝を取りに行ってくるから探し物が終わったらこのトンネルから引き返してね。あと絶対に本屋では人間だということをバレないようにしてね。じゃあ人間どもさらばだ!!」

精霊は小さな羽をパタパタさせトンネルの奥の方へと飛んでいった

「菜佐、人間ってことをバレないようにしなきゃいけないらしいけど着ぐるみとか持ってないよね、、、どうしよう」

「確かに、、どうしよう」

「バレないようにこっそりいくしかないのかなぁ__」

「そうだ、炎の魔法で着ぐるみを作るから海香は氷で作ってよ!」

「分かった。やってみる」

「炎属性と氷属性と雷属性を持ってる人は想像の魔法が使えるってどこかで聞いたことあるからもしかしたら想像魔法使えるかも」

「とにかく作りたい物を思い浮かべるんだって昔読んだ魔法の本に書いてあったはず」

「私もなんか聞いたことある!とりあいずやってみよう」

手の中から暖かい炎が狐の形を作ってゆく。

少しずつゆっくりであったが数十分でお互い着ぐるみは完成した

時間のことも気にしながら2人は動物達の着ぐるみを着用した

「よし、準備も整ったし行こう!!」

「探す本は炎属性と氷属性の使い道の本!」海香の声が重なった

「えっと魔導書コーナーってどこだろ」

「一番左の本棚って書いてある」

2人は左に足を向けて走った。同じような本棚が目に入っては次の通路が見えた

“氷属性と炎属性の使い道①“と大きな字で書かれた本が目に入った

手でその本をしっかりと掴み1ページ目を開いた

”炎属性と氷属性をお持ちの方は想像属性を使えます、想像属性はあなたが想像した物を形にできます「注:炎と氷を混ぜて作らないと失敗します」“と書かれていた。私はすぐに次のページを開いた



     続く・・・・


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