第7話 聖剣
思い出す。思い出す。
海香の瞳の中に聖剣の描かれた絵画が小さくなってぼんやりする
私は情報確認のためにスマートフォンを取り出した
現実の時間は”午前2時”と記されている。ふと下を見ると新着メールが十件届いている。親から三件と友達から七件だ
親は今絵画の中のにいるはずだ。私たちに助けを求めているのだろうか、どこにいるか喋ってくれれば親を助けられる。私はさっきまでメールのことを忘れていた。着信音とともに文章に目を向ける
“グランドルフ王国と描かれた絵画に吸い込まれ、、、そこから前は覚えていない”と一件
“助けて、私は別の世界にいます”と一件
“不在着信”と一件
とにかくグランドルフ王国という場所に親はいるのだろう。今居る世界が違うのに情報交換が出来ると親と彼の場所を見つけやすくなる
「海香、親からメールが届いてた⭐︎」
「なるほど、菜左のお母さんたちはグランドルフ王国の絵画の中にいるのか」海香は聞こえないくらい小さい声で言った
「今からそっち行くって、電話かけてみて」
「分かったかけてみる」
海香はスマホの暗証番号を見ないように目を背けた
電話の画面を開いた。しかし画面には不在着信という文字がくっきり浮かんで瞳に映った
「だめか、、大丈夫かな、“助けて”って言ってたし」
私は一応メールで“お母さん今から探しに行くから待ってて”と送った
「絶対なんとかなる、それよりさっきのないす!」海香はいつもの100倍以上の声で言った
「ありがとう!それよりお腹空いたなあ、、、」
「じゃあどっかの店でなんか食べて、菜左のお母さん達のところへいこう」
真夜中の絵画の中で2人の声が広がり弾ける。
続く・・・・
作者コメント
結構話も序盤から中盤へと進んできているのでもしかしたらごっちゃになっているかもしれません。もしわからない部分があればいくらでも聞いて下さい。これからも百円の絵画を宜しくお願いします!
今回は「私」の名前が明らかになりましたね「菜左」と言います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます