第6話 ここは空想の世界

2人はギルドから出て近くの小さなベンチに座っている。

空が海にいる魚たちの鱗のようにキラキラと反射して見える

自分たちがこんなところに来て学校のことや家のことが心配になった、だがそれ以上に自分の親や友人がいなくなって消えてしまう方がよっぽど寂しくて心臓がかち割れそうになった。いち早く親や海香の友人を救わなければと私は思った

そうだ、ここは夜の絵画だ。私たちはその中にいる。

親や友人はどの絵画に居るのだろうか

どこかの絵画の中で親と海香の友人は生きている。

絶対に助けなければいけないと私は思った

海香が取り出したスマートフォンの画面には3時20分と表示されていた。

明らかに絵画の中の時間と現実の時間は大幅にズレている

おそらくこの絵画の世界は21時頃だ、だが空想のこの世界では眠くはならない。おそらく夜という感覚がないのだろう

店の近くで仮装をした人がゾロゾロと歩いてくる。

お祭りでもやっているのだろうか

看板に掠れた文字で“仮装大会:天気街”と書かれている。私は昔から母の影響でか、お祭りが好きでやっていたらいつも会場に行ってしまう

「海香、あっちでお祭りやってる。行かない?」私は言った。目的とは直接は関係は無いが、親と海香の友人のいる所がわかるような気がしたのだ

「行こう!!」2人はベンチから立って仮装大会会場へと足を運んだ

会場はポップな雰囲気で彩られていて、屋台や公演が沢山行われている

その中で一番目立っている屋台がある。その屋台では何らかの絵画のオークションが行われている

2人は顔を見合わせて頷き、オークションの屋台へと急足で向かう。

「この絵画にヒントがあるかも」海香は言った

「私もそう思った!」そうは言っても2人はお金を少ししか持っていなかったので、屋台の店員に絵画について話を聞いた

「この絵画は神隠しが起こると言われているポルックス_ジョック

が描いた絵画の復元画です。まだ間に合いますよ」店員の声と共に色々な金額が重なって聞こえる。

「あの絵画、昔見た事ある!」私はとっさに叫んだ

「今思い出した、さっきからずっと見覚えあったけど思い出せなくて、、」 この絵画は昔私の親が好きでよく外国の美術館に行って見ていた絵画だと私は確信した


        続く・・・・











  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る