第14話

「パパ!抱っこ、抱っこ!」


「分かったよ。」


「それにしても世話しないわね。それにしても子爵領なんてここよりも田舎じゃない。」


「ごめんよ、エリシア。」


「しょうがないわよ。突発型ダンジョンならね。」


「今度会ったら、領主のおじいちゃんぶん殴っておくから。」


「やめときなさい、そんなことしたら死んじゃうわよ。」


「いや、あのおじいちゃん、結構強いよ。」


「そうなの?」


「雰囲気でなんとなくね。」


「ふ〜ん。」


今度も5人全員で子爵領を観光することにした。

馬車に揺られて、馬車に揺られて、ようやく子爵寮についた。

俺たち5人は客人として扱われるらしい。

子爵によると、騎士団が到着するまで2週間はかかるらしい。

相変わらず、遅い奴らだ。


「えっ?子爵様、もう一度お願いします。」


「ああ。今回呼べた冒険者はエド君だけだ。」


「どういうことです?」


「公爵様に能力ある冒険者を根こそぎ、引き抜かれていてね。当分は帰ってこんさ。」


「そうですか、、、。」


(世の中っていうのは意外につながっているもんだな〜)


「騎士団が到着するまでの2週間、よろしく頼む。」


「微力を尽くします。」


ーーーーーーーーー


「暇だ。後、2週間もここにいないといけないのか。」


俺はダンジョン前に案内されて、何もせずにダラダラしていた。

正式に騎士になっていないから、俺はダンジョン内に入れないし。


「申し訳ございません。」


子爵の騎士だ。監視役兼料理人ってやつだ。真面目でいかつい男だ。


「本当だぜ。あんたがダンジョン攻略すればいいじゃないか。」


「勘弁してください。そう思って、すでに子爵様の騎士のうち5人の若者がダンジョンから帰ってきませんよ。」


「なんのための騎士だが。」


「おっしゃる通りです。」


「あんたが美女で巨乳ならやる気が出たんだが。」


「美女で巨乳なら騎士になっていませんよ。」


「確かに。あんた家族はいるか?」


「嫁が一人と子供が3人ほど。」


「へ〜。」


俺は暇つぶしにこの真面目な騎士と喋ることにした。こいつの料理はムカつくことにかなり美味かった。


ーーーー2週間後


「待たせたねエド君。」


「久しぶりだな。ニーナ騎士団長。随分と遅い到着で。」


ザングラッド侯爵騎士団、騎士団長ニーナ・クライシス。

青い髪に青い瞳。美人で胸がでかい、28歳。


「そう嫌味を言わないでくれ。君がいると分かったから、万全と準備してきたんだ。それで、何か異常は?」


「特に何も。それじゃあ、俺は帰っていいのか。」


「もちろんだとも。しかし、君は変わらないな。私の胸ばかり見て会話している。」


「あんたのことは好きじゃないけど、おっぱいに罪はないからな。」


「そうか。相変わらず天才の言っていることは、よく分からないな。

それと、一応、先に謝っておくよ。ごめんなさい。」


おっぱいが揺れた。


「何にだ?」


「イリオスの街に帰ればわかるさ。」


「相変わらず勿体ぶるやつだ。」


ーーーーーーイリオスの街


街に帰ってからは、騎士団の抜けた穴を埋める日々。

侯爵のおじいちゃんも他から騎士を借りているらしいが足りない。

冒険者も足りない。


「なるほど、ニーナが謝ってきたのはこれか。」


しかも、学園の試験を免除され、無事2学年への進級が許された。

要は、ずっと働けってことだろう。


俺は忙しい日々を過ごして、気づけば13歳になっていた。



「エド君は毎日頑張ってて、えらいでちゅね〜。」


「ばぶー。」


「あんたは、全く成長してないわね。」


「してるよ。背とあそこが大きくなった。」


「そうね。ミーサと同じぐらいの身長になったわね。」


身長170cmぐらいになった。


「そろそろ、子供作ってもいいんじゃない?」


今までは、避妊の魔石を使って避妊していた。

しかし、もう借金も返して、貯金もある。


「ダメよ。あんたが成人してから、何度も言わせないで。」


男は16歳で成人する。ちなみに女は14歳で成人する。


「ごめん。」


「分かればいいのよ。」


俺が13歳になって、すぐ事件が起きた。


未だ攻略が終わっていない子爵領にあるダンジョンでスタンピードが起きたのだ。




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