第12話

公爵邸に着いてからは、エリシアがザングラッド侯爵のじいちゃんから渡された書類を公爵に渡して、みんな、客人として扱われるようになった。

俺以外が街に観光に行っている間に、俺一人だけキラーアントの巣に案内された。


「あれがキラーアントの巣の入り口です。」


公爵の騎士に案内され、五日は竜に乗った。


「へーデカそう。」


「今の所、規模は不明です。」


「そう。それじゃあ、ご飯作って、人を呼んできてよ。」


「は?どういう意味でしょうか?」


「こういう意味。」


俺は巣の入り口の近くにいた、キラーアントにナイフを投げて傷付ける。


「ギギギ!!!」


キラーアントは仲間をぶ。どうやら巣全体が戦闘体制に入ったみたいだ。


「あなたはなんてことを!!」


公爵の騎士が顔を青くして、俺に怒鳴る。


「大丈夫だって、キラーアントの巣を潰すのはこれで2回目なんだ。それよりもここから離れて、早く人の手配と、飯の準備を。」


そう言って、俺は巣の入り口に移動する。

うじゃうじゃと、キラーアントが巣から出てきた。


「久々の獲物だ。共鳴れ、黒姫、白姫。」


『黒姫』黒剣。魔力伝導率が非常に高く、頑丈で重い。

斬ると、相手から魔力を奪う特性がある。

『白姫』白剣。黒剣と同じく魔力伝導率が高く、頑丈で重い。

斬ると、相手から体力を奪う特性がある。


俺が殺した魔族の角を使って作り上げた二振り。

この2本があれば半永久的に戦闘ができる。相手が存在する限り。


そこからは虐殺が始まった。

キラーアントを一振りで確実に殺すために、魔力を圧縮して、剣の先に纏わせる『絶線』を常時発動した。黒剣のおかげだろう。

騎士達は、この虐殺を見て、急遽付近の村から、男手を集め、キラーアントの死体を運び始めた。

俺は、騎士の作った飯を食べて適宜、水分補給しながら戦い続けた。


1週間連続


「やっと、出てこなくなったか、流石に疲れたな。」


血の海が広がっていた。キラーアントの血の海だ。

不思議と寄ってくる魔物は少なかった。キラーアントが餌としてこの辺りの魔物を食い尽くしていたのだろう。


「というか、こいつらのせいで餌が無くなったから、魔物達が人里に降りて、魔物被害が増えてたんじゃないのか?」


そこから、溜まっていた疲労のせいか3日ほど爆睡してから、キラーアントの巣の奥に向かった。

公爵の騎士達と一緒に


「結構深かったな。」


「そうですね。」


公爵の騎士には深いクマが刻まれていた。よく、眠れなかったのだろう。可哀想に。

最奥には女王キラーアントがいた。かなりげっそりしている。


「じゃあな。」


俺は一振りで女王を殺し、公爵の騎士はキラーアントの巣の完全討伐を認めた。


「それじゃあ、帰ろうか。」


「はい。」


ーーーー公爵邸にて


「何!!たった2週間足らずでキラーアントの巣を討伐しただと!!」


公爵


「はい、部下からはそう報告があがっております。」


公爵の騎士隊長


「クソ!!速すぎだ!!」


公爵はエドが死んでも、キラーアントの巣の情報が手に入るし、巣の攻略を進めても、最後の最後で女王キラーアントを殺せば、少なくともエドに鉱山の小駅の5パーセントという破格の対価を払わずに済んだのだ。

しかし、エドの攻略が速すぎた。


「なるほど、ザングラッドのジジイと国王様が気を使うわけだ。まあいい。これから忙しくなるんだからな。」



ーーーーーー


「あら、意外と速かったのね。」


「まあね。相手が弱かったし。それより一緒に観光しようよ。おすすめの場所とかある?」


「ふふ。あるわよ。」


キラーアントの討伐数、巣の規模を精査している間に俺はみんなと観光した。

巨乳の美女達に囲まれること以上の幸福はないのだと再確認した。


「楽しかったかリーサ?」


「うん!!」


「それはよかった。」


公爵から、依頼達成のハンコをもらって、帰路に着いた。

どうやら1万体以上のキラーアントを俺は殺していたらしい。


「エリシア、最近俺は結構頑張ったと思うんだ。」


「そうね。それで?」


「もったいぶらないでよ。ご褒美が欲しいんだ。」


「ご褒美?」


「Hがしたいんだよ。」


「しょうがないわね。2週間毎晩していいわよ。」


「やった!!」



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