第8話

「いくわよ、エド。」


「うん。腕組む必要ある?」


「別にいいじゃない、二人にはしてるんでしょ?」


「いや、エリシアにしては珍しいと思って。」


「そういう日もあるのよ。」


エリシアは洋服、化粧品、香水。とにかく買い漁り俺は荷物係とかした。

エリシア、リッカ、ミーサ、俺の4人分をエリシアが選ぶ。


「エリシア、喫茶店行こうよ。」


「この前行っていた場所ね。いいわよ。」


「コーヒーっていう飲み物がとてつもなく苦いんだよ。」


「知ってるわよ。」


「飲んだことあるんだ。飲めるの?」


「私は牛乳を入れる派なのよ。」


「へぇー。俺は牛乳を半分くらい入れるな〜。」


二人で喫茶店の個室に入り、コーヒーとケーキを注文する。


「個室とかあったんだ。よく気がついたね。」


「VIP席というやつよ。」


エリシアはそう言って、俺の隣に座り、もたれかかってくる。

エリシアは二人きりになると甘えてくるのだ。


「エド、少し大きくなった?」


「そうかもね、育ち盛りだから。」


「エド。」


「ん?ああ。」


エリシアとキスをする。


「好きよ、エド、愛しているわ。」


「俺も大好きだよ、エリシア。」


エリシアといちゃついてから、家に帰った。


「お帰りなさい二人とも。エド君に手紙が来てたわよ。」


「手紙?俺にか。」


リュイから手紙がきていた。

学校生活のことなどが綴られている。

要約すると俺と模擬試合がしたいらしい。


「遠いから無理って、手紙出しとこ。」


そう、学園は遠いのだ。走って、5週間はかかる距離にある。


「そういえば、学校の試験はいつ頃だったけ?」


「3ヶ月後よ。だから、その時に行けばいいんじゃない。」


「そうだね、そう手紙に書いとこ。」


ーーー2月後


「行きたくないよ〜。


「駄々をこねない。速く行かないと間に合わないわよ。」


「嫌だ、嫌だ!!」


駄々をこねながらも俺は、リナザール騎士学校に向けて出発した。

この日のために、脚力を強化する魔石を入手していた。俺が直接魔物を狩って。


「意外に速く着いたな。」


リナザール騎士学校のある街に3週間ほどで、着いてしまった。



「すっごい、大都会だ。」


自分が行ってきた中で一番大きい街だろう。大都会だ。


「ええと、確かリュイの別荘がここら辺にあるはず。」


道を尋ねて、2時間じっくり街を迷った後、リュイの別荘を見つけた。



「すみません。エドです。」


2人の門番の若者に話しかける。


「エド?」


「ほら、リュイ様が言ってた。」


「ああ。何か身分を提示出来物をお願いします。」


(そんなものないんだけど)


「ないです。」


「それなら、入れることはできんな。」


「え〜、リュイはいつ帰ってきます?」


「リュイ様はもう中におられる。」


「じゃあ、呼んできてくだいよ。」


「身分の不確かなものを中に入れることはできない。決まりでな。」


「そうなんだ。じゃあ、先に学園に行ってるて伝えといてください。」


「まあ、それならいいだろう。」


「ところで、リナザール学園がどこかわかります?」


門番にとてつもなく怪しまれたが、学園にたどり着けた。


「ここが、リナザール騎士学校か大きいな。」


大都会の街の中心にあった。学園。どちらかというと要塞という印象を受ける。



「おい、坊主。」


門番のおっさんに話しかけられた。


「なんです?」


「ここから先へ入りたいなら、学生証を取り出しな。」


「学生証?」


「持ってねぇのか?」


「もらってないです。」


「じゃあ、入れられねえな。」


(さっきと同じ展開だ。)


「テストを受けたいんで、どうか中に入れてもあえないでしょうか。」


「だめだ。だめなもんはだめだ。」


粘ったが、入れてもらえなかった。すると、そこに


「どうしたんじゃ、さっきから?」


「学園長!!」


「学園長?」


そこには体は細いが一本筋の通ったおじいちゃんがいた。


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