第3話

「それで、なぜこの男がいるのですか?」


「止まる宿がないって聞いたからね。」


「それでもです!!なぜ、あの方なんですか!!」


別荘の門前についてから、メイドの少女とリュイが口論している。

お腹減ってきた。


「とりあえず、母様と父様の許可を取ってくるよ。」


「あっ!待ってくださいリュイ様!」


二人は別荘の中に入っていった。俺は門の前で呆然としていた。

帰ってこない二人を待っていると、門番のおじさんに水とお菓子をもらった。

おじさんには俺と同じくらいの子供がいるらしい。


「ねえ、おじさん。ここら辺で観光できる場所ってない?」


「観光といえあばコロッセオだな。」


「それ以外で。」


「そうだな。ここら辺ならなんでも揃うから、街をぶらぶら歩くことが一番の観光だと思うぞ。」


「そうなの?」


「ああ。珍しいものも目新しいものもなんでも揃う。」


「へ〜。おすすめの飯屋とかない?」


「あるぞ。トマトパスタの専門店なんだが、そこの店のパスタは尋常なく美味い。。」


「トマトパスタ専門店、、。そんなものがあるんだ。行ってみたいな。」


「坊主、金はあるのか?」


「あっ!そういえばないんだった。どうしよう。」


「コロッセオで賭ければいい。大きく稼げるぞ。」


「え〜それって運が良かったらでしょ。」


「まあ、そうなんだけどな。ハッハッハ!!」


門番のおじさんと話しているとリュイが帰ってきた。


「待たせたね。リュイは入っていいよ。」


「うん。じゃあね、おじさん。」


「ああ、またな。」


俺はリュイに案内されて別荘に入り、リュイの両親に紹介された。


「初めまして、エドです。」


「ああ。リュイの父親のエリックだよ。よろしくね。」


リュイがそのまま大人になったような優男だ。


「私はリュイの母親のミリーヌね。よろしくね。」


白い髪に金の瞳。

(でかい!!なんて大きな胸だ。エリシアたちに匹敵するんじゃないか)

エドは12歳ながら3人の嫁がいる。それも巨乳の。


「いや、まさか驚いたよ。あんなにもあっさりとリュイが負けるなんて。」


「そうね。初めてじゃないかしら。同年代に負けるのは。」


「リュイ様は負けていません!!この男が何か卑怯な手を使ったんです!!」


「リン。僕が出場したのは無制限の部なんだ。どんな手を使ったとしても負けは負けだよ。」


「そっそれでも!!。」


メイドの少女はリンと呼ばれるらしい。茶髪に青目。俺と同い年ぐらいだろうか。胸が小さい。


それから話が進み。俺が長旅をしてこの街についてたこともあり、お風呂場に案内されたのち、全員で食事ととることになった。


「リュイからエド君は推薦入学を狙っていると聞いたんだけど、本当かな?」


「ええ。騎士になったら、ダンジョンに入れますから。」


ダンジョンに入るのは資格かいる。世界資格。騎士と認められた者のみダンジョンに入れるのだ。

昔、ダンジョンには冒険者が無断で入っていた土地と、限られたもののみが入っていた土地とでは、ダンジョンからのスタンピードの被害が天と地ほど違っていたからだ。


「そうだね。でも、難しいと思うよ。推薦入学できたのは歴代で4人ほどおしかいないからね。」


「へぇ〜。」


「それでなんだが。もし、この大会で君が優勝できなかったら、うちから推薦させてくれないか。」


「どういうことですか?」


「これでも歴史ある公爵家でね。一つぐらい押し込める枠はあるさ。学費もうちが全て出すから。」


(すごいいい話な気がする。気がするが、、)


「遠慮しときます。」


「なぜ?」


「妻から貴族と約束するなと言われてますから。交渉が下手なので。」


「驚いたな。エド君はもう結婚しているのかい?」


「3人と結婚しています。」


「そうか、、。実に惜しい話だが、妻からの助言なら従うほかないね。」


「そうですね。残念です。」


「お父様、それほどにしてください。エドは友人としてこの別荘に呼んだんですよ。」


「そうだね、悪かったよ。リュイをあそこまで圧倒する同年代は初めてみたから、ついね。」


「そうね。エド君の剣のお師匠様のお名前はなんていうの?」


巨乳を揺らしながらリュイの母親が質問してきた。眼福だ。


「師匠はいません。我流ですから。強いていうなら、戦ってきた相手たちですかね。」


「えっ?エドは我流なの?」


リュイは驚く。


「まあね。」


「もしかして、エド君の出身はイリオスかな?」


リュイの父親はいきなり出身地を当ててきた。


「そうです。よく分かりましたね。」


「もしかして、エド君はイリオスの守護神て呼ばれてたりする?」


「まあ、そういう人もいます。」


「ということはあの話は、本当なのかい?」


「おそらくは。」


「お父様、あの話とは。」


「ああ。イリオスの街で突発型ダンジョンが発生したんだ。それも街中で。」


「ッ!!街中で!!」


リュイはあまりの衝撃に立ち上がった。

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