第112話 嵐の前の静けさ(2)
『竜の
このままの状況が続くのなら、俺が乗り込む事も考えた方がいいだろう。
(まあ、そう簡単には行かないか……)
嵐の前の静けさ――という言葉もある。今がその時なのだろう。
俺が食糧を持ってきたため、
だが、油断は
また、状況によっては『アレナリース』への援軍を
砂漠において
地図を確認して、
俺としても
助けに来てくれた彼らを巻き込んでしまっては元も子もない。
大切な作業である。
また、ミリアムに用意してもらっていた植物も受け取った。
これでジャイアントスコーピオンへの対策も、どうにかなるだろう。
もう少し話していたい所だが――
(俺が休まないと、エーテリアがまた変な事をしそうだ……)
ビジネスでも一緒だが、世間話から拾える情報もある。
だが、今日は必要な話だけに
少し多めに持ってきてしまったようで『食糧は減らしてもらっても構わない』という話だ。明日からは武器や
『
ミリアムは
とはいっても、今から休むワケではない。
都市を囲むように植えた作物。
残りの側面と背面に『
これで明日から『城壁』を作る作業を、安全に進める事が出来るだろう。
護衛につける事が出来る人数も限られている。
足りない部分は『
後はスライムを増殖させるための
その分、かなり魔力を消費してしまったようだ。
寝ても回復するのだろうが、今は習得した
見回りを兼ね、エーテリアと一緒に月の砂漠を散歩することにした。
そういえば、街の作業が
(女神の機嫌が
翌朝、馬車に戻って休んでいた俺は、再びミヒルに起こされる。
昨日と同様、
まだ外は暗く、砂漠の朝は肌寒い。
ミヒルも
ただ、子供が一人で出歩くには危険な気もする。
太陽は、まだ登ってはいない。
周囲は真っ暗だが、
食糧が行き渡ったお
昨日よりも、外に出ている人の数が多い気がする。
俺はイスカにミヒルを
『塩』を取って来るのは
根菜類や葉野菜を育ててから、持って帰ることにした。
数匹だがミミズも採取する。
そのため、少し時間は掛かってしまったが――
(まあ、問題ないだろう……)
俺が『アレナリース』へ戻ったのは、太陽が顔を出し、空が明るくなった頃だ。
周囲を観察すると、皆でパンを食べていた。どうやら、貧民区画の連中が――俺が喜ぶと思って――パンを持って来てくれたらしい。
安定したパンの製造に成功したようだ。
俺の依頼した通り、パンの中にはオニオンやレーズン、アボカドが入っている。
(ちょっとしたパンブームが来るかもしれないな……)
次は各
都市の改造計画の始まりだ。
ミヒルの歯磨きと洗顔を終えると、俺はカムディを
伝言を頼むためだ。
昨夜、街の外に竹を植えたので――必要な材料はそこから持っていくように――職人たちへ伝えてもらうようにお願いする。
気が付くと若手文官も来ていた。俺は作物を運搬するための手配を頼む。
また、塩が手に入った
午前中は昨日と同じで、作物の生産を行う予定だ。
ミヒルと一緒に街の外へと出掛ける。
今日は大男たちが先に来ていた。
最近は腹いっぱい食べているためか、最初の頃より血色がよくなっているようだ。
今日は午後から別件を頼みたい
また、収穫作業の前に――街を囲むように植えた――作物への水
「おうっ! 任せてくれ」
と大男。テキパキと仲間に指示を出す。
収穫作業は水撒きが終わってからだ。
(今日は街の背面に作物を植えよう……)
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