第73話 人間族の能力(3)
ミヒルの時もそうだったが、レベルは最大10までしか上がらないようだ。
彼女の時は『気が付かなかった』というよりも、本格的な戦闘要員としては考えていなかった。今後の成長に期待はしていたが――
(
そんな考えの方が強かった気がする。
どうやら、種族
俺も『余裕があれば、レベルを上げておこう』と思ったのだが、
(まあ、中身はオッサンだしな……)
ある意味、人として『これ以上は成長しない』と言われているようだ。
覚えられる
『
取り
HPが上がるだけでも、だいぶ違うハズだ。
俺とミリアムの基本ステータスを底上げしておくことにした。
「おおっ! 力が
とミリアムは
まあ、今まで
この世界では、俺のような異世界人が持ち込んだ常識が反映されるようだ。
ステータス画面も、その一種なのだろう。
俺よりも前に召喚された異世界人が持ち込んだ
言葉が通じたり、呼吸が出来たり、時間の感覚が同じだったり、不都合が生じないようになっている。
『異物を受け入れる』というよりも、世界は常に変化を求めているのかもしれない。今は戦うことを優先させるため、身体能力を中心に強化したが――
(その内、
現状、人類が『自由に未来を選べる』そんな日が来る事はない。
しかし【終末の予言】を乗り越える事が出来たのなら――
(今日、習得した
「さあ、先を急ごう」
気を引き
大した時間は使っていないが、浮かれてばかりもいられない。
「ああ、
とはミリアム。
(ガハム?)
俺は首を
名前だろうか?
そう言えば、この辺にガタイのいい
まあ、ジャイアントスコーピオンも倒しきれなかった。
たぶん無事だろう。俺はステータス画面から、
しかし、最初は
(ステータス画面が使えるのは便利だな……)
今までは
そのため、あまり気にしてはいなかったのだが、色々と応用が利きそうだ。
だが、
すぐに目的の場所へと
正確には『視界に
まだ、距離はあるのだが
日陰のため、植物があまり育たず、黒い土が
そこへ
地面は学校の
砂漠から砂を運び、ここへ
もしくは砂漠から戻ってきた際、ここで身体に付いた砂を落としていたのかもしれない。やはり、知能は低くないようだ。
そこまで広くはないが、近くには
逃げる際に適している――といった所だろうか?
そこに1羽だけ、異質な鳥がいた。
姿形は
しかし、その姿は真っ黒であり、影がそのまま形を作ったようだ。
その体内では、白くぼんやりとした
俺の知識によると人型だったのだが、今は見付からないように
(
今は沢山の
上から奇襲を掛けようにも、近づく前に気付かれてしまうだろう。
いや、それ以前に
俺たちが
だからこそ
相手の能力が
後手に回るのは得策ではない。そのため、素早く動くことにする。
小石の入った袋と
「援護を頼む」
と言って、
同時に『
周囲の
俺は気にせず、そのまま
相手の狙いは分からなかったが『逃げなかった』ということは戦う意思があるのだろう。完全に
数の上でも不利だが、爪と
オマケに
不利な状況だが、速度では俺の方が上だ。
慌てる必要はない――と自分に言い聞かせる。
(残業はまだ、始まったばかりだ……)
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