第65話 竜の揺り籠(3)
「よしよし」
とミリアム。
色は
しかし、彼女に
『
(
盗賊たちの再就職先として、
岩場では目立ってしまうため、外敵に狙われそうだが、人に飼われている分には問題ないのだろう。形状はダチョウに近い。
しかし、頭は大きく、首や足も太かった。
体高は2mを優に超え、翼は主に、バランスを取るために使っているようだ。
時折、翼を広げることで風を受け
基本的に、あまり鳴くことはないようで、
全速力で走らせると時速70Kmは出るようだ。
俺が騎乗すると時速120Kmはいけるだろう。
(状況によっては、切り札にもなる速さだな……)
まだ、ふらつくミリアムを支え、俺は
彼女は騎乗すると俺に手を差し伸べ、一緒に乗るように
「走った方が早い」
と言って断った。
(一緒に乗ると、
馬車の時もそうだったが、俺の
今のミリアムには負担が大きいだろう。
無効化は可能だが――いざという時のことを考えると――常に使える状態にした方がいい。周囲に与える影響に関しては、少し慎重になった方が良さそうだ。
遠慮することはないのに――とミリアム。
周囲に『
俺に興味があるようだ。
悪い事をした気持ちになるが、遊びで来たワケではない。
ミリアムは
すると
そして、次の瞬間には正面を
まるで一段飛ばしで階段を上がっているかのように軽やかだ。
実際、足場など、あってないようなモノ。
ボーッと見上げていても仕方がないので、俺も急いで後を追った。
今更だが、そんな俺の様子を見て、ミリアムは
【根源】が失われた『
ミリアムを乗せた
(やはり、岩場の上を進むのか……)
訓練された
俺はミリアムの後を追い、岩山となった場所で追いつく。
ここからは飛び移る必要はないらしい。
遺跡は見えているのだが、高低差があるようで近づけない。
岩山を走り、回り道をするのは、下りる場所がないからだろう。
どうやら、クレーターのような場所のようだ。
『
『盗賊のアジト』と
その形状から、深部には雨水が
外からはゴツゴツと大岩が集まっている場所にしか見えなかったが、それを乗り越えると『緑豊かな地が存在する』というワケだ。
天然の
三人だけで、大勢の人間を運ぶには骨が折れるだろう。
俺に助けを求めたことにも合点がいった。
悪いな――とミリアム。
「本当なら、景色を堪能してもらいたい所だけど……」
ここから降りる――そう言って、崖を下った。
俺は
通常なら――
そのため、上にあった地面が落ちてしまい穴が出来た。
もしくは――地下を支えていたのは、水に溶けやすい岩石だった。
雨水により侵食され、いつしか地下に空洞が広がり、
(その辺りを想定するのだろう……)
だが、ここは異世界だ。
地下に巨大な
この
警戒するに越したことはない。
下へ降りると、緑が増えたことで景色が一変した。
陥没した地形にあるため、日当たりがいいとは言えない。
だが、深部と思われる中央へ行くほど、緑の数が増えているようだ。
ここは地下であるため、すぐに日陰となる。養分が足りないのだろう。
崖の周辺には食虫植物の姿が多く見られた。
写真に撮って、SNSに毎日投稿すれば、フォロワー千人も夢でない。
希少種のようなので、貴族へ売れば、ひと財産築けただろうか?
こんな状況でなければ『プラントハンター』という職業も悪くはない。
(盗賊たちの再就職は、どうにかなりそうだ……)
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