第49話 オアシスでの休息(1)
――ザシュッ、ザシュッ、ザザーッ!
「うん、これがいいな……」
タワーシールドも悪くはない。大きくて
盾としては大切な事だ。
だが、重いためかサンドボードとして
砂の性質によるのだろう。
俺のサンドボードの
雪原を
俺には〈スカイウォーク〉の
また、体重を掛けても、雪と違って
砂自体が動くためだろう。
安定した
そういった意味では、スノーボードよりもサーフィンに近いのかもしれない。
(まあ、サーフィンはやったことがないんだが……)
いつものエーテリアなら「ユイトさん、カッコイイです♪」と
子供たちも俺の
板や袋に座れば、後は勝手に下まで
そんな楽しそうにしている子供たちとは逆に、大人たちは疲れ切っている様子だった。
砂漠という
一方で子供たちは――ポーションを与えた
子供はすぐに仲良くなれて
(いや、今は俺も子供だったか……)
あのサソリを追い払ったお陰で、一部でヒーロー
「
とカムディ。手には砂漠用の
子供たちを助けてくれた『お礼』ということで、装備一式を
正しい報酬をもらうことで、経済が回ることを学習したからだ。また、俺が報酬をもらったことで『今後、功績を残せば報酬をもらえる』という前例が出来る。
残念ながら、人は気持ちだけでは動かない。
『アメとムチ』という言葉があるように報酬を与えることも必要だ。
今回は恩を売ることに成功したので、次は地位を得なければならない。
一匹、二匹の
だが、もし【終末の予言】通りに事が運ぶのなら、
その時の立場が『アニメーター』と『監督』では
人を動かすにはせめて『作画監督』くらいの
いや、間違えた。小隊を率いる隊長くらいにはなっておきたい。
なので、俺はこれから、その肩書を取りに行く準備をしていた。
「遊んでいたワケではない、サンドワームを倒す準備だ」
と俺が答えると、
心外である。小さな投資で大きな利益を得るのが投資の基本だ。
俺がサンドボードを上手に乗り
「確か、
俺の問いに「ああ、そうだけど」とカムディは
馬と同様に考えていいようだ。騎士などが乗ることもあるらしい。
ならば、
取り
また、ミヒルにも声を掛け、イスカの言う事を聞くように指示する。
そして、カムディと一緒に職人のいる馬車へと移動した。
岩場でサソリから助けた人たちと一緒に、俺たちはオアシスへと向かった。
南方の街から旅をしてきた一団と、無事に合流することが出来た。
イスカたちの言葉だけなら信用されなかったのかもしれない。だが、サソリに
この一団の長である老戦士から、お礼を言われると同時に護衛を頼まれた。
どうやら老戦士はイスカとカムディの祖父らしい。
父親の姿がなく、老戦士が『一団を率いている』という事は、父親はもういないのだろう。気にはなったが、
それよりも、受け負った仕事は『
元々、砂漠の街へは行くつもりだったので、一団と同行することに問題はない。
俺は二つ返事でOKすると、
まずは時間だ。出発を少し待ってもらうように交渉する。
これは馬車の修理や人々の休息が必要だったため、簡単に了承してくれた。
俺としては『街へ向かう前にサンドワームを倒しておきたかった』というのが理由だ。ただ、
また、公言した場合、引き留められる可能性も十分にある。
出立の準備が整うまで、そこは
子供の姿のため、警戒されずに一団へ受け入れてもらえたが、子供が一人でサンドワームを倒せるとは思ってもらえないだろう。
(やれやれ、子供の姿も
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