第24話 始まりの街(2)
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女神の神殿
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【バランサー】で習得可能な『
(初めて使ったが、上手くいって良かった……)
〈ワープ〉は一度行ったことのある街や
『女神の神殿』にはエーテリアか、その
また、気が付いたこともある。
どうやら『出る』のは自由だが、ステータス画面で確認する限り『女神の神殿』へ『入る』には24hの
つまりは1日に1回しか、ここへ戻ってくる事は出来ない。
(次からは、もう少し考えてから使わないと……)
「大丈夫ですか?」
とエーテリア。お互いに
彼女は返り血で汚れた俺の服を浄化してくれた。
(必ずしも、そうじゃないのか……)
恐らくは『人に強く認識される』などの条件を満たしたモノが、物質となって残る仕組みなのだろう。
だから
(いや、今はそれよりも……)
俺は状況を整理することにした。
少なくとも事態は想定より、ずっと悪いようだ。
エーテリアも困った表情をしている。
ただ、この場所にいる限りは、外の世界の時間が動き出すことはないらしい。
俺は『リディエス』の街に対して、調査することにした。
一度、行った場所なので〈クリエイト:地図〉が使用可能となる。
簡単な周辺地図が表示できるようになっていた。
ステータス画面とは違い、こちらは使用した本人以外も見ることが可能らしい。
(まずは地形か……)
北東方面には山が
北西には海があるようで、南西方面へ進むと砂漠が広がっていた。
地形から察するに――砂漠への出入り口――交易都市といった所だろうか?
海が近いため、港から品物が集まる。貿易も
また、
そのための『準備をする場所』としても重宝されていたのだろう。
当然、山や森からも陸路を使って人々が
あの大通りの広さからいって、以前は『人の往来が盛んだった』と見ていい。
俺はエーテリアに頼み、街の詳細な映像を出してくれるようにお願いする。
神様なのだから、地上の様子くらい、
すると彼女は黙って瞳を閉じ、唇を突き出してきた。
どうやら、対価を要求しているらしい。
照れもあったが、俺は彼女の
正直、今は
それに外見は子供とはいえ、十代前半の姿でもある。
下手に彼女へ口付けをした場合、歯止めが利かなくなる恐れがあった。
「今は、これで勘弁してくれ」
そう言って、俺が
「仕方がありませんね♡」
彼女は俺の左腕に自分の腕を
柔らかな胸の感触が布越しに伝わる。
「これで
とエーテリア。可愛いので、俺が我慢できそうにない。
この手の感情は、自分では
意識を
俺に抱き付いたことで、彼女の中でも不安な気持ちに整理がついたらしい。
えいっ☆――とエーテリア。
指を動かすと、
俺はその映像を確認する。
軽く触れると動いたので、俺でも簡単な操作が出来るらしい。
(まずは周囲の状況からか……)
街を
そこには衛兵どころか、人の姿はない。
やはり、無人のようだ。
街の中はすっかり、
同時に、気になっていた事が確信へと変わった。
(外壁や街の中は綺麗なままなのか……)
つまり、これは『戦いにはならなかった』と考えるべきだろう。
普通に考えるのなら――街の人たちが
(事情を知っている人間が見付かるといいのだが……)
そして、
街で一番大きな神殿のようだ。
(これはアレだな……)
人が残っていて、
細かく見てみると、神殿の中は
生存者だった人たちは
神殿内のあちこちには
死体の破片や骨の様子から、子供と老人ばかりが目立つ。
(置いて行かれた連中か……)
生存者はゼロ。
「待ってください」
とエーテリア。神殿の外の映像を俺に見せる。そこにはデザートウルフの
追い掛けているのはゴブリン――いや、亜種のデザートゴブリンだろう。
奴らは、すぐには人間を殺さない。
暴力振るって遊び、飽きたら飼いならしているデザートウルフの
『
(これは、助けに行かないといけないヤツだ……)
戦闘を極力
俺は広場からの最短ルートを考え、
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