第二章 若返りの泉
第17話 子供になってるじゃないか!(1)
最初に聞こえたのは――ザブンッ!――という水の音だ。
光に
オマケに息も出来ない。苦しい、だが――
(落ち着くんだ……)
と俺は自分に言い聞かせる。
恐らく、最初の音は水の中に落ちた音だろう。
思うように
俺は一旦、
日本の良い所は四季がハッキリしていて、山と海を経験できることだ。
(このままでは、春と秋がなくなってしまうらしいが……)
山で
落ち着くことで、状況も見えてくる。
まず、自分が
『光が
また、流れがないことも理解できた。
やがて、身体が
それなりに広いようだが、水の深さは実家の
上半身を起こせば、顔が水面から出る。
慌てていたのがバカらしい位だった。やがて、呼吸も
飛び込んできたのは『外の世界』ではなく、どうやら
俺が居る場所は
白い岩肌に、
どうやら、水自体が青白く発光しているようだ。
異世界へ転移した――と考えるのなら、魔力が原因だろうか?
明かりが
洞窟内の所々には青い水晶が
岩にはコケが生え、金色の粒子を
奥の方は暗いようだが、
手足を上手く動かせなかったのは、俺が服を着ていた
立ち上がると、全身ずぶ濡れのため、
転移の影響で
足が短くなった気もする。そんな違和感を覚えつつも、俺は
(まずは、着替える必要があるな……)
ここが異世界であることは間違いないだろう。
やれやれ、最初から
これはエーテリアに文句を言う必要がある。
しかし、身体の感覚がどうにもおかしい。
最初は『転移した影響』と『衣服が
だが、手も小さくなっている気がする。まるで女性――
(いや、子供みたいだ……)
元会社員でデスクワークが基本だった。
そのため、そこまでゴツゴツとした手ではなかったのだが――
(ここまで、可愛い手でも無かった気がする……)
しかし、
人間が一番見る機会が多いのは『自分の手』だろう。
まるで昔に戻ったような――
(まさかな……)
と思いつつ、服が軽くなったので、俺は近くの岸へと上がることにした。
湖――
風邪を引くことはなさそうだが、衣服が肌に張り付いて気持ち悪かった。
異世界仕様なのだろうが、衣装も変わっているようだ。
この時代の一般的な服なのだろうか?
俺は自分で着た覚えのない服を適当に脱ぐ。
取り
同時に一緒に来ているハズであるエーテリアの姿を探した。
裸を見られるのに抵抗がある――と言いたい所だが、
俺は彼女と関係を持った。
『この歳で童貞』というのも、今は
いつの間にか、恋愛はリスクが高くなってしまった。
性的な欲望を満たすコンテンツも、安く簡単に手に入る。
しかも大量に存在した。
『働いたら負け』などと言っていた連中も
今はSNSを始め、ネットには他人を誹謗中傷する言葉が
昔は『パソコンが使える』など、ある程度の知識が必要だった。
だが今の時代は、スマホが
多くの人たちが当たり前のように、利用することが可能となっていた。
ただ、いつの時代も『人は自分の信じたいことだけ』を信じる生き物だ。
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