第一章 女神を拾った日
第4話 女神を拾った日(1)
俺――
これからの事を考えると不安はあるが『清々しい気分だ』というのが本音である。
俺が戻って来たことで張り詰めていたモノが切れ、
最後の一カ月を一緒に過ごせただけでも『良かった』と考えることにした。
心残りは旅行に連れて行ってあげられなかった事だろうか?
特別大きく感情が動くこともなく、俺は淡々と日々を過ごす。
五月には雪も解けたので、畑を作ることにした。
昔、祖父と一緒に
当時は嫌だと思っていたことも、大人になった今なら、計画を立てて実行することが出来た。孤独ではなく、自分と向き合うための時間だ。
それは早朝の畑仕事にも
夏になって、草が伸びきる前に
『雨後のタケノコ』という言葉があるように、この時期は雨が降った後、すぐに草が伸びてしまう。油断をしていると大変なことになる。
具体的には虫が発生し、姿を隠せるためか、野生動物も近づいてきた。
トゲのある植物や感染症を媒介する害虫に寄生虫病。なかなかに
シカやキツネなどの野生動物を見て喜ぶのは、観光客くらいだろう。
地元の人間は危険なことを知っているため、野生動物には近づこうとしない。
北国では五月下旬から六月上旬に条件が
定期的に草を
風向きを確認してから、充電式の草刈り機を使用する。
エンジン式と比べてパワーは
稼働時間がネックだったが、バッテリーを二つ用意すれば解決だ。
田んぼの周りの草を刈るワケではないので、これで十分である。
(一人だと、あれは永遠に終わらない気がする……)
バッテリーは他の電動工具にも付け替えが可能なため、汎用性もあった。
注意するのは、適度に
俺が『休むため』というよりも、機械への負荷を
この手の回転するタイプの機械は熱が発生する。
故障の原因になるため、適度に休ませながら使う必要があった。
作業自体は片付けも含め『一時間半』といった所だろうか?
午前中の『涼しい内に終わらせよう』と思っていると、
(
ぽっかりと空いた穴を地面に見付ける。
片足くらいなら、
子供が落ちると危ない――とも思ったのだが、その心配はないだろう。
この辺りに子供は少ない。
昔と違って、
(しかし、困ったな……)
報告しようにも住職は不在だ。
スクーターに乗っている姿を
今日も
誰かの
(でも、その場合、掘った土は
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