最高の笑顔で

揺れる想い それは光を抱いて

朽ちる暗闇 それは絶望を抱く

ああ なんと哀しきことや

ああ なんと嬉しきことや

いつでも 神は 採択す

下僕の 心 遊ぶよに

壊れる

壊される

この 現世で

口ずさめ 口ずさめ 神の名を

尊き 神の名を

愚かなる 神の名を

愛しき 神の名を

貴方だけの 神の名を


「…よし。じゃあ閉じますね。」

「あぁ、うん。ありがとう。ルナリス。」

「いえいえ、メリディアさんのお願いですからねぇ、全然大丈夫ですよ。」

石でできた骨壷の蓋をルナリスが閉め、それをメリディアは受け取り抱きしめて自分の腕よりも小さな骨壷を墓の下に再度埋める。

今日はライラの命日なのだ。ホントは骨壷を掘り起こすのはタブーなのだと思うがそんなルールは気にしないでおく。

「それにしても今日はいい天気ですねぇ…日光のおかげかライラックが綺麗に咲いてます、咲き誇っています!」

「へぇ、星だけじゃなくて花のこともわかるんだ。」

「はい〜元々修道院に入るまではお花屋さんの家にお世話になっていましたので多少はわかるんです!それにライラには植物図鑑とかが沢山ありますから図鑑を読んで勉強したんです!」

「……なるほどね。ルナリスは花屋の前はどこいたの?」

「花屋の前のことも話しましたっけ?んーと一般家庭、一般家庭、研究所、花屋、ですね!」

こういうのをたらい回しと言うらしい。シュン君が教えてくれた。たらい回しというのは世間からすればたらい回しにされている本人に何か問題があるのではないかと白い目で見られるものだ。相当な精神的ダメージを本人は負う、らしい。それでも他人にこの話をする時に笑っていられるというのは中々凄いことだ。アタシとは、違う。

「すごいね、ルナリスは。」

「…全然凄くないですよ。こんなの。お姉様のほうが、よっぽど、」

そうだった、ルナリスはアイツの、お姉ちゃんのことを崇拝しているんだった。忘れてた。でもアイツにどんな過去があろうとアタシは許さないって決めたんだ。今更、決意を変えるなんてできない。何年も突き通してきたんだから。そう、できないん、だよ。だよね、?

「あっ、しまった。セリーナさんを起こしにいかないと。メリディアさん私用事があるのでこれにて失礼しますね!また明日!」

「うんまた明日。」

ルナリスが走り去ってゆく。アタシはルナリスが見えなくなるまで手を振ったあとに再度ライラの墓に手をあわせた。

「…ねぇライラ。アイツは…お姉ちゃんはライラを忘れないようにってアンタのお気に入りの図書室をライラって名前に変えたんだよ。それにまた明日も貴方と会えるように?だっけな、そういう意味合いも込めてまた明日って言うようになったんだ。アンタが死んでもう6年。アンタの代わりではないけどリシアって子が入ってきたりメンバーが結構増えたんだ。今日ようやく話せた、遅くなってごめんね。アタシは何があってもアンタを死なせる原因を作ったお姉ちゃんは許せないし今後も絶対に許すつもりはないよ。これはアタシの意地だから、でも今日でアンタの死を引きずるのはやめる。ようやく踏ん切りが、ついたんだ。」

少し間をあけた。この言葉は重い。何年も何年も言えなかった言葉だから。でも。

「さようなら、ライラ。いつかまたどこかで。」

語りかけるように。言いたいことを言えた。やっと、言えた。そろそろ戻るとしよう。シュン君がきっと私を待っているはずだ。

ゆっくりと立ち上がる。

じゃあ最後にお別れの言葉をアンタに送ろう。

いつかきっと会える、そう信じている。涙?そんなのは今はいらない。いつかあちら側で流すから。それとこれを言う時は涙ではなくアレが必要だ。

「ライラ、また明日!」

そう、最高の笑顔で。

ーーーーーーー

こんにちは作者です。なんかいい感じの最後になってますが終わりません。あと19人分の過去が残ってるし新キャラも登場します。まだ、終わりません。

いつかたっくさんの人に見て貰えるように頑張ってこれからも書いていきます。能力はないけどがんばります。

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