第7話千鳥お嬢さまはほだかと勝負する

昼食を食べ終わりますと、眠くなったのかパラソルの下で皆さん横になります。


「今日も食べ過ぎたよ~」

「梨子さんの作るものはなんでもおいしっす」

「スイカも全部食べたしね」

「この人数ならスイカ丸ごと食べれるっすよ……」


人数は全部で6人なので、スイカ1玉を食べられない事も無いですが

志麻となのさん2人では半分ほど食べましたが。


「2人とも、食べすぎだって」

「出されたものはちゃんと食べないと……」

「ちねっち、しまっちが言うとおりっす……」


言っている事は間違いではありませんが、かと言って無理に食べるのも良くないです。


「無理に食べるのも良くないですよ」

「海で遊んだからお腹が空いたから、つい食べちゃんだ……」

「同じくっす……」


確かに志麻となのさんはずっと遊んでましたから、お腹が空いたのでしょう。


「そうでしたね。ゆっくり休んでください」

「わかったす」

「そうする……」


志麻となのさんは2人でパラソルの下で横になっていますが

わたくしは少し海に入ります。


「千鳥ちゃん、海に入りますならわたしもご一緒します」

「お願いします」


ほだかも一緒に海に入りますが、ひざ下の辺りまでなのでただただ

海に入っているだけではありますが。


「今年も勝負をしますか?」

「そうですね。ほだか勝負です」


穂高はこう言いますが、ここに来るたびにほだかと水鉄砲勝負をしていま。

なので今年も水鉄砲の勝負を挑んてきました。

海から出て、水鉄砲を手に取りるとほだかと勝負をします。


「今回も参ったと言った方が負けですよ」

「ええ、わかりました」

「今回は負けません!」

「現在の所、わたくしが前回勝って2対1で勝っていますから今回も勝ちます!」


ほだかと水鉄砲の勝負は現在の所2対1でわたし勝っています。

なので、今回もわたしが勝てせてもらいます。


ルールは海に入った状態で、とにかく撃って参ったと言うまで撃ち合います。

ただ、時間は決めてありまして、30分で勝負がつかなかったら引き分けです。

時間は千音さんがはタイマーを動かします。

この別荘に来るのは5回目ですが、この勝負をするようになったのは小学校5年生の時からからで、今回が4戦目です。


「それじゃ、タイマーを動かすよ。2人ともはじめていいよ」

「では、行きます!」


ほだかは早速わたくしに向かって水鉄砲を撃ちますが、ほだかは射程を考えずに

わたくしが近寄れない様に、ひたすら撃ちます。

ただ、無闇に撃ちますので、すぐに水が無くなります。


「水切れです……」


ほだかは慌てて海水をタンクに入れますが、わたくしはその隙に穂高に近寄り

海水を入れるために屈んでいる、ほだかに向かって水鉄砲を撃ちます。


「う……海水が口に入りました……」


海水が口に入って口のなかがしょっぱいですが、ほだかはわたしの攻撃に耐え

タンクをセットすると、ほだかが反撃します。

ほだかが撃った水は、わたくしの胸もとに当たりますが変な所に命中して思わず


「ひゃっ」


と変な声がでてしまいました。


「変な子をでさないでください。胸にあたりましたが、まさか……」

「そんな訳ありません、胸が出ている部分に当たったので思わず変な声がでました」


ほだかにはこう言ってたが、実際は……胸の先端近くに当たったので思わず声がでてしまいました、

ただ、実際に露出していた部分にも命中したので嘘ではありません。


「なんでそう、千鳥ちゃんのビキニ姿が何だか悔しいです」


ほだかはこう言いますが、ほだかは胸元にフリルがついたワンピーズの水着を着ています。

『胸元にフリルがついた水着は胸が小さい子が着るんだよ』

と志麻が言ってましたが……そういう事みたいです。


「千鳥ちゃん、覚悟!」


ほだかが海の中とは思わない速さでこちらに向かて来ますが、何でこんなに早いのでしょう。

ほだか方が身長が低いので、わたくしのひざ下の深さだとほだかの膝上になるのですが

それなのにかなりの速さです。


 わたくしも近づいてこない様に、応戦しますがほだかは顔に海水が当たっても

速度を落とすことなく近づいて来て、わたくしのタンクの水が尽きてしまいました。


「水が切れてしまいました」

「千鳥ちゃん、勝負ありです!」


ほだかはそう言って、わたくしの顔に水を連射しますが目を開ける事ができない上に

海水が沢山口に入って、口の中がしょっぱくてたまりません。


「ほ、ほだか、や、やめてください、わたくしの負けです……」

「今年は私の勝ちです!」


ほだかはVサインをしますが、ほだかは意外と勝負ごとに熱くなるタイプです。


「これで五部になりましたね」

「そうですね。次は負けません」


わたくしも勝負事には熱くなるので、人の事は言えませんが。


「えーと、勝負時間15分か。2人も熱くなったね」

「海水でべとべとになりまし、口の中がしょっぱいですのですすぎたいです」

「わたしも海水が口に入ってたので、すすぎたいです」

「では、一度別荘に戻りましょう」

「そうしましょう」


わたくしとほだかは身体を拭いて、一度別荘に戻り口をすすぎと再び戻ってきました。


「んー、よく寝たー」

「気持ちよくって寝てしまったっす」


志麻となのさんが起きますが、2人は伸びをして水分を摂ると


「では、しまっちまた勝負っす!」

「菜音ちゃん、負けないよ!」


といって、水鉄砲を取ると海の中で勝負をしますが、こちらは1時間の激戦の末引き分けに終わったそうです。


「そろそろ、戻りますか」


時間も16時に夕方になりましたので、別荘に戻ります。

本日はとても天気よく、海も気持ちよかったのですが西の空には黒い雲が見えます。


「この様子だと、雨が降りそうっす」

「そういえば、天気予報みてなかったね」

「見るのは後にして、片付けてを手伝ってくださいよ」

「うん、わかった」


梨子さんに言わて菜音さんと志麻さんは片づけを手伝います。

パラソルやシート、水鉄砲や飲み物などを入れてあったクーラーボックスを別荘に運び

それらを水洗いをしますが、志麻となのさんはついでに海水を洗い流しています。


「海は気持ちいいけど、べたつくからね」

「水で流したら少しはよくなったすか、はやくお風呂に入りたいっす」

「2人とも、日に焼けてるけど大丈夫?」

「ぼくは案外平気だけど、なのちゃん大丈夫?」

「多分平気っすか、念のためちゃんと冷やすっす」


そういって、なのさんはホースの水をかぶりますがなのさんの肌は赤くなっています。


「結構赤いですが、ヒリヒリしませんか?」

「水で冷やしてるから、大丈夫と思うっす」

「日焼けした後の冷却スプレーや塗り薬がありますので、対処しておきましょう」

「すまないっす」


なのさんは身体を拭き、別荘の中入ると冷却スプレーで冷やしておきました。

そして、着替えを部屋に取りに行き、入浴をしました。


 お風呂から出ると、スマートフォンで天気予報を見ます。

すると、これから天気は崩れる様ですが、台風も発生しているそうです。


「明日は天気が悪くなるみたいだね。台風も発生したみたいだし」

「まだまだ、こちらへの影響は無いようですが、この様子だと3日後ぐらいから波が高くなるなど影響が出そうです」

「3日後なら大丈夫そうだけど、海で遊ぶのは危ないかな」

「波が高くなるようなので、海に入るのは控えた方が良さそうです」

「あと、この様子だと帰る頃は天気が悪そうっす」

「そうですね。場合によっては早めに切り上げた方が良さそうです」


予報を見ますと、帰る頃にこちらに台風の影響で雨が降る予報です。

ただ、まだまだ日数がありますので予報が変わる可能性がありますが

それでも天気が悪くなので、別荘に籠る事になりそうです。


「天気を見ながらですが、帰りの事を考えて予定より早く帰りましょ」

「そうですね、2日ほど早く帰った方が良さそうです」

「台風じゃ仕方かがないっす」

「だね、あと3日居られるなら十分かな」


天気予報を見て、わたくし予定より滞在日数を減らす事を決めたのでありました。

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