第5話 千鳥お嬢さまたちは夕飯を食べ過ぎた
夕食は外でのバーベキューでしたが、昼に買った物はどれもおいしく
夕食に用意されたものは全て食べてしまいました。
「う~食べ過ぎたっす」
「わたしも今日は食べ過ぎた……」
「ぼくも食べ過ぎて動けない……」
志麻たちは食べ過ぎてリビングのソファーで横になっていますが
本日はわたくしも食べ過ぎました。
「片づけが終わったから、お風呂に入って一杯やらないとね~」
梨子さんは片付けが終わったので、入浴後にお酒を飲むようです。
「皆さん、お母さんが酔っぱら前に部屋に行きましょう」
ほだかがこう言って、ソファーで横になっている志麻たちを起こしますが
梨子さんは酒癖が悪いのでしょうか。
「梨子さんは酔うとどうなるのですか?」
「女性に抱きついてキスをする癖があります。なので、お風呂が出る前に早く部屋に行きましょう」
「わかったっす……」
「安曇さんがそういうなら……」
「うー、動けないよ……」
なのさんと千音さんは起きがって2階に上がりましたが、志麻は起き上がる事が出来ません。
「手を貸しますので、起きるのです」
わたくしが手を貸して、志麻を起こすと背中を押して2階の部屋に向かいました。
部屋につくと、志麻はそのままベッドに横になります。
「うー、食べ過ぎた……」
「戻さないでくださいよ」
「そこまでじゃないけど、サザエもアワビも牛肉も美味しすぎたよ……」
志麻の食べる量は普通ぐらいと思いますが、本日は昼も夜もかなり食べました。
素材が良いのもありますが、皆さんで賑やかに食事をするとついつい食べてしまいます。
わたくしも食べ過ぎましたが、苦しいという程ではありません。
「ちーちゃんはよく食べる、太らないよね」
「わたくしは大食いではありませんよ」
「でも、ぼくより食べるよね」
「それは体型の差です。わたくしの体型ならそこまで多く食べていませんよ」
「そうかな。食べてる割に太ってないというか……」
志麻はそう言って、わたくしの胸を見ます。
「栄養が胸に行ってると言いたいのですか?」
「ち、違わないけど……やっぱり、食べないと胸は大きくならないよね」
「志麻は相変わらず胸の話ですね」
「おっぱいは女子になっても好きだよ。自分にもあるし」
「自分の胸はどう思っているのです?」
「自分のは自分の、他人のは他人だよ。おっぱいは正義……」
志麻はそう言って静かになりますが、苦しいようなのでこのまま横になっています。
「時間は21時ですか。まだまだ早いですね」
スマートフォンの時計を見ると、まだまだ21時で寝るにも早いです。
ただ、かといってやる事もありません。
食事の時になのさんが「今夜はオールナイトで盛り上がるっす!」と言ってはいたものの
皆さん食べ過ぎて動けない状態です。
かといって、寝るのも早いので夏休みに課題をやっておきましょう。
わたくしは部屋のテーブルに向かって、課題をしていますと志麻も少し楽になったのか起き上がると
「ちーちゃん、ここにまで来て勉強なの?」
と言いました。
「やる事がないのでやっているだけです」
「さすがちーちゃん、まじめだね」
「出来るだけ早く課題を終わらせておけば楽ですし。志麻は毎年夏休みが終わる頃になって慌てていますよね」
「そ、そうだけど。まだ夏休みになったばかりだから、大丈夫」
「どちらにしても、勉強道具は持って来てませんからね」
「そ、そうだけど……」
志麻はそういってまたベッドに横になります。
わたくしも1時間程課題をしたので、本日はここまでにします。
「22時になりましたので、そろそろ寝る準備をしましょう」
わたくしは洗面道具を持って、洗面台に行きます。
洗顔と歯磨きをしますが、再び汗をかいたので汗を流すため温泉に入る事にします。
「わたくしはもう1度温泉に入りますが、志麻はどういたします?」
「ちーちゃんが入るなら、ぼくも入るかな……」
志麻は起き上がると、一緒に1階に降ります。
1階に降りると、リビングで梨子さんが1人でお酒を飲んでいましたが
見た感じかなご機嫌な様子です。
「うひひひ、やっぱりお酒はいいわね~」
梨子さんはそう言って、ライターでするめをあぶていますがすっかり酔っているようです。
「今の子って発育がよすぎなのよ~。千鳥ちゃんなんてあの年であの胸はけしから~」
梨子さんもわたくしの胸の事を言ってますが、確かに年齢にして大きいですが……。
梨子さんは他にもいろいろ1人でしゃべっていましたが、人に言える内容でありませんでした。
「梨子さんって酔うとこうなるんだ……」
「こちらには気付いていませんので、キッチンを周ってお風呂に行きましょう」
「そ、そうだね……」
梨子さんに気付かれないように、キッチンを周ってお風呂に行きした。
「ふうー気持ちよかったねー」
「そうですね」
温泉で汗を流してさっぱりしまたした。
部屋に戻る時もキッチンを周って梨子さんに気付かれないにしましたが
梨子さんは酔い潰れてソファーで寝ていましたが、350ml缶のビールを10本ほど開けていました。
梨子さんは時々、わたくしの家でもお酒を飲む事はありますが、350ml缶を1本だけですので
こんなに飲むとは思いませんでした。
ただ、このままだと風邪をひくので、タオルケット掛けようとしたら梨子さんが突然抱きついてきました。
「ほだか~かわいいよ~」
寝ぼけているのか酔っているからなのかわかりせんが、わたくしをほだかだと思っています。
「ほだかにしてはおっぱいがあるけど……別にいいか……」
梨子さんはそう言うと、わたくしを抱いたまま寝息を立てています。
わたくしはそっと梨子さんの腕から抜け出すと、急いで志麻と2階の部屋に戻りました。
「ほだかちゃんが言ってた抱きつく癖ってこういうことだったんだ」
「そうみたいですね。普段から明るい方ではありますが、ほだかが早く部屋に行くようにといったのがわかました」
「でも、ほだかちゃんの事が好きみたいだね」
「1人娘ですから、かわいいのでしょう」
ほだかもわたくしと志麻と同じ1人っ子だからかわいいのでしょう。
ただ、抱きつかれた時は驚きましたが。
しかし、あのままソファーに寝ていて心配にはなります。
梨子さんは1階にある寝室で眠るのですが、酔っているので心配です。
ただ、様子を見に行くにしても、また抱きつかれるのも困ります。
なので、どうするか悩みので、ほだかに相談します。
ほだかたちの部屋に行き、ほだかに梨子さんの事を話すと
「お母さんなら大丈夫です。多分、今頃部屋に戻っていますよ」
と言いますが、本当に大丈夫なのでしょうか。
「心配なら、一緒に見に行きますよ」
というので、再び1階のリビングに行くと……テーブルの上にあった空き缶などは片付けれていて
タオルケットもちゃんと畳まれていありました。
そして、梨子さんの寝室をそっと覗くと……ちゃんとベッドで眠っていました。
「本当ですね……」
「お母さんは酔って20分ぐらい寝たあと、すくっと立ち上がってちゃんと片付けてから寝室で眠るのです」
梨子さんは仕事をきっちとこなしますが、酔ってもそこはちゃんとしているのですね。
ただ、お酒を飲んでいる時に言っている事は……あれですけど。
とにかく、ちゃんとベッドで寝てるなら安心です。
「わたしたちも寝ましょう」
「そうですね。昼間も寝ましたが、食べ過ぎましたしやる事がないので寝ましょう」
2階に戻り、それぞれの部屋に戻ります。
そして、部屋に戻ると志麻はベッドで寝息をたてていましたが、昼間に一番長く寝たのにもう眠ったようです。
なので、わたくしもこのまま眠りますが、寝る前に昼間と同じ様に志麻の頬にキスをしてベッドに入りました。
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