第4話 千鳥お嬢さまたちは温泉に入る
ベッドに横になりましたらそのまま寝てしまいましたが、目が覚めたら日が暮れていました。
時間を見るともう19時近くなっていましたが、3時間程寝ていたようです。
志麻の方を見ますと、志麻はまだまだ眠っています。
なので、あえて起こさずにそのままにして、顔を洗面台で洗い1階に降ります。
「皆さん、おはようございます」
「やなぎっち、おはようございます……」
「柳さんも寝てたんだね」
「朝が早かったので、ベッドに横になったら眠ってしまいました」
「しまっちはまだ寝てるっすか?」
「はい、志麻はまだ寝ています」
「そうっすか。そろそろお腹が空いた頃っすから、早くご飯が食べたいっす」
なのさんはお腹が空いたと言いますが、わたくしはまだあまり好いてはいません。
「なの、もうお腹空いたの?わたしはまだいいかも」
「わたくしもまださほど空きませんね」
「そうっすか?わたしは空いてるっす」
「なのって小さい割によく食べるよね」
「小さいは余計っす」
「あ、ごめん……」
「あやまるらなくてもいいっすよ。ただ、食べても胸も身長も大きくならないっす、ぐぬぬ」
なのさんはぐぬぬと言ってますが、沢山食べて太らないのは羨ましいと思います。
「沢山食べて太らないのは羨ましいですね」
「わたしは大きくなるために食べるてるっす!バストアップも頑張ったのに、2㎝しか大きくならないのは納得できないっす!」
「身体が大きくならないから、胸も大きくならないんだよ」
「ちねっちも大きくはないっす」
「わたしはなのよりは食べてないし、運動してるから」
「ぐぬぬ、胸と身長ががちょっと大きいからって余裕で居られるのは今のうちっす!」
「いや、別に余裕じゃないし、胸はちょっとだけど身長はなのより20㎝ぐらい高いし」
「142㎝なら合法ロリっす!」
「年齢的に合法でもないけどね」
「あと2年で合法っす!」
なのさんと千音さんは言い争ってるよう見えますが、2人の仲が良いのでこれだけ言るのです。
「あらあら、皆さん起きたならお風呂に入ってくださいね。
もうすぐ、ほだかが出ると思いますので」
「そうですね、寝ている間に汗もかきましたし入りましょう」
「せっかくなので、3人ではいっるす」
「広いので構いませんよ。それに、温泉ですから」
「お風呂が温泉とかさすがっす!」
別荘のある半島は温泉が多いので、別荘のお風呂も温泉です。
しかも、敷地内にある自家源泉です。
「お先にお風呂をいただきました」
ほだかがお風呂からあがってきましたが、湯上りで火照ったはだが少し色っぽいです。
「ほだかっちの湯上りはなんか色っぽいっす」
「そうですか?」
「安曇さんはかわいいというか、綺麗って感じだよね」
「ほだかっちも美少女っす」
「なんか褒められると照れますね」
ほだかもほめれて珍しく照れています。
ほだかは表情が変わらない方ですが、最近は以前よりも表情の変化が多くなって来ましす。
「やなぎっち、ちねっち、お風呂に行くっす」
「その前に、着替えを持ってこないと」
「タオルとバスタオルは脱衣所に置いてあるのを使ってくださいね。
使い終わったタオルはリビングのカゴにいれおいてください」
「わかったす。部屋に着替えを取りに行くっす」
わたくしたちは着替えを取りに部屋に戻りましたが、志麻が目を覚めていました。
「んーちーちゃん、目覚めのキスを……」
志麻は寝ぼけてるのか、それとも寝ぼけた振りをしているかわかませんが
多分、本当に寝ぼけているのでしょう。
「志麻、寝ぼけてないで起きなさい」
「ん……そうだね……ちーちゃん、どこ行くの……」
「お風呂に入ります」
「お風呂か……ぼくもいくよ……」
志麻は眠い目をこすってベッドから出ると、着替えを取ろうとしますが
寝ぼけてわたくしの荷物を漁っています。
「志麻、それはわたくしの荷物です」
「そうか……どおりでブラが大きいと思った……」
「ブラを返してください」
志麻から半ば強引にブラジャーを取ります。
わざとではないのですが、流石に荷物を漁られるのは志麻でも嫌です。
「ごめん……ちーちゃん……」
「寝ぼけてたので別にいいのですが、気をつけて下さいね」
「うん……」
志麻は自分の荷物から着替えを取り出すと、1階に降ります。
「皆、おはよう」
1階に下りたら少し目が覚めましたが、志麻は水を一杯にお風呂に向かいました。
「脱衣所といっても、かなり広いっす」
「なんか温泉施設みたいだね」
「ここのお風呂は広いから、4人でも余裕だよ」
「では、お先に入ります」
「やなぎっち、もう脱いだのすっか!?あと、あまり隠さないっすか?」
「お風呂では別にみられても問題ありませんよ?」
「ちーちゃんってお風呂では堂々としてるんだよね」
「やなぎっちは恥ずかしがって隠すと思ってたので、なんか意外っす」
なのさんと千音さんがいますので、下は隠していますが胸は別に貸さなくても平気です。
「というか、やなぎっちの生おっぱいが見えるっす」
「脱いでも大きいんだ……」
「ちーちゃんのおっぱいは本当に大きいよ」
何故か志麻がドヤって感じになっていますが、別にいいでしょう。
あと、志麻はバスタオルを巻いて隠しています。
「では、お先に入りますよ」
わたくしは皆さんより先に入り、髪と身体をお洗い温泉に浸かります。
そして、皆さんも髪と身体を洗い温泉に浸かります。
「温泉はきもちいいっす」
「ちょっと夏だと熱めだけど、気持ちがいいね」
「自家源泉のかけ流しですから」
「かけ流しってなんすか?」
「温泉を水などで薄めたり、循環させないでそのまま使う事です」
「かけ流しは温泉の量が多くないとダメだからね」
「そうなんすか。お風呂も広くて、温泉なんて贅沢っす」
お風呂は4人なら楽に入れますが、その分掃除が大変です。
掃除も業者がしますが、滞在している間は自分達でやります。
あと浴槽の湯は朝に1度抜いて、掃除してます。
そして、溜まるには数時間かかるので、わたくしたちが寝ている間に
ほだかか梨子さんがお湯を溜めてくださいました。
「明日は朝から海で遊びましょう」
「プライベートピーチで遊ぶっすね」
「ただ、地形の関係で潮の流れが複雑なのと急に深くなるので海では泳げませんが」
「そうなんですね。ただ、海に言ったら遭難するのはある意味ラブコメ物のお約束っす。つまりフラグすね」
確かに、夏休みに海へ行って遭難するのはラブコメ物の定番ですが、ここの場合
遭難すると外海に流されるので、本当に危険です。
「確かに定番ですが、ここの場合は外海に流されるので本当の遭難ですよ」
「そうなんすか。それじゃ、シャレじゃならないっすよ」
「流されたら危険なので浮き輪等は使わない下さいね」
「なんか、本当に危ないようなので浜辺で大人しくするっす」
わたくしが真剣な表情で話すのでなのさんも納得してしてくれました。
海水浴場ならばライフセイバーがいますが、ここは完全な私有地なので
流されたら大変です。
あと、これはフラグでありませから。
「でも、海で遊ぶのは楽しみかな」
「岩場の方へ行くと、海の生物観察が出来るよ」
「虫とか苦手っす」
「蟹とかならいいけど、ウミウシとかナメクジみたいのは駄目だな」
「わたくしも苦手の方でが、志麻は平気です」
志麻は虫とかが平気ですが、大志の頃も虫などは平気でしたね。
なので、志麻になっても平気の様です。
「ウミウシとかも見てるとかわいいけど、毒があったりするからね」
「触っても大丈夫っすか?」
「基本的に触らない方がいいから、観察するだけよ」
「そうっすか。見るだけなら平気かもっす」
「ここには1週間いるから、海で遊ぶだけじゃなくて岩場の生物観察もしようよ」
「海で遊ぶだけだと、飽きるからそれもいいかも」
「それじゃ、そうしよう」
海で遊ぶだけではなく、岩場の生物観察も決まりましたが
正直、わたくしは気が進みませんが、志麻が行きたいのならかまいません。
「温まったから、そろそろでるっす」
「そうだね、ちょっとのぼせたかも」
話しをしながら浸かっていたら、結構な時間が経ったので出ます。
温泉なのでかなり温まったので、浴室から出て脱衣所で少し涼みます。
この時は流石にバスタオルを巻いてはいます。
涼んでいる間に髪も乾かしますが千音さんが
「柳さんの髪は綺麗な髪でいいな。わたしは癖毛だから手入れが大変なんだ」
とわたくしの髪を羨ましく見ています。
「ちーちゃんの髪は綺麗なストレートだからね」
「しまっちも髪は綺麗すか、伸ばさないすか?」
「ぼくは長いとうっとしいから、これぐらいがいいんだ」
「伸ばしたらさらに美少女だと思うっす」
「なのちゃんも短い方だけどね」
「わたしも長いのは苦手っす」
なのさんは志麻に髪を伸ばすようにと言う割に、自分も長いのは苦手の様です。
あと、ほだかも肩に着くぐらいの長さなので、髪が長いのはわたくしだけです。
「やなぎっちはドリルにしないっすか?」
なのさんが聞いてきましたがわたくしは
「志麻に何度も同じ事を言われましたが、ドリルにはしませんよ」
と答えましたので、なのさんも納得してこれ以上特に何も言いませんでした。
ある程度涼んで、湯上りの汗も引いたので服を着ますが
お風呂に入ったらお腹がすき始めたので、夕食にするのでした。
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