第2話 千鳥お嬢さまたちは別荘に到着する

市街地を抜け、国道から別荘へ向かう道に入りますと周りに家がなくなり狭い道を走ると別荘に到着しました。


「到着しました、ここが別荘です」

「やっとついたっす。本当に周りは何もないっす」

「だからいいんだよ。ぼくはここが好きだよ」

「スマホの圏外かやっと電波が入るぐらいなんだ」

「別荘には光回線がありますので、Wi-Fiは使えますがたまにはスマートフォンを

使わずに、のんびりしても良いでしょ」

「そうっすね」

「みなさん、荷物を運ぶのを手うだってくださいね」

「わかりました」


梨子さんに頼まれて、各自の荷物やスーパーで買って来たものを下ろします。

自分の荷物を下ろすと、わたくしは別荘の鍵を開けます。

そして、換気のために窓を開けますが、別荘の掃除は業者に依頼してあります掃除の必要はありません。


「目の前が海で眺めがいいっすね。あと、あの砂浜がプライベートビーチすか」

「ええ、そうですよ。ただ、プライベートビーチと言っても、船が通るのは見えますので」

「流石に完全なプライベートではないっすね」

「ええ、流石には」


流石に完全なプライベートビーチではありませんが、それでも私有地なので

他に人が来ないの事にはかわりありません。


「部屋はどうするっすか?」

「そうですね、後で考えましょう。まずは荷物を運び入れましょう」

「そうっすね」


換気のために1階と寝室がある2階の全部の窓を開けると、荷物の運び入れを手伝います。

まずは自分の荷物を運び、食材はキッチンの冷蔵庫にいれます。

大勢の人を呼ぶための、業務用の冷蔵庫が2台あるので買って来た物は全部入りはいります。


「柳さんって意外と力があるんだ」


千音さんがこういいますが、わたくしは梨子さんが買ったビール2箱をキッチンに運び入れました。


「そうですか?2箱ぐらいなら普通だと思いますよ」

「いやいや、女子で24本入った箱2つは重いっすよ」

「ぼくだって1箱しかもてないのに、ちーちゃんは余裕だよ」

「わたしは持てない事もないですが、やはり重いです」


皆さんこう言いますが、もしかしてわたくしは力があるみたいです。


「わたくしは実は力があるのですか?」

「ちーちゃんは、力がある方だよ」

「普段、重い物は持ちませんが、何故か重い物が持てるんですよね」

「意外っす」


自分では気にしてませんでしたが、わたくしは実は女子にしては力がある様です。


「わたくしは力があったのですね」

「そうみたいっすね。試しに、しまっちをお姫様抱っこしてみるっす」


なのさんはこう言いますが志麻も


「ぼくもちーちゃんにお姫様抱っこされたいかも」


というので、この流れではしないとならないですね。


「試しては見ますが、出来るかはわかりませんよ?」

「出来なかったら出来なかったで構わないよ」

「ただ、危ないので広い所でやりましょう」

「それよりも、ソファーにぼくが寝るから、ちーちゃんがお姫様抱っこすればいいよよ」

「それなら、出来なくても床よりは安全ですね」


もし、持ち上げられなくてもソファーならそこまではないでしょう。

志麻がソファーに仰向けになると、わたくしは志麻をお姫様抱っこします。

すると、簡単にお姫様抱っこができますた。


「なんか、簡単にできたっす」

「ちーちゃん、重くない?」

「重い事は重いですが、余裕はあります」

「リアルのお姫様ははじめてみた」


志麻はわたくしの方に腕を回してますが、余裕はあります。

ただ、流石に人1人を抱っこするのは疲れるので、すぐに下ろしました。


「流石に、長時間は無理です」

「でも、ちーちゃんにお姫様抱っこしてもらったよ♪」


志麻は喜んでますが、わたくしが志麻をお姫様抱っこをするとは思っていませんでした。


「みなさん、楽しんでますが、お昼にしましょう」

「わかりました」


梨子さんがスーパーで買って来たものをダイニングのテーブルの上に並べます。

買って来た容器のままですが、洗い物が減るので構いません。

取り分ける皿を回すと、食事をします。


「いただきます」

「いただっくす」


皆さん、それぞれをつまみますが、ここのスーパーの物は美味しいです。

その割に、値段も安く量も多いのですが、今年は人数も多いので粗方食べました。


「ふう、ごちそうさまっす」

「ごちそうさまでした」

「流石に満腹っす」

「おしいしいから、食べすぎたかも」

「少し残ってますが、夕飯か明日にしましょう」

「片づけはわたしとお母さんがやるますので、皆さん楽にしてください」

「ほだかも片づけはいいわよ。洗い物は取り皿と箸だけから」

「でも……」

「夏休みで遊びに来てるから、今日は皆さんと遊びなさい」

「わかりました」


梨子さんにこう言わて、ほだかもわたしたちと一緒に居ますが

満腹なので、身体を動かしたくなく、ソファーでのんびりしてます。


「ああ、海風がここちいい……と思ったら、意外と暑いっす」

「海からの照り返しがありますので、昼のリビングは暑いです」

「換気もしたから、クーラーを入れてもいいんじゃないの?」

「そうですね、そろそろ窓を閉めましょう」


換気のために窓を開けましたが、リビングが暑いのでクーラーを入れます。

風自体は通るのですが、流石に昼間は暑いです。

ただ、夜になるとその風でクーラーを入れなくても涼しいのです。


「そういえば、まだ部屋を決めてなかったよね」

「そうですね。部屋は2部屋、3人部屋がありますがどうしましょう」

「しまっちとやなぎっちが2人部屋で、わたしとちねっちとほだかっちが3人部屋でいいっす」

「そうだね、2人の邪魔をしてはいけませんし」

「ですね、夏に大人の階段を上るために2人にしないといけませんし」


皆さん、気をつかってわたくしと志麻を2人にしてくれましたが大人の階段は上りません。


「大人の階段は上りませんよ」

「え、そうなの!?エロ漫画だと、こういう時に上るものだよ?」


志麻の発言にわたくしは何を馬鹿な事をと思い睨みますが、志麻はなんだかうれしそうです。


「やっぱ、ちーちゃんはこうじゃないと……」


志麻はつぶやきますが、やはり志麻にとってわたくしに睨まれるといいますか

説教をされるのはご褒美のようです。

以前から薄々感じてはいましたが……どうやら、間違ない様です。


「志麻、バカな事を言わないで下さいね」

「冗談だよ、ちーちゃん。初めてはみんながいない所がいいし……」


しまは頬を染めて、もじもじしてますが……その気はある感じです。


「そういう事はまだしませんよ」

「まだと言う事はそのうちするの?」

「いずれは……です」


わたくしも本音としては……なので、しないとは言いませんが、やはり皆さんの前では恥ずかしです。


「もう、このやり取りはいいっすよ」

「なんか、こっちが恥ずかしい……」

「その時はどんなプレイをした、教えてくださいね」

「教えません!それより、部屋に荷物を運びますよ」


恥ずかしくなり、部屋に荷物を運びますが部屋は2階になっています。

わたくしと志麻は2人部屋ですが、どの部屋からも海が見えますが窓を開けていても暑いです。


「窓を開けても暑いね」

「ええ、陽が当たりますからね。なので、荷物を置いてリビングに戻りましょう」

「そうだね。でも、さっきの話だけど……」


志麻はそう言って、まだもじもじとします。


「志麻はしたいのですか?」

「したいけど……やはり、皆がいるからね、声が聞こえたらいやだし。

だから、ちーちゃんと2人きりの時に……」

「わかりました。ただ、これなら声は出ませんよ」


そういって、わたくしは志麻の肩に手を置いて顔を近づけます。

そして、志麻は目をつぶると……お互いの唇が触れあったのでました。


「おじゃまするっす!」


すると、なのさんの声がしましたが、なのさんはわたくしと志麻の姿を見て


「本当におじゃまだったす!失礼するっす!」


といって、部屋を出ていきましたが、わたくしと志麻は気にせず唇を合わせたままでした。

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