第23話 千鳥お嬢さまは誕生日当日を迎える

ついにわたくの誕生日当日になりました。

昨日はベッドに横になったら、いつの間にか寝ていました。

つまり、志麻への答えは悩んでいないのです。

ただ、志麻に素直にこの答えが言えるかだけです。

あと、どのタイミングで志麻に言うのかですが、やはり2人きりの時が良いですね。

なので、その時までは皆さんに誕生日を祝ってもらいましょう。


「おはようございます。千鳥ちゃん、誕生日おめでとうね」

「千鳥お嬢さま、誕生日おめでとうございます」

「ありがとうございます」


梨子さんとほだかが来ましたが、これは何時も通りで誕生日とは関係ありません。


「ケーキとお寿司はすでに注文してありますので、11時にお届けしてもらいます」

「はい、ほだから昨日聞きました」

「そういえば、志麻ちゃんはまだ来てないのね」

「志麻は後から来るようです」

「そうなんですね、わかりました」

「千鳥お嬢さま、これはわたしからの誕生日プレゼントです」

「ほだか、ありがとございます」


ほだからから誕生日プレゼントを貰いましたが、物はなにであれ嬉しいです。


「中身は後で確認します」

「では、わたしは夜の食事の支度をしますので、ほだかとゆっくりしててください」

「わかりました」


梨子さんあキッチンで料理をはじめますが、朝は自分で作って食べました。

梨子さんが料理している間、わたくしとほだかは別の部屋で

志麻となのさん、千音さんが来るのを待ちます。


 11時を過ぎた頃、チャイムが鳴りましたが志麻でした。


「ちーちゃん、お誕生日おめでとう~。これ、ちーちゃんへのプレゼントだよ」

「志麻、ありがとございます」


志麻からプレゼントを受け取りました。


「大したものじゃないけどね」

「志麻からのプレゼントであれば、何でもよいですよ」

「ちーちゃんがそういうならいいかな。では、お邪魔します」

「奥の部屋にほだかがいますので、梨子さんが準備をしている間はそちらに居てください」

「わかった」


志麻は家に上がると、ほだかがいる奥の部屋へ行きました。

そして、梨子さんがキッチンからこちらへ来ました


「志麻ちゃんも来たのね」

「はい、ほだかがいる部屋に行きました」

「そう。ところで、千鳥ちゃんは志麻ちゃんと何か約束をしてる?」


梨子さんが突然聞いてきましたので驚きましたが、ここは慌てずに冷静に


「はい。してはいますが、わたしと志麻との約束なので、梨子さんにもお話しできません」


と答えました。


「そうですか。いろいろ秘密が多いお年頃ですからね」

「秘密と言う程でもありませんが。しかし、何故わかったのですか?」

「なんとなくですよ。親というの子の様子を見れば何となくわかりますし」


梨子さんはニコニコしてこう言いますが、梨子さんからしたら

わたくしと志麻も梨子さんのお世話になっていますから、自分の子供の様に

ちょっとした態度でわかる様です。


「わたしは2人を応援してるからね♪」


梨子さんはそういって、再びキッチンへ戻りました、

梨子さんに志麻との事はもちろん話ていませんが、この様子だと気づいているのでしょうか。

いえ、考えてみたらクラスの方たちも、わたくしと志麻を百合カップルとみてますから

梨子さんもそのように見ていてもおかしくはないですよね。


 わたくしが廊下で考えていると、再びチャイムがなり


「どうも、坂寿司です。お届けに参りました」


とお寿司が届きました。


「ごくろうさまです。お題はまた後日お支払いします」

「わかりました。7人前ですが、よろしいですか?」

「大丈夫ですね。ありがとうございます」

「では、伝票です。寿司桶は何時ものように出しといてください」

「わかりました」


伝票を受け取り、おかれた寿司桶をキッチンへ運びます。


「あら、千鳥ちゃん、わたしがやりますのに」

「これぐらいやりますよ」

「今日は千鳥ちゃんの誕生日ですから、気を使わずに」

「いつもは梨子さんにやってもらってますから、誕生日ぐらいはです」

「そういうなら、いいですけど」


何時もは梨子さんとほだかにお世話になっていますから、これぐらいは自分であります。


「まだ時間がりますから、冷蔵庫に入れておきます」


暑い時期なので、お寿司はひとまず冷蔵庫に入れておきます。


「さて、夜の食事の準備はできましたから、わたしも時間まで一休みします」


梨子さんはそういって、エプロンを取りダイニングの椅子に座ります。

それをみて、わたくしは冷蔵庫から麦茶をだし、グラスに注いで梨子さんの元に運びます


「いつもありがうございます」

「あら、ありがとうね。では、いただきます」


梨子さんは冷えた麦茶を飲み、一息つきます。


「千鳥ちゃんがこうしてくれるなんて、珍しいかしら」

「梨子さんには、たまにはこれぐらいしないといけませんし」

「そんなに気を使う事はないけど、ありがとね」


梨子さんはそういうと、残りの麦茶を飲みます。


「なんか、今年は何時もよりうれしそね」

「そうですか?」

「顔に出てますよ。今年は志麻ちゃんとほだか以外のお友達も来るのよね」


わたくしは自覚してませんが、なのさんと千音さんが来る事が嬉しくて

無意識に顔に出ているのでしょうか。


「考えてみたら、千鳥ちゃんは志麻ちゃんとほだか以外のお友達はいませんからね」

「梨子さんもほだかと同じ事を言わないでください」

「ほだかも同じ事を言ってるのね」

「ただ、実際に居ませんから」

「千鳥ちゃんはツンツンだし、付き合う相手はちゃんと見極めるからしかたないよね」

「わたくしに近づく方たちはわたくしでなく、柳グループの経営者の娘としてですからね」


わたくしに近づく方はわたくしが好きでなく、わたくしの立場を見てますからね。

なので以前にもいいましたが、わたくしは幼馴染の志麻とほだか以外に

友人と呼べる方はいませんが、なのさんと千音さんは友人と呼べるのです。


「そうだとしても、もっとお友達を作った方がよいですよ」

「わかっていますが、人付き合いがあまり好きではないですから」

「千鳥ちゃんはかわいいのに、ツンツンしたらかわいくないわよ」


梨子さんはからかい半分でこう言いますが、思わず照れてしまいます。


「あら、チャイムが鳴ったわね」


梨子さんと話していましたら、ケーキも届きましたので受け取ります。

ケーキも冷蔵庫にしまいますが、時間も11時40分になったので

冷蔵庫からお寿司をだし、テーブルに並べるてなのさんと千音さんの到着を待つのでありました。

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