第22話千鳥お嬢さまはほだかに謝る

わたくしは急いで稲荷神社から、志麻の家へと向かいました。

予定ではもっと早く帰るつもりでしたし、ほだかからの連絡が来たら

すぐに返信するつもりでしたが、まさからこんなに時間が経過しているとは思いませんでした。

もしかしたら、ミヤコ様の結界の中にずっといたら浦島太郎みたくなるのでしょうか。

それはそれで気になりますが、まずはほだかに謝らないといけません。


 志麻の家の前に到着しましたので、通話をします


「ほだか、わたくしです。今、志麻の家の前に居ます」

『わかりました。では、そちらに向かいます』


ほかだはそう言って、すぐに通話を切りました。

そして、玄関のドアが開くと、志麻とほだかが出てきました。


「ほだか、すみませんでした。本来ならばもっと早く帰宅つもりでしたが

訳あってスマートフォンを確認する事が出来ませんでした」


わたしが頭を下げるとほだかは


「別に謝らなくても良いですよ。何か理由がある事はわかっていますから」


といいますが、わたくしは


「それでも、わたくしが事前に連絡をしなかった訳ですから、謝ります」


と謝り続ける。


「わかりました。謝罪は受け入れましたので、頭を上げてくださいね」

「ありがとうございます」


わたくしが頭を上げると、ほだかも志麻も困惑した表情でした。


「ちーちゃん、別にそこまで謝る事もないとは思うよ。

ただ単に、ごめんと言うだけでいいと思うけど」

「そうですよ、大袈裟です」


2人はこう言いますが、今日に関してはわたくしのための買い物でしたので

2人にとっては大袈裟であっても、わたしはしっかりと謝罪をしたかったのです。


「大袈裟でも、わたくしが謝りたかったのですので、2人は気にしないでください」

「ちーちゃんがそういうなら……」

「そう千鳥ちゃんが言いまなら、そうします。では、わたしは千鳥ちゃんと戻ります」

「わかった。それじゃ……一応、また明日かな」

「そうですね。明日はわたくしと一緒に居てくださいね」

「ちーちゃん、わかったよ」


志麻はちょっと苦笑いしてますが、わたくしが寂しがっていた事に気づいていますかね。

恥ずかしいので、足早に自宅に戻りました。


 自宅に戻り、ほだかと食事をとりますが昼は1人分でしたが夕食は2人分用意されていました。


「先ほどはすみませんでした」


わたくしは再び謝りまりますが、ほだかは


「別に良いのですよ。志麻さんのお部屋に居ましたし」


と返えすのですが、だとしてもわたくしが自宅に居なくてほだかたに迷惑をかけた事を謝ります。


「だとしても、迷惑をおかけした事には変わりませんので」

「千鳥ちゃんがそう言うなら、それで構いませんよ」

「ありがとうございます」

「では、食事を食べましょう」


わたくしとほだかは食事をとります。

食事の片づけをしすると、本日はほだかは実家に戻ります。


「では、わたしは家に帰ります。夜は1人ですが、寂しがって枕を涙でぬらさないでくださいね」

「わたくしを何歳と思っているのですが」

「まもなく17歳ですかね。誕生日が一番早いので、千鳥ちゃんが一番のお姉さんです」


3人の中ではわたくしが一番誕生日が早く、数か月ですが一番の年上になります。

なので、確かに姉ではありますがそんな風に感じた事はありません。


「確かに数か月誕生日が早いのでわたくしが一番年上なの間違っていませんが

同じ年なのでそんな風に思った事はありません」

「わたしも思った事はありませんよ。ただ、1人で寂しがってたであろう

千鳥ちゃんに元気を出して欲しかったのです」


ほだかはニヤニヤしながらいいますが、わたくしが寂しがってた居た事は

やはり気づいていたようですが、わたくしが素直にそれを認める訳がありません。


「わたくしが1人で寂しがる訳がありません。ただ、ほだかがそう思うのは自由ですからね」

「そうです、わたしが勝手に思っただけですから。千鳥ちゃんが寂しがる訳がありませんよね」


わたくしとほどかはこう言い合って、自然と笑うのでありました。


「ところで千鳥ちゃんの誕生日当日ですが、何時ものように阪寿司でお寿司

飯塚菓子店にケーキを頼んでありますので、11時に届く予定です」


阪寿司とはこの辺りでは高級とはいいませんが、ちょっといいお店です。

誕生日の時はここのお寿司を注文して、届けてもらっています。


「わかりました。なのせんと千音さんには12時に来てもらうように連絡してありますので

みなさんが揃ったら誕生日の食事をいたしましょう」

「そうですね。ただ、今年もおばさまとおじさまはお仕事ですが……」

「毎年の事ですし、今更、寂しがる年齢でもありません。わたくしはお姉さんですからね」

「そうですね」


わたくしはこう言いますが、ほだかはわたくしが強がっている事はわかっています。

ただ、わかってもてもあえてい何も言いません。

先ほどはからいかいましたが、両親の事についてはからかう事はないのです。


「では、わたしは帰りますが、やっぱり寂しいなら今日は泊りますよ?」

「大丈夫です。近くとはいえ、ほだかも早く帰らないと梨子さんに叱られますよ」

「そうでした。また明日お母さんと来ますので、おやすみなさい」

「おやすみなさい」


ほだかはぺこっとおじぎをして、帰宅しました。

ほだかが帰った後はわたくし1人ですが、何時もの事ながらこの時間は寂しいです。

ただ、わたくしも明日で17歳ですし、実際に1人で寝るのは慣れています。

ただ、本音を言えば寂しのですが、寂しくて枕を涙でぬらす事はないのです。


 わたくしは部屋に戻りますが、志麻の部屋には明かりがついています。

まだ21時なので起きている時間でありますが、志麻は夜ふかしで

わたくしが寝る頃になってもいつも明かりがついてはいますが。

とはいえ、まだ寝るには早いのですが、特にやる事はないです。

なので、ベッドに横になりますと、スマートフォンの音が鳴ります。


 みて見ると志麻からのメッセージで「誕生日が楽しみだね」とだけありました。

これが何を意味をしているのかわかりませんが、志麻としたあの約束の結果も誕生日にでるのです。

はっきり言ってしまえば、志麻がデレさせなくてもわたくしはすでにデレました。

それに、志麻の事ですからわたくしがデレていた事には気づいていたはずです。

なので、何もしてこなかったのでしょう。


 なので、このままではわたくしが志麻と恋人になる事になります。

正直、この答えは出ませんが……わたくしは志麻と一緒に居たい事は確かです。

ただ、この一緒に居たいのが家族としてなのか、幼馴染としてなのか

恋人としてなのかは、わたくしも答えが出ません。


 それに志麻はわたくしの事をどう見ているのでしょう。

志麻の狙いはわたくしの胸ですが、女性としての魅力があるのでしょうが。

あと、志麻はわたくしを思って……性的な事をしているのでしょうか。

わたくしははっきりといえば、性的な事をしています。

つまり、志麻を性的に好きなのです。

しかし、志麻に性的な事を感じる罪悪感もあります。

それに、わたくしは素直でありませんから、好きなのかと言われても答えません。

ただ、明日は答えを言わないとなりませんが……わたくしの答えはもう決まっています。

あとは、素直にこの答えを言えるかどうかだけなのです。

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