第17話 千鳥お嬢さまは佐藤と2人きりになる

放課後になり、志麻とほだかの3人で帰宅しようとしましたら


「柳……さん、お話がありますが、少し良いですか?」


と佐藤さんがわたくしに話しかけられましたが、一体なんでしょう?


「おい、佐藤、まさか柳に告白か?」

「そんな訳ないよ。柳さんに告白なんて、大野に告白するよりも命知らずだよ」

「確かにそうだな。でも、なんで柳に話しかけたんだ?」

「ちょっと話というか、聞きたい事があるので出来るだけ人がいない所がいいかな。

あ、2人きりじゃなくて、大野や安曇さんも一緒でも良いです」


佐藤さんはこう言いますが、わたくしはあえて


「せっかくなので、2人でお話しましょうか」


とあえて佐藤さんと2人で話を聞く事にしました。


「えーと、柳さんがそう言うなら……」


佐藤さんはまさか2人きりで話すとは思っていなかったので、少し困っていますが

わたくしから言いだしたので、受け入れました。


「では、人がいない屋上の階段でお話をいたしましょう」

「わ、わかった」

「志麻、ほだか、わたくしは佐藤さんとお話があるので、先に帰ってください」

「話が終わるまで待っててもいいけど、ちーちゃんがそういうなら先に帰るよ。

ほだかちゃんと2人で帰えるなんてかなり久しぶりですね」

「志麻さんと2人と帰るのは久しぶりなので、こうしてイチャイチャします」


ほだかは志麻と腕を組みますが、それと同時に耳元で


「修羅場は見たかったですが、素直に帰宅します。本妻の余裕を見せてくださいね」


と言われましたが、修羅場になると決まった訳でもなく、まだわたくしは本妻ではありませんし。


「まだそうなると決まった訳ではないですから」

「そうですか。この泥棒猫!というセリフを本当に言うのか気になりましたが

男性の場合なんていうのでしょうね」

「そんな事、知りませんよ。とにかく、わたくしは佐藤さんとお話をしてきます」

「では、ご武運を祈ります」

「ちーちゃん、がんばってね」


なんか、ほだかも志麻もわたくしが果し合いにでも行くような感じで言ってます。

多分、修羅場にも果し合いにはならないと思いますが……佐藤さんからお話があるのは気になります。


「では、行こうか」

「そうですね……」


わたくしは佐藤さんと共に、屋上のドアの前でお話をする事にしました。


「それで、お話とは」


わたくしが佐藤さんにからお話を聞きますが、佐藤さんは


「柳さんはなんていうか、緊張感があるというか、圧が強いと言うか……

なんか、話しづらい所があるけど……俺から話すと言ったから話します」


わたくしは他の方から見るとツンツンなので、話づらい所があるのはわかっていますので

佐藤さんの言う事も仕方がありません。

ただ、佐藤さんがお話になる内容は大体予想はつきます。


「昨日だけど……大野に告白した事を知ってますよね」


佐藤さんがわたくしに話があるとしたら、やはりこの事ですよね。


「知っていてもいいけど、あれは俺が大野と2人になったからつい言ってしまって

本気で大野と付き合う訳じゃ……って、これじゃ大野にも柳さんにも失礼か。

ただ、大野がおっぱい好きの同士であると共に、女の子としても好きなのは本当です」

「そうですか。佐藤さんは付き合うまでも行きませんが、志麻が好きなのですね」

「もちろん好きです。かわいいのに、男子相手でも気楽に話せて、おっぱいについて

熱く語れる女子は大野と満木しかいないですから」


確かに、おっぱい同盟に入る女子なんて普通はいませんからね。

あと、佐藤さんもわたくしの前でおっぱい、おっぱい、言ってますが

女子に向かっておっぱいを連呼できる佐藤さんも、なかなかだと思います。


「あの2人は女性の胸が好きですからね」

「自分におっぱいがあるのに、おっぱいを好きなんて羨ましい。

俺も女子としておっぱいを愛でたかった......いえ、なんでもないです」


なんでしょう、修羅場になる所か、佐藤さんがおっぱいについて語っているように思えてきますね。

考えてみれば、おっぱい同盟の一員でしたね。


「なんか、柳さんの前でおっぱい、おっぱい、言ってすみません。

大野に告白した事に話を戻しますが、きっぱり大野に振られましたから素直に諦めまます。

それに、大野が柳さんを好きな事を再確認できましたから、百合の間に挟まる大罪をこれ以上犯さないようにします」

「話はそれだけですか?」

「はい、これだけです。そして、柳さん、こんな事してしまってすみませんでした」


佐藤さんが頭を下げて謝りますが、別に怒ってはいませんので。


「佐藤さん、頭を上げてくてください。わたくしも正直にお話します。

偶然に志麻と佐藤さんが話している所を下駄箱の廊下から見てしまい、さらに廊下で2人が話してるのこっそり聞いていました。なので、謝るのはわたくしの方です」


そういって、わたくしも頭を下げましたが、佐藤さんは


「実は気づいた。女子トイレに慌てて隠れてるのが見えましたから」

「そうでしたか」

「俺もそれをわかっていたし、多分、大野もわかっていたと思います。

だから、あえて聞こえるように話していましたよ。そうでなかったら、もっと小声で話してました」


放課後とはいえ、佐藤さんが志麻に告白した事を誰かに聞かれる可能性がありますからね。

ただ、ちゃんと周りに人がいない事を確かめてからちゃんと話したそうです。


「大野も柳さんと安曇さんがいるのをしてて、わざとトイレに行きましたし」

「いえ、あれは本当に用を足しに来ただけです」

「え、そうなんですか?」

「あと、志麻はわたしたちがいる事に気づいていませんでしたよ。

なので、トイレでわたくしたちに会った時に、驚いていましたが」


志麻が驚いたのはわたくしがほだかを抱いていたからですが、いるのを気づいていなかったのは本当です。


「え、そうなんですか?てっきり、2人がいる事に気づいていたかとばかり……」


どうやら、佐藤さんは志麻がわたくしたちの事に気づいていて、佐藤さんに

乗っていたと思っていましたが、志麻の事ですから単に空気を読んだ出け出そう。

ただ、志麻は自然にそれが出来ますから、勘違いしたのでしょうね。


「志麻は自然にそれが出来ますので、周りが勘違いするのです。

でも、それが志麻のいい所でありますし、好きな所であります」


わたくしは無意識に好きな所と言ってしまいましたが


「柳さんも大野が好きですよね。この好きはLOVEの方ですけど」


と言ったのでありました。


「そ、そんなことありません。し、志麻が、す、好きなのは間違いないですが、恋愛感情はありませんので」

「そうやって否定するのは、恋愛感情があるのを認めてい事ですよ。

まさにラブコメのツンデレお嬢さまでみたいです」


佐藤さんは笑ってこう言いますが、その通りで言い返せません。


「わたくしが志麻に恋愛感情があるかどうかは別にいいではありあませんか」

「柳さんが大野に恋愛感情があっても、なくても、周りは百合カップルと思っていますからね」

「まったく、好き勝手に言って迷惑です」

「2人の仲を見ていると、特に男は間に入れないですからね。

それに、温かく見守りたくなりますし。だから、みんなあえて柳さんには話しかけないです」


佐藤さんは志麻とほだかと同じ事を言いますが、わたくしに話しかけないのは

ツンツンして近寄りがたいというよりは、こちら方が原因みたいですね。


「わたくしはツンツンしてますから、皆さん話しかけないかと思っていました」

「柳さんは家が家だから、皆畏れ多くて話しかけれないだけですよ。

大野や安曇さん、満木、川上さんと話して笑っている所はかわいいですし」

「なっ」


かわいいと言われて、思わずたじろますが……もしかして、わたくしは単に周りから

かわいいと言われて慣れてないだけなんですかね。

いや、たじろじましたが、志麻に言われた時みたくキュンとなったりはしません。


「本当はみな、柳さんの事を可愛いと思っていますよ。ただ、大野の事や家の事ありますから、遠慮してるだけです。なので、実は柳さんが好きな男は多いですからね」


あれ、なんだかわたくしが男子に人気があると言う話になっていますね。


「見た目もかわいいですし、俺が言うとあれですがおっぱいもクラス所が学年……いや、学校の生徒で一番大きいぐらいですからね。

おっぱい同盟ではレジェンドとして、崇めています。

あ、念のため言っておきますが、触ったりしませんからね。

ノーガン見、ノータッチがおっぱい同盟の決まりですので」

「はぁ……」


ノータッチは当たり前ですが、ノーガン見ということは、見る事は見るのですね。

確かに、わたくしの胸の大きさは学年どころか、学校の生徒で一番かもしれません。

3年生でもわたくしより大きい方はいないようですし。

あと、佐藤さんは志麻と話してると時と変わらないので、意外と気楽ですね。

なので、思わず笑ってしまいました。


「……柳さんが近くで笑うとこんなにかわいいんだ」


佐藤さんがわたくわらいましたら、佐藤さんがこう言いますがまさか……。


「ああ、大野が柳さんを好きな訳がわかりました。

こんなかわいい笑顔を近くで見てたら、嫌でも好きになります……。

俺も柳さんがの事が好きになりました、付き合ってください!」


そのまさかで、佐藤さんから告白されましたが、もちろん断りましたが。


「ですよね。大野一筋ですからね。なんか、悪い事をしてしまいました。

謝りますが、この事は忘れてください」

「もちろん、忘れますよ」

「俺らの話は以上です、また振られちゃったか」


佐藤さんはそう言って、帰っていきましたが……なんか、目的がわたくしに告白するに変っていませんか?

確か、志麻を巡っての話をしてたはずですが……佐藤さんの話を聞いて一応の解決をした……でいいですかね。

なので、わたくしも帰る事にしましたが、志麻とほだかは下駄箱でわたくしが来るのを待っていました。

そして、佐藤さんも先に下駄箱へ来たそうですが、志麻にわたくしに告白をした事を告げたそうです。


「佐藤君、ちーちゃんに告白をするために2人で話したんだね」

「千鳥ちゃんに告白なんて、佐藤さんは勇者です。これは伝説になりますね」

「明日はおっぱい同盟で佐藤君の勇姿を語らないといけないね」

「そうですね」

「ちょっと、二人共なにを言っているのですが……」

「安心してください、振ったのはわかってますから」

「ちーちゃんがOKするわけなにからね、それはみんなわかっているから大丈夫」


ほだかと志麻はこう言いますが、全く大丈夫と思いません。

現に翌日に学校へ行きましたら、佐藤さんはわたくしに告白して勇者になっていました。

そして、普段話しかけてこない女子たちも、告白された事をしつこく聞かれましたが

確かに告白はをされたので、違うと言いきれず困ったのでありました。

そして、その日から他の男子も告白を何度もしてきたので嫌になり

これ以上男子が告白しないようにわざと教室で


「わたくしは志麻が好きですから、男子も女子も百合の間に挟まらないでください!」


といったら、ピタっと告白は止まりましたが.……今度はやはりわたしと志麻は

百合カップルという事がクラスだけではなく、学校中に広まってしまいました。

なので、もしかしたこれは失敗だったかもしれないですが、告白を止めるためなので仕方がありませんでした。

そして、これは正式な告白ではな事は志麻もわかっていてますので、もちろんノーカンであります。

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