第16話千鳥お嬢さまは吹っ切れる

わたくしとほだかは制服に着替え朝食をとり、家を出ます。

そして、志麻の家に行くのですが……いつもより遅い時間なので

志麻はすでに制服に着替えていましたが。


「おはよう、ちーちゃん。今日は遅かったね。何かあったの?」

「昨日は少し考え事をしていたため、眠れなかったです」

「何か悩みでもあるの?」

「ありますが、答えはでていますので大丈夫です」

「そうなんだ。でも、目の下にクマが出来ててかわいいちーちゃんの顔が台無しだよ」

「なっ」


ほだかと同じ事を志麻に言われましたが、志麻に言われるとドキっとしてします。

つまり、わたくしが志麻を意識していると言う事です。

ええ、はっきりいます、わたくしは志麻が好きです。

そして、男子と付き合う事は許せないです。

これは嫉妬と言えば嫉妬ですが、志麻は大事にな家族な一員です。

なので、誰のものでありません、わたくしのかわいい幼馴染の1人なのです。


 もちろん、ほだかもかわいいですが、志麻はもっとかわいいのです。

元男子ではありますが、この世界では志麻は初めから女子。

そして、女子でありかわいい妹の様な志麻が好きなのです。

はっきり言って、性的にも好きなのです。昨晩だって、志麻の事を思っていました。

だから、志麻に近づく悪い虫は追い払いますし、そして百合に挟まる男子は許されません。

なので、これからは志麻はわたくしが守ります!

と心の中で決意するのでありました。


「ちーちゃん、顔が赤いけど大丈夫?」

「6月の終わりですから蒸し暑いです」

「それならいいけど。そろそろ行かないと遅刻だから、行かないとね。

それじゃ、行ってくるよ」

「いってらっしゃい。千鳥ちゃん、ほだかちゃんもいってらっしゃい」

「はい、行って参ります」

「いってきます」


わたくしたちは志麻の家をでて、学校に向かいましたが佐藤さんには志麻を渡しません!


 学校に着きますと、何時も通りなのさんと千音ちおんさんとお話をしますが

なのさんはどこで知ったかわかりませんが、志麻が男子に告白された事知っていました。


「しまっちが男子に告白されたって本当?」

「なのちゃん、どこで知ったから知らないけど、されたことはされたよ」

「本当っすか。百合の間に挟まろうとする命知らずの男子もいるんっすね」

「まぁ、ちゃんと断ったよ。ぼくはちーちゃん一筋だから」


志麻はそう言って座っているわたくしに腕を組んできましたが、組んだ志麻の肘が

わたくしの胸触れます。

この体勢では、自然と胸にあたるのですが……志麻はこれを狙ったのですかね。

わたくしはもうあれこれ言いません。ただ、皆さんの前では以前通りにします。


「志麻、肘が胸に当たっていますがわざとですか?」

「ち、ちがうよ、腕を組んだら偶然触れただけだよ」

「流石しまっち、腕を組むふりをして柳っちの胸を触ると言う高等な芸当をみせるっす」

「いや、まったく高等じゃなくて、本当に偶然当たっただけだと思うよ?」

「志麻の場合怪しいですが、そういう事にしておきます」


何時もどおりのやり取りをしていると、チャイムが鳴って先生が来ましたの

皆さんは自分の席につきますが、このやりとりを佐藤さんがチラチラ見ていたのも

わたくしは気づいておりました。


 昼休み、志麻となのさんは佐藤さんとほかの男子グループと集まって話していますが

この集まりが志麻と佐藤さん言っていた「おっぱい同盟」のようです。

以前からこのグループと志麻となのさんが話してる事は知っていましたが

志麻もなのさんも女性の胸が好きですから、男子とは元から話題があいます。

そういえば……太志だった時もなのさんと同じ男子グループで話していましたね。

なので、その時の繋がりが志麻になっても続いていると言う事になります。


「大野、柳の胸に自然に触れるとはやるな」

「別に狙った訳じゃないって」

「そうだとしても、柳と腕を組むだけでも俺たちからしたら凄いのに

あの胸に触れるなんて、もう神の域だよ」

「そうだよ、大野は神、女神だよ」

「さ、しまっちを崇めまつるっす」

「はは~」


聞こえてくるやりを聞いていますと、流石に呆れて来ますが……。

ただ、佐藤さんはそのやり取りを聞きながら、こちらをちらちら見ています。

やはり、佐藤さんはわたくしの事が気になるのでしょうかね。

もしかしたら、昨日、わたくしたちが2人のやり取りを目撃した事に気づいているのでしょうか?


「そういえば、大野に告白した男子がいるらしいな?」

「ああ、俺も聞いたよ」

「朝もいいましたが、わたしも聞いたっすよ」

「皆どこで聞いたか知らないけど、情報が早いよ」

「だって佐藤が男と話してるのを見た言ったからさ、な、佐藤」

「ああ、大野が男子と話してるのを見たんだ」


どうやら、話しの出どころは佐藤さん自身でしたが……。

どおりで、わたくしたちの他に人がいなかったのに話が漏れる訳です。

でも、その告白した男子は佐藤さんですが……何を企んでいるのでしょうか。

そして、志麻もそれわかっていながら、知らない振りをします。


「そうなんだ。もちろん、断ったよ。だって、ぼくにはちーちゃんがいるし」

「そうだよな。大野には柳がいあるからな。しかし、百合に挟まるなんて命知らず賀いたもんだ」

「それもあるが、大野に告白したら柳が黙ってない事はわかると思うぞ」

「そうだね。どちらにしても命知らずがいるもんだね」


男子と佐藤さんが笑いますが、志麻も笑ってはいますがあれは作り笑顔です。

志麻はいつもニコニコしているんで、他の方ではわかりませんが

志麻は心から笑う時と作り笑顔の時では、口角の上がり方がほんの僅か違います。

この違いはわたくしやほだかのように、長い付き合い出なけれはわかりません。


(しかし、佐藤さんはこの話を広めてどうすのでしょうか?ばれた困るは佐藤さんですし……)

 

佐藤さんが何かを企んでいるのかわかりませんが、相変わらずこちらをちらちら見てますし、一体何をしたいのかわかりません。

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