第13話千鳥お嬢さまは志麻と男子の話を聞いてしまう

「実際にこういう場面になりますと、思わず隠れてしまうのですね」


ほだかが感心してますが、わたくしも同じ事を考えていました。

よく漫画やアニメなのでこのような場面に遭遇すると何で隠れるのか

と思いまいましたが直接顔を合わせるのは何だか気まずい感じがして

つい隠れてしまうのですね。


「ただ、大体は本人に見つかりますよね」


女子トイレに隠れても佐藤さんは来なくても、志麻が入ってくる可能性は

十分にありますがその時はその時です。

ただ、2人の事も気になってそっとトイレの中から顔をだして廊下を見ますと

志麻と佐藤さんが廊下で話しています。


「大野、急にあんな話をしてごめん……」

「佐藤君、別にいいって。急に言われて驚いたけど、ぼくはちーちゃん一筋だから

佐藤君……いや、男の子とは恋人として付き合えないんだ」

「俺もそれをわかってて、告白したけどダメ元だったからいいって」

「それならいいけど。佐藤君とはおなじ『』の仲間で居たいから

この事は無かった事にして、明日からも同じ同士として振る舞ってよね」

「ああ、わかってる」


志麻と佐藤さんは握手をして友情を確かめ合っていますが……

なんですかその「おっぱい同盟」とやらは。

名前の時点で大体わかりますが、そんな同盟があったとは。

志麻となのさんは男子ともよく女子の胸の話をしていますが、佐藤さんは

そのメンバーの1人でありましたが、こういう事でしたので。


「満木と大野は貴重な女子のメンバーだから、これが原因で関係が

壊れたら困るけどその時はすべて俺の責任だから、すべての責めは負う覚悟だ」

「そんな大袈裟な。ぼくはこれぐらいで気にしないよ。だって、ちーちゃんに

何度も告白してたけど、何度もふられてるけどぼくとちーちゃんの関係は変わらないし」


この世界線でも志麻はわたくしに何度も告白している事になっているのですね。


「それは大野と柳の関係だからだけど……大野ならいつ共どおりなのはわかる」

「そう、ぼくは後に引きずらないタイプだから。

だから、明日もいつもどおりにしてよね。

でも、佐藤君がぎこちなかったら、意味ないから」

「ああもう、大野はこう言う所がいいんだよ。見た目がかわいいけど、性格は

サバサバして様で、意外と気を使ってくいるのがたまらない」

「ありがとね。でも、ぼくはちーちゃん一筋からね」

「わかったよ。それに、百合の間に挟まるのは許されない大罪だらからな。

もっとも、俺も大罪とわかっていながら告白したが」

「佐藤君のその勇気に感服するよ。ただ、これって百合に挟まった事になるのかな」

「一応、なるんじゃないのかな」

「そうか……やっぱりなるんだ。

ぼくとちーちゃんはまだちゃんとした百合カップルじゃないけどね」


最後は声が小さくなって何を話してるか聞き取れませんでしたが、ひとまず顔を引っ込めました。

何やら志麻が残念そうな顔をしてますが……まさか、男子が気になるのでしょうか。

いやいや、話の内容からわたくしと百合カップルになっていない事を気にしていますよね。

あと、わたくしと志麻はやはり百合カップルと周りに認識されているようです。

幼馴染で一緒に居るのは確かでありますが、わたくしと志麻はそんなに百合カップルにみえるのでしょうか?


「ほだか、わたくしと志麻は百合カップルに見えるのですか?」


わたくしはほだかに聞いてみますと、ほだかは


「百合カップルと言うよりはお2人のやり取りをみて

お2人の間に入れない雰囲気があるからではないのでしょうか」


と答えましたが、確かにわたくしと志麻の間には入れないかもしれませんね。


「ただ、それが他の方たちからみて、百合カップルに思えるのではないのでしょか」

「つまり、わたくしと志麻のやり取りをみて、わたくしたちが付き合ってるように見えるのですね」

「そうだと思います。付き合いが長いですし、周りはいわば婦婦ふうふだと思われてるのでしょうね」

「なるほど、そう言われればそうですね」


ほだかが言うとおり、わたくしと志麻の付き合いは生まれた時から始まってますし

志麻とは家族と同じように付きっていますからね。

なので、この関係が周りから見たら百合カップルに見えるのでしょう。


「わたくしと志麻が百合カップルにみえるのはわかりましたが、ほだかはどう思われているのでしょうね」

「お2人に仕えるメイドだと思いますよ」


確かにほだかはわたくしのメイドですが、周りもそう思っているのですかね。

ほだかも幼馴染でありますが、ほだかとの関係は志麻とはまた違いますからね。

幼馴染でありますが、主従の関係がありますし。

ただ、わたくしの中ではそこまでの主従関係があると思っていませんが

ほだかと呼ぶようになったのは最近なので、やはり無意識ながら主従があったようです。


「ほだかは実際にメイドですが、わたくしは幼馴染の1人と思っています」

「はい、それはわたしも一緒ですよ。ただ、立場と小さい頃からしつけれたので

わたしもこのような話し方になっていますが、千鳥お嬢さま……いえ、千鳥ちゃんも志麻さんと同じです」


ほだかがそういて笑いますが、笑ったほだかが可愛くて思わず抱きしめて締まいました。

そして、はじめて千鳥ちゃんと呼ばれて、恥ずかしいんがらもとても嬉しいです。


「あ、あの、千鳥お嬢さま、急に抱きつかないでください」

「よいではありませんか、幼馴染のスキンシップです」

「で、でも、後ろに志麻さんが……」

「え?」


ほだかに言われて後ろを振り向くと……志麻がいますが、なぜここに!?

教室に鞄を取りにいったはずですよね?


「えーと、ぼくお邪魔だったかな。トイレで抱き合ってたって事は……つまり……だよね」

「し、志麻、何か勘違いしてませんか?」

「ちーちゃんとほだかちゃんご主人様とメイドの関係だから、そういう事をしててもおかしくはないかもだけど、流石に学校のトイレでそういうことするなんて……

エッチな漫画見たい事って本当にあるんだ」


志麻が赤くなってモジモジしてますが、そういう漫画も呼んでいるのですね。

ただ、今は志麻がエッチな漫画を読んでいるよりも、この状況を説明します。


「……なるほど、そういう事だったんだ。ただ、今はとりあず用を足すよ」


トイレに来たと言う事は、本来の目的がありますからね。

しかし、教室に戻ったと思いまいましたから、油断していました。

やはり、こういう展開は本人に見つかるのですね。

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