志麻が男子に告白されました
第12話千鳥お嬢さまは志麻が男子と2人きりになのを目撃する
学校でもわたくしと志麻はほぼ常に一緒にいるのですが
それでも先生の頼まれ事や日直などで、志麻と別になる事もあります。
また、志麻もわたくし以外のクラスメイトとも良く話していますし、行動もしています。
本日は放課後に志麻が先生の手伝いをクラスの男子と共に頼まれましたので
わたくしとほだかは先に帰る事にしました。
しかし、帰ろうとしましたらなのさんに捕まって、色々と話していましたら
予定より遅くなってしまいました。
「まったく、志麻といい、なのさんといい、何でわたくしの周りは胸が好きな
女子ばかりなのでしょう」
「お好きなのはその2人だけな気がしますよ」
「わたくしの少ないお友達では2人いれば多いのです」
「自分で友達が少ないと言って、寂しくないのですか?」
「友達が多ければ良いとも限りませんし、わたくしの場合は
わたくしと仲良くなりたいというより、柳家の1人娘だから仲良くしたい
という方ばかりなので、そう言う方とはお友達にならないのです」
わたくしに近づいている方はわたくしでなく、柳家目当ての方ばかりなので
表面上の付き合いをするぐらいでしたら、付き合い自体をしない事にしています。
なので、幼馴染である志麻とほだか以外の友人はなのさんと千音さんだけなのです。
「確かにそうですね。志麻さんはともかく、なのさんも千音さんも
千鳥お嬢さまの家目当てでなく、千鳥お嬢さま自身を慕っていますからね」
「だから、なのさんが志麻みたいことを言っても、許せます。
とはいえ、志麻とわたしの胸を取りあうのは流石にやめていただきたいです」
なのさんは志麻がいないうちに、わたくしの胸を触ろうとあれこれ理由を
つけてましたが、あまりにもしつこいのでなのさんであっても、説教をしておきました。
ただ、なのさんの様子から、説教をされるのを喜んでいるように思えましたが
志麻も説教を喜んでいるいますし、2人はこんな所まで似ているのですね。
「なのさんは1年生の時は気が弱い方でしたのに、今はすっかりはじけましたね」
「それだけ、成長したことにしましょう」
「そうですが、成長する方向が違います。それに、遅くなった原因の大部分は
なのさんへの説教でしたし」
「説教をしてたから帰るのが遅くなったのですよ」
「流石に胸を直に触らせ欲しいとしつこく言って来ましたら、説教もします。
逆に言えば、説教で済むだけでもありがたいと思ってください」
流石になのさんでも直に触らせるのは無理ですし、さすがに怒ります。
なのさんがなぜ直に胸を触らせ欲しいと言ったのは、先日志麻の家に泊まった時に
わたくしと一緒に入浴をした話を志麻がしたからなのですが、胸を触ったのは
わたしなのに何故かなのさんがわたしの胸を触りたいという流れになったためです。
「千鳥お嬢様のその胸を見たら、女性でも気なりますよ」
「そうだとしても、触らるのは別ではありませんか」
「何を言ってますか、女性だから触りたいのです。それに1度触らせたじゃありせんか」
なのさんに続いて、ほだかまでおかしなことを言いだしましたが……。
「1度触らせたのは、なんとなくで、何故あのような事をしたのかと自分でもわかりません」
「女性だからこそ、戯れながら胸をさわれるのですよ。
男性がやったら犯罪になりますが、女性ならなりません」
「ほだか、同性同士でも犯罪になるのですよ?
それに、勝手に触った立派な暴行罪になりますし」
「もちろん勝手にはさわりませんが……同性同士でも罪になるなんて法が変わったのですね」
「以前からですよ。といいますか、ほだかまでこんな事を言って今日は皆さんどうかしてます」
「すみません。志麻さんが居ないせいか、ついつい普段言えない事を言ってしまいました」
確かにわたくしの胸は高校生にしてはかなり大きい方なので、学校ではもちろん
街を歩いていても男女関係なく見られます。
もちろん見られるのは恥ずかしいしですし、良い気分ではありませんが
そうであっても堂々としていれば良いだけです。
ただ、ほだかもこんな事を考えていたとは思いませんでしたが。
「ところで千鳥お嬢さま、あそこに志麻さんが居ますよ?」
下駄箱がある1階に降りるとほだかがそう言って足を止めますが、中庭には
志麻と一緒に手伝いをした男子の姿がありましたが、志麻と何か話してる様です。
「佐藤さんが志麻さんに何か話してるように見えますが」
佐藤さんというのは、志麻と一緒に手伝いに行った男子の名前です。
手伝いは荷物運びでしたので、なぜ中庭に出ているかはわかりませんが
2人が面と向かって何かを話しております。
「ここからでは声は聞こえませんね」
廊下の窓から2人が見えていますが、窓は締まっていますし距離がありますので話している内容はわかりません。
ただ、志麻の顔がこちら側を向いているので、表情を読む事が出来ますが
この表情は思いがけない事を言われて戸惑っている表情です。
「何か困っているようですね」
「あれですよ、佐藤さんに告白されて困っているのですよ」
「志麻に告白ですか?ありえませんよ」
志麻は元男子ではありますが、今の世界では元から女子なので
わたくし以外は元男子と言う事は知りませんので、男子から告白されても
おかしくはありませんが、志麻が男子にモテるとも思えません。
「千鳥お嬢さま、志麻さんは意外と男性からの人気があるのですよ」
「そうなのですか?男子と話しているのはよく見ますが、それは女性の胸の話題が
男子と合っているだけで恋愛感情を抱くとは思えませんが」
「千鳥お嬢さまは知らないご様子ですが、意外と志麻さんは男子の間でかわいいと評判ですよ」
性格はともかく、外見はかわいい妹系なのは認めます。
認めますが、男子でそんな評判があるとは思いませんでした。
「それは本当なのですか?」
「本当ですよ。女子の間でも噂になっていますし。ただ、志麻さんは千鳥お嬢さま一筋でありますが」
「ほだかは意外と交流関係が広いのですね。そのような話は聞いた事ありません」
「千鳥お嬢さまが狭ますぎるのです。ただ、他の女子は気を使って千鳥お嬢さまと
志麻さんにはあえて話しかけていませんが」
ほだかが言うには、わたくしと志麻の仲を見守るためあえて話しかけないそうで。
といいますか。女子……いえ、一部の男子もわたくしと志麻を百合カップルとして
見守っているそうですが、クラスではわたくしたと志麻は百合カップルとして見られているそうです。
「あれですよ、百合の間に挟まるのは許されないというのですよ」
「なんですかそれは……」
「千鳥お嬢さまは知らないのですか?意外と百合作品が好きなのに」
「それは知っています。わたくしが言いたいのは志麻と百合カップルになっていると言う事です」
志麻に告白はされて、わたくしをデレさせるたら恋人として付き合うと言う
条件はしてますが、まさかそれが知れ……るはずはないですね。
この事はほだかにも話していませんし、志麻もそれらしい行動は起こすどころか
その約束すら忘れてるのかと思うぐらいですし。
ただ、志麻の事ですから何処かで一気に畳みかけてくるはずです。
太志時代からサプライズがうまく、そっけないふりをしつつもちゃんと
わたくしの事を調べていますから油断できません。
「百合カップルでなくても、何時ものやり取りを見てたら間には入れませんよ。
それに、千鳥お嬢さまは元々話しかけにくいですし」
「確かに、わたくしは立場と性格的にツンツンしてますので、話しかけにくいのは
わかっていますし、わたくしに取り入ろうとしてるのがわかるのでこちらから願い下げです」
「その千鳥お嬢さまと気安く話し、さらに『ちーちゃん』と呼ぶ志麻さんは一目置かれていますので」
なのさんも、志麻がわたしの事を「ちーちゃん」と呼ぶだけでも尊敬すると
言っていましたが、あれはなのさんのキャラと思っていましたが本気で言っていたのですかね。
「そうだとしても、男子にモテるとはまた別なのでは」
「関係ないかもしれませんが、志麻さん自身は先ほども言った通りかわいいですからね。
それに、中には百合の間に挟まる命知らずの男もいますから」
「だから、わたくしと志麻は百合の関係ではなく、幼馴染でそれはほだかも一緒ではないですか」
「そうですが、わたしは幼馴染と言ってもメイドですので」
「別にそこまでの主従関係はないと思いますが」
「はい、ありません。ただ、わたしも一応柳家からお給金を貰っていますので」
「お給金といいますが、梨子さんからおこずかいを貰っているだけですよね」
「今はわたしの分のお給料もちゃんと上乗せされますので」
「ああ、16歳になりましたからね」
そいえば年齢的にバイトが可能なりますので、ほだかの分も梨子さんにお給金に
上乗せするとお父様がおっしゃておりましたね。
となると、ほだかとわたくしはちゃんとした主従関係があると言う事でしょう。
「ということは、わたくしとほだかはちゃんとした主従関係があると言う事なのですね」
「はい、そうです……って志麻さんたちがこちらへ来ますよ」
ほだかがそういうと、志麻と佐藤さんが下駄箱の方からこちらへ来ますが
わたくしとほだかで話してる間に中庭から校舎の中に入ったようです。
志麻の鞄はまだ教室なので、佐藤さんと一緒に教室へ向かうのでしょう。
2人と出会っても何の問題はありませんが、わたくしとほだかは思わず
近くの女子トイレに隠れてしまいました。
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