第10話千鳥お嬢さまは同じベッドで志麻と寝る

お風呂から出て、おばさまの料理を頂いた後は志麻の部屋で過ごします。

過ごすと言っても、出ている課題をやっています。


「課題なんて後でいいのに」

「先にやっておけば、明日明後日は1日中遊べますので我慢しなさい。

それに、課題は1つだけなので、すぐに終わります」


出された課題は既にほぼ終わっていて、あと少しで終わります。

志麻も我慢して、課題をやりますが、課題自体は1時間程で終わりました。


「ふ―、終わった」

「2人でやれば早いです」

「そうだね。ぼくだけだったら、こんなに早く終わらなかったよ」

「これでのんびりとできますね」

「そうだね。これから何しようか」


時計は22時を指していますが、そろそろ寝る時間ではあります。


「わたくしは寝る時間です」

「えー、明日休みだし、お泊りだからコイバナでもしようよ」

「志麻は私が好きなのに、恋の話をしてどうするのですか……」

「そうじゃなくて、ちーちゃんのだよ」

「わたくしはお話はするようなものはありませんし、あったとしても

志麻は聞きたいですか?」

「た、確かにちーちゃんい好きな人は聞きたくはないけど、居たら居たで気になる」

「どちらであっても気になるのですね。もっとも、今は好きな相手はいませんが」

「ちーちゃんがそういうなら、そうんだろうなぁ。それじゃ、別の話をしようよ」

「いつも何でも話しているので、話す事はありません」

「それもそうか」


結局、特に話す事なく、わたくしもこの時間になると自然に眠くなるので

素直に寝る事にしましたが、志麻は眠くないようです。


「ぼくは眠くないよ」

「それでも、横になれば眠くなります」

「だったら、ちーちゃんはベッドで寝てよ。ぼくはスマホでゲームでもしてるから」

「わたくしはお世話になっている身なので、いつものように布団で寝ます」

「でも、なんか悪いからベッドで寝てよ」

「いえ、わたくしが布団に寝ます」


わたくしと志麻はしばらく言い合いをしましたが……結局お互い譲らず

なんなら一緒にベッドで寝ようと志麻が言い出したので、わたくしも勢いで

「わかりました、一緒に寝ます」と言ってしまい、気づけば志麻と同じベッドで寝ています。


(どうしてこなりましたの!)


心の中で叫びますが、こうなってしまったものは仕方がありません。

わたくしとしては、志麻と一緒のベッドで寝る事は構わないのですが

構わないのですが、何か違います。

でも、これはこれでラブコメにでよくある展開。

今まではわたくしが狙って、ラブコメ展開にもっていこうとしましたが

今回は自然な流れでラブコメ展開になりましたが、なったらなったで

思った以上に困るものですね。


 志麻のベッドは大き目で、志麻の身体が小さいので2人で寝ても余裕があります。

ただ、なんでしょう志麻の方は、寝れないといってましたが

ベッドに入ったらすぐに寝入ってしまいました。


 そして、わたくしは逆に目がさえてしまいました。

ベッドに入るまでは、眠気がありましたが志麻と一緒に同じベッドに

寝るとなたら、興奮してしまったようです。

太志の匂いが好きでしたが、志麻になっても志麻の香りが好きです。

ベッドには志麻のよい香りがしますし、志麻自身からもよい香りが

しますので、こんなに志麻の香りにつつまれたらたまったものでありません。

はっきりいいますと、かなり興奮します。


 多分、エッチな漫画ではわたくしがここで(自主規制)して、それに志麻が

気づいて志麻が「ちーちゃん、(自主規制)するなら、ぼくがしてあげる」

的な展開になるのでしょうか。

というか、わたくしは何を考えているのでしょうか。

これでは志麻のおっぱい好きをあれこれ言えないどころか、わたくしの方が

志麻よりも卑猥な考えを持っている事になってしまうじゃないですか。


 それでも、たまらない物はたまらないのですが、ここはぐっと我慢です。

それとも、お手洗いにいけば……いえ、志麻の家とは言え自宅以外で

そんな事をしたら、超えてはいけない一線を越えた気がします。

ここはともかく、志麻に背を向けて寝た事にするのです。


――そして、4時間後


あれから何とか寝付けましたが、どれぐらい眠ったのでしょう。

多分、さほど眠れてないのですが、この体勢では時計が見えません。

スマートフォンもテーブルの上に置いてありますので、確認が出来ません。

そして、志麻がわたくしに何故か抱きついて、胸が背中に触れています。

さらにいういと、志麻の腕は自然と胸に触れていますが

寝息がしますので、実は起きていてわざとしている訳でもないようです。

しかし、眠ったままでもちゃんと、胸に触れるようにするとは流石志麻……

っと感心している場合ではありません。


 目が覚めたら、トイレに行きたいのですがこれでは行けません。

しかも、わたくしが壁側なので、トイレに行くには志麻を避けないといけません。

なのに、志麻はわたくしに抱きついていて、身動きが出来ません。


(太志の頃から横に寝ている相手に抱きついてくる癖がある事を忘れていました!)


太志の頃から一緒に寝ている相手に抱きつく癖がありましたが、幼い時に

おばさまに抱きついて寝ていたため、その癖が残っているみたいです。

それが志麻になっても残っていて、こうしてわたくしに抱きついているのです。


 ただ、やけに胸を押し付けてくるのは何でしょう。

単に、くっつきたいだけかもしれませんがなんか、故意に当ててる気がします。

大きさはそこまではないものの、胸の感触はちゃんとしています。

なんというか、志麻がおっぱいが好きな気持ちがちょっとわかった気がしますが

今はそれよりも、志麻を引きはがしてトレイに行かないとなりません。


 わたくしは志麻の腕を何とか解こうとしますが、寝ている割に力が強いです。

さらに、無理に解こうとすると、胸にあたります。

腕から抜け出すとしても、下にずれると胸がひっかかりますので

上に動かないといけませんがそうなると、ベッドの板に頭が

つっかかって身動きができません。

なので、せめて腕を緩めればいいのですが、どうしたら良いのでしょう。


 志麻の事ですから、抱きつくのをやめたら胸を触らせてあげると

言えばいいのしょうか。

ただ、眠っていますから、流石の志麻でもそうはならないでしょう。

でも、試すだけ試してみましょう。


「志麻、抱きつくをやめましたら、胸を触らせてあげますよ」


試しに言ってみましたが、しばらく間はありましたが、志麻は抱きつくのを

やめましたが、まさか本当に効果があるとは思いませんでした。

ただ、今はそれよりもトイレに行く事です。

わたくしは、志麻を踏まないようにベッドを出て、トイレに向かいます。

正直、かなり危なかったですが、何とか間に合いました。

そして、すっきりして再びベッドに戻ると、今度は安心して寝付けました。


―—そして、朝に


「ちーちゃん、おはよう……」


志麻が起きましたが、わたくしはトイレに行ったあと再び眠りにつきましたが

何時もの時間に目が覚めて、志麻より早く起きました。

ただ、起きた後もしばらくベッドで横になり、志麻が起きるのを待っていました。


「志麻、おはようございます」


わたしが朝の挨拶をすると、志麻が


「なんか……ちーちゃんが、胸を触ってもいい約束したって夢を見たんだ……」


といいましたが、それは夢ではありません。


「それは良かったでね」

「んー、こんな夢見て怒らないんだ……」

「志麻ならば、そのような夢をみてもおかしくありませんし、夢の話なので

怒っても仕方がありませんし」

「そうなんだ……」

「なんなら、実際に胸に触りますか?」

「……え、本当!?で、でも、触ってもいいの?」

「わたくしが良いと言っているのです、触りたくないのならば触らせません」

「ちーちゃんがそう言うならもちろん触る!」

「ただし、軽くですよ?」

「う、うん」


志麻はわたくしの胸に触りますが、例え眠っていたとは約束は約束です。

志麻は何の事かわからないですが、胸に触れて喜んでいますし

柳家の人間はどんな約束でも絶対に守るのです。

ただ、今夜は素直に志麻とは別に寝る事にします。

志麻と一緒に寝ると、色々な意味で大変ですし、わたしの身ももちませんから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る