第9話千鳥お嬢さまは志麻と一緒に入浴をする

 チャイムを鳴らすと志麻の声がして、玄関が開きます。


「ちーちゃん、いらっしゃいって今日はちーちゃんだけ?

ほだかちゃんは来ないの?」

「ほだかは今夜は来ませんが、土日は遊びに来ます」

「そうなんだって……って、今、ほだかたって言ったよね?」

「はい、先ほど、どうしても名前で呼んで欲しいと言われたので

名前で呼ぶようにしました」

「頑なに安曇って言ってたのに、何で急に……」

「別に頑なという訳ではないのですが、皆さんが名前で呼ぶのに

わたくしだけ安曇と呼ぶのも、良くないと思ったからです」

「そうなんだ。とりあえず、あがってね」

「はい、お邪魔します」


志麻の家に上がると、おばさまに挨拶をしますがおじさまはまだ帰宅していません。

志麻のおじさまもお忙しい方で、朝も早くてなかなかお会いする事がありません。

本日も帰りが遅いらしく、お会いできるかはわからないです。


「千鳥ちゃん、ゆっくりしていってね」

「はい、そうさせていただきます」

「あと、ご飯の前に志麻とお風呂を済ませてね」

「わかりました」

「志麻、部屋に布団を敷いておいてね」

「うん、わかったよ母さん。ちーちゃん、荷物を置いたら先にお風呂に入ってね」

「わかりました」


志麻の部屋に荷物を置きますが、今回も志麻の部屋に泊まります。

志麻の部屋は結構広く、2人どころか3人でも余裕があります。

我が家ほどではないですが、志麻の家もなかなか広い家です。

なので、時々はほだかと3人で寝る事もあります。


「ちーちゃんがお風呂に入ってる間に布団を敷いておくからね」

「わかりました」


わたしは着替えなど用意して、1階のお風呂に向かう準備をしますが

志麻が一緒に入ると言ってこないのが意外です。

わたくしの中には志麻と一緒に入浴した記憶がありますが、

高校生になってからも入浴した記憶もあります。

ただ、それは去年の夏の旅行の時で、志麻の家に泊まる回数が

減っているとはいえ、ここ最近は志麻の家で一緒に入浴していません。


「そういえば、志麻の家で志麻と一緒に入浴しませんね」


わたくしが何気なくいうと


「ちーちゃんが一緒に入りたいなら、ぼくも一緒に入るかな」


と言いましたが、ここは断るべきか、一緒に入るか悩む所であります。

志麻に裸を見せるのは……と思いましたが、入浴時は裸ですし

去年の旅行で一緒に入浴していますしので、わたくしも高校入学後の

志麻の裸を見ている事になっています。


「志麻は去年の夏に別荘に行きました時に、一緒に入浴した事を覚えていますか?」

「そういえばそんな事が……って、高校生になてからも一緒に入浴したんだ!」


志麻にも一緒に入浴した記憶はあるようですが、わたくしが言わなければ

忘れていた……というよりも、新しく記憶が作られたのでしょうか。


「しかも、ちーちゃんのおっぱいを生で見てる!

って、ぼくのおっぱいもちーちゃんに見られてる!」


志麻は相変わらず胸の事ばかりですが。


「胸の話は置いといて、太志の時はわたくしの胸が大きくなり始めてから

入浴していませんが、それ以降も志麻と入浴していた事を言いたいのです」

「そういえば、小学校5年生ぐらいで、ちーちゃんと一緒にお風呂に入らなくなったね」

「その事も覚えているのですね」

「志麻としても記憶と太志としての記憶が混在してるけど、段々と志麻の記憶に変わっている感じかな」

「わたくしと一緒なのですね」

「といことは、一緒にお風呂に入っても大丈夫って事だね」


確かに、そう言う事になりますがこの話の流れでそうなりますか?

いや、志麻の事ですからこの流れの方が正しいのかもしれません。


「ならば志麻も一緒に入りますか」

「そうだね。既に入ってるし、問題ないから入ろうね。

ぼくも着替えの準備をするからまっててね」


志麻は着替えの準備をして、2人でお風呂へと向かいます。

脱衣所では2人はやや狭いですが、お互い裸になりお風呂へ入りますが

家のお風呂なので、裸で入りますが志麻はそれを見て


「ちーちゃんってそんなの堂々と入るんだと」


と言っています。


「家のお風呂ではこれが普通だと思いますが?

もっとも、他でもあまり隠しませんが」

「そ、そうだけど、なんていうか……」


志麻の意外の反応ですが、普段はおっぱいを見たいとか

触らせてほしいと言う割に、いざとなると怖気ますし。

この前も胸に触れても良いと言った時も、いざ触れるとなると緊張していましたし。


「既にお互い裸を見ているで、今更気にするのですか?」

「その言い方だと変な誤解をするよ」

「誤解もなに、もありません。事実をいっているのです。

誤解するのはいやらしい事を考えているからで、お風呂で裸になるのは普通の事ではありませんか。

それに、志麻は何時もバスタオルを巻いてい入浴しているのですか?」


自宅なのにバスタオルで裸を隠している志麻にそういいますが


「ふ、普段はちゃんと裸だけど……ちーちゃんがいるし……」


と普段、わたくしに見られながら着替えをしてますのに

突然に乙女の恥じらいを出しのはどうなんでしょう。

それに、別荘ではお互いちゃんと裸で入浴して、裸を見合っていますし。


「何を今さら恥じらっているのです。

去年はちゃんと裸で別荘のお風呂に入ったではないですか」

「そ、そうだけど、それは作られた記憶で、いざとなると緊張するんだよ」

「記憶が作られたのはわたくしも同じですが、ただ単に入浴するだけしょうが。

このまま裸でいる訳にいかないから、早く入りますよ!」


わたくしはそう言いますと、志麻のバスタオルを

無理やりはがし手を引いて浴室に入ります。

そして、志麻を椅子に座らせて、シャワーを流します。


「うう、なんか恥ずかしいよ」


シャワーを流されながら、鏡越しに自分の裸を見られて志麻はこう言いますが、

幼馴染で何度も入浴し、お互いの裸を見ているのに何故恥ずかしがるのでしょうか。

TSお約束のイベントでは、恥じらいなんて見せませんでしたが

ここに来て急に乙女になって恥じらうとは思いませんでした。

これではわたくしが裸を見られも平気で、恥じらいがない言う事になってしまいます。

裸を見られても平気なのは、志麻や家族、ほだかだけであって

それ以外の方に見られるのはわたくしだって恥ずかしいのです。


「変な所で恥じらいを出しますが、わたくしが髪と身体を洗って差し上げます」

「ちーちゃんがそう言うなら、お願い……」


この状況になったらどうにもできないので、志麻は黙ってわたしに洗われます。

まずは髪を洗いますが、志麻の髪はショートですが髪質は柔らかくて良い髪質です。

志麻になって1か月半ほど経ちますが、つい先日に散髪へ行って来たばかりです。

志麻といいますか、わたくしもですが幼い頃から通っている近所の床屋さんで

髪を切ったり、セットしてもらっています。

美容院でも良いのですが、物心ついた頃から通っていて特に何も言わなくても

ほぼおまかせで似合う髪型にしてくださるので、閉店しない限りは店を変えるつもりありません。


「志麻は綺麗な髪をしているので、髪を伸ばしたら良いと思いますよ」

「なんか長い髪って駄目なんだよね。せっかく女の子になったから髪を伸ばすかな

って思っていざ伸ばしたら、意外とうっとしくて面倒だから短くした……みたい」

「そうなんですね」

「ちーちゃんの髪も長くて綺麗だよね。これだけ綺麗ならば、ドリルにしてもいいんじゃないかな」


志麻の中ではお嬢様=ドリルといいますか、カールした髪型のイメージあります。

なので、『ちーちゃんはドリルのしないの?』と幼い頃から言われていますが

実際にドリルにしましたら、時間と手間がかかりすぎます。

それに、わたくしはストレートの長い髪が好きなのです。


「いい加減、お嬢様の髪型と言えばドリルと言うのはやめてください。

毎朝カールなんてしたら、手間と時間もかかりますし、髪も痛みます」

「そうだけど、1度はドリルのちーちゃんも見たいな」

「胸を触る事を許しても、髪型だけは絶対にしません」

「ということは、おっぱいはさ触ってもてもいいの?」

「いくら裸でしても、触らせませんよ?」

「むー、流れで行けると思ったのに」


志麻は隙あらば胸の話をしますが、志麻自身の胸はどう考えているのでしょうか。


「志麻にもちゃんとおっぱいがあるではないですか」

「もちろん、自分のおっぱいも触ってるよ。でも、おっぱいは皆違うから素晴らしいんだ」


わたくしは呆れながら、髪のシャンプーを流し、トリートメントしてあげますが

志麻はちゃんと髪のケアをしてるの意外ですが、わたくしと同じ物を使っています。

お嬢様と言いますと、高い物使っているとも思われますが、スーパーで

買えるものを使っています。


「次は体を洗ってさしあげます」

「そ、そこまではいいよ」

「遠慮しないでください」


そういって、わたくしはボディーソープを泡点てて、問答無用で身体を洗います。

背中はもちろん、前の方も洗ってますが時々、胸が背中に触れます。


「なんだろう、エッチなお店みたい」

「志麻はエッチなお店を知っているのですか?」

「実際には行ったことないけど、ちょっとエッチな漫画でよくあるし」

「そうですか。せっかくならので、胸もちゃんと洗いましょう」

「な、なにがせっかくかわからないよ」

「いつもはわたくしをの触っているので、たまにはわたくしに触れられる側になりなさい」


そう言って、志麻の胸を洗いますが、他人の胸を洗うのは初めてです。

志麻の胸もそれなりの大きさがありますが、ちょっと硬い感じはするものの

脂肪が程よくあって柔らかさもそれなりにあります。


「ひゃっ、そこはいいって」


胸の先端に手が触れて、今が変な声が出ますがわざとではありません。


「洗うのですから仕方がないのです」

「そ、そうだけど、ちょっと敏感だから……」

「その敏感な所をわたくしも触られましたから」

「う、そうだね……」


こういわれたら、志麻も何も言えないくなり、黙って身体を洗われました。


「さ、洗い終わりましたよ」


シャワーで身体を流して、志麻は先に湯につかります。

わたくしも髪と身体を洗い、少し狭いですが志麻と共に湯につかります。


「失礼します」

「ちーちゃんと一緒にお風呂に入るのってなんか変な感じだな。

記憶の中ではあるけど、作られた感じがするし」

「わたくしも、志麻とは1年前に別荘で一緒に入っていますが

その記憶も何か不自然で、久しぶりに一緒に入る気がします」


志麻もわたくしも一緒に入浴するのは久しぶりと感じています。

なので、今になって裸を見るのがちょっと恥ずかしい感じがしますが

志麻は相変わらず、わたくしの胸が気になっています。


「胸って浮くのって本当かな?」


志麻はそう言って、わたくしの胸を見ますが自分では浮いているとは思っていません。


「多分、浮いてはいませんが、理由をつけてまで胸が見たいのですね」

「そ、そう言う訳じゃないけど、気になたから」

「わたくしとしては、見られる事は恥ずかしくありませんが、志麻となのさんの

場合は明らかに邪な考えがあるので、うかつに見せれませんわ」

「でも、今は見えてるし」

「そうですが、お風呂では裸になるものですし、公共の場でないので

隠す方が不自然なのです」

「そ、そうだね」


わたくしが力強く言うと、志麻も押されて大人しくなりました。

 

「ちーちゃんと触れ合って、お風呂に入れるとは思わなかったな」

「わたくしもですが、今回だけにしておきます」

「え、そんな事言わないで、ぼくの家にお泊りの時は入ろうよ」

「入るかどうかは、志麻の行い次第ですわ」

「行いって何が悪いのかな?」

「胸の話ばかりするからです。行いが良ければ、また一緒に入浴してます」

「うー、ぼくからおっぱいを取ったら、何も残らないよ」


どうやら、自分でも胸の事ばかり考えてい事は自覚しているようです。


「今日は髪を褒めましたので、たまにはかわいいとでも言ってください」

「だって、ちーちゃんは言わなくてもかわいいから、いちいち言わないだけだよ」

「なっ」


わたくしは言葉にならない声が出でて、顔が赤くなります。


「ちーちゃん、顔が赤くなったけど大丈夫?」

「話しながら浸かっていましたので、ちょっとのぼせたかもしれません。

志麻はわたくしよりも長く入っていますし、そろそろでましょうか」

「のぼせるほど熱くないと思うけど、結構浸かってたから出ようか」

「では、わたくしが先に出ます」


そういって、湯からでて身体を拭きそそくさと浴室から出ます。

今は志麻に顔を見られたくりません。

志麻は太志の頃から何気なくあのような事を言うので困ります。

志麻としては何も考えてないと思いますが、たまにあのような事を言って

油断してクリティカルを食らうので、本当に困ったもです。


 まだ顔が赤いままですので、本来ならばドライヤーでちゃんと髪も乾かしてから

部屋に戻るのですが、まだ志麻に顔を合わせたくないので下着姿ですが

そそくさと部屋に戻りますが、考えてみたら志麻の部屋なので

部屋に戻っても結局は同じと、戻ってから気付いたのでありました。

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