第5話千鳥お嬢さまは着替えに手間取る
朝の出来事がありなんだか既に疲れまてますが、3時間目は体育です。
体育と言う事はもちろん着替えですが、志麻も女子更衣室へ向かいます。
「志麻は太志だった頃の記憶はどうなっています?」
更衣室の前の廊下で気になって聞いてみました。
「男だった事は覚えてるけど、今までの事は女の子としての記憶になってるんだ」
「そうなのですね。でも、話し方は男子の頃のままですね」
「話し方は変わってないんだけど、これはこれでいいかなって」
話し方は男子だった頃と変わりませんが、それでも声が女子になったのもあり
見た目がかわいい妹系なのに一人称が「ぼく」なのが、むしろ良いと思います。
「ぼくっ娘って漫画やアニメだとそうでもないけど、現実だと痛いって思われないかな?」
「女子になっても話し方が変わらないと言う事は、神様もぼくっ娘が良いと
お認めになったのでしょう」
「そういうことでいいのかな?でも、なんか違うような……」
「女子になった事よりもそちらを気にするのですか?」
「単に女の子になったんじゃなくて、元から女の子になってるから
女の子になった事は気にしないというか、気にならないといったらいいのかな」
「確かにそうですね」
単に性別が変わったのでなく、いわばこの世界自体が変わったと言う事でしょうか。
世界まで変わったと言う事は、そのお狐様はすごい神様と言う事でしょうか。
学校から反対側の稲荷神社とおっしゃってましたが、自宅からそこまで離れていない
所のようですが、そのような神社が近くあるとは思いませんでした。
「おーい、二人とも早く着替えないと遅れるよ」
「二人とも、遅れるっす」
「お嬢さま、来るのが遅いですよ、お嬢さまの着替えが見られませでした」
話していたら、皆さんに声を掛られましたが話していたら遅くなっていました。
時間はまだありますが、着替えないと遅くなってしまいます。
「わかりました。志麻、早く着替えますよ」
「そうだね」
更衣室で急いで着替えますが、成長してから志麻……といいますが
太志の前で着替えをした事がない……のですが、去年、お互いの家族で
別荘に行きました時、海で水着になりましたが、志麻と着替えた記憶があります。
さらに、その時一緒にお風呂にも入った記憶もありますが……太志とは
胸が大きくなり始めた小学5年生以降、一緒に入浴はしていませんから
これは新たに作られた記憶です。
それ以前にも志麻の前で着替えた記憶がありますが、主に今回と同じ体育での着替えであります。
「ちーちゃん、ぼーっとしてどうしたの?ぼくは着替え終わったけど」
「す、すみません、ちょっと考え事としていました」
シャツだけ脱いでブラジャー姿のまま考え事をしていましたので
早く着替えないといけません。
「今日のちーちゃんのブラは新しいのだよね?」
志麻が気が付きましたが、確かに新しいブラです。
何度もわたくしと志麻は一緒に着替えてる事になってるので気づいたのでしょう。
「新しく下ろした物ですが、志麻はわたくしのブラを覚えているのでしょうか?」
「大体は覚えていると言うか、記憶にあるっていうのかな。
ちーちゃんは紫系とピンク系が好きなのは知ってるけど、ブラもそうなんだね」
確かに、その系統の色が好きで、ブラや下着も濃淡や柄の違いで複数持っています。
もちろん、違う色の物もありますが。
そういえば、太志はわたくしの服はもちろん髪を結っているリボンなどを変えても
すぐに気づきます。
そう考えると、一緒に着替えて下着を見れば違いを覚えているかもしれません。
「って、そろそろチャイムがなるか早く着替えないと遅れちゃうよ」
「もうそんな時間なのですね、すぐに着替えます」
わたくしは急いで体操着を着て、スカートを脱ぎますが畳む時間がないので、
しわになりますが時間がありませんのでロッカーに詰めて急いで体育館に向かいます。
わたくしとした事が、考え事をして授業に遅れそうになってしまいます。
幸い、更衣室と体育館はさほど離れておらず、本来はいけないのですが
廊下を走ったら、なんとかチャイムなる寸前に体育館に付きました。
「はぁはぁ、体育の前に突かれてしまいました……」
「ち、ちーちゃんが考え事して着替えるのが遅いからだよ」
「す、すみませんでした……」
「やなぎっちが考え事で授業に遅れそうになるなんめずらしいすね。
詳しく聞きたすか、先生がきたっす」
「お嬢さま、悩み事があったらわたしにもおっしゃて下さいね」
安曇はそういいますが、これは安曇にも相談できない事です。
あと、なのさんは何でも気になりなりますが、飽きっぽいでもありますので
気になってもあまり深くは聞いてこないのですが、鋭い所がありますので
気を付けないといけません。
******
体育が終わりましたが、運動は得意でも苦手でもありませんが
今日の授業ではミスが多かったですが、志麻は意外と運動神経が良いです。
大志もインドアの割には、得意とまでは行きませんが、意外と動けましたから
志麻も同じ様に動けるのでしょう。
「今日のやなぎっち、なんか変っすよ?」
更衣室で着替えながら、なのさんに話しかけられました。
「すみません、ちょっと考え事をしてまして」
「そうっすか。わたしに話せる事だったら、何でも聞くっすよ」
なのさんもこのように言いますが、やはり相談できる内容ではありません。
「ありがとございます。ただ、かなり個人的でなのさんにも千音さんにも
お話が出来ない事です。さらに言うと、安曇にも話せない事です」
「そうっすか。ほだかっちにも言えないとはかなりの事ですね……」
なのさんの表情が暗くなり、何時もの口調ではなくなりますが
実はなのさんはこっちが本来です。
元々なのさんは人としゃべるのが苦手な方で、男子はもちろん女子でさえも
話せなかったのですが、おっぱいがきっかけで太志……といいますか
志麻と仲良くなり、志麻が今のキャラクターが良いとアドバイスしたのが
きっかけです。
ただ、時々、何かのきっかけで素がでますが、わたくしはこちらの方が
良いと思ってはいます。
あと、ほだかは安曇の名前です。
「すみません、なのさん。おっぱいは揉ませる事はできませんがさわりますか?」
「ほ、本当すか!?」
なのさんの表情が明るくなり、手をワキワキさせます。
「軽くぐれるだけでですよ?朝、志麻にした事みたい事をしましたら
なのさんでも許しませんよ?」
「わ、わかったす。しまっちに先を越されましたが、これで同等になるっす。
やなぎっちのおっぱいに関しては、同士であるしまっちでも負けられないっす」
「時間がないので、お早めにしてください」
「わかってるす。でも、いざとなると緊張するっす」
普段、あれだけわたくしの胸に触れたいと言ってましたが、いざ触れるとなると
なのさんもこうなるのですね。
しかし、他の方達は既に着替えて、教室へ向かっていますので急いでください。
「では、いっくす!」
なのさんはゆっくりと手を伸ばし、あと少しで胸に触れる所で
「なのちゃん、ちーちゃん、時間がないからそんな事してる場合じゃないよ」
と志麻が遮ったのでありました。
「しまっち、邪魔をするのは卑怯っす」
「邪魔じゃないよ、もう3分しかないって」
「え、もうそんな時間っすか」
「3分だと間に合わないですね」
「体育の後は少し遅れても待ってくれるけど、2人とも急いで」
「く、これとないチャンスだったのに、悔しいっす。次こそはしまっちに追い付くっす!」
「なのちゃん、ぼくはちーちゃんの幼馴染って事を忘れないでね」
「ぐぬぬ」
「ぼくは先に行くから、急いでね」
「わたくしはもう着替えましたので、なのさんはお急ぎ下さいね」
「え、やなぎっちいつの間に。わたしはまだシャツも着てないっす」
「早着替えは令嬢の嗜みですので」
「ちーちゃん、急ごう」
「ですね。では、お先に」
「2人とも待つっすよ~」
なのさんの叫びがむなしく響きますが、なのさんには悪いのですが
こればかりは待てません。
ただ、志麻の言った通り5分ほどの遅れは見逃してもらえますので
なのさんもなんとか次の授業には無事間に合いました。
そして、このお詫びとして約束通り制服の上からなのさんに胸を触らせてあげましたが
手つきがなんかいやらしかったですが、仕方がありません。
そして、その横では志麻がなぜか悔しかがっていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます