第2話 千鳥お嬢さまは自分をデレさせる条件を志麻に出すが既に落ちています

学校から帰宅後、自室から太志の部屋を何度も見てますが灯りは点いていません。

あれからもう3時間が経ち、外はすっかり暗くなっています。

まさかわたしくしに振られた事を苦に……いやいや、そんな事ありません。

そこまで太志が弱いというか、根性はないはず……。

ただ、太志の事ですから明日から女の子になるって言いだしそうです。

わたくしが原因で、男性をやめることになったら責任を感じてしまいます。


「しかし、帰ってこないのは心配ですね。太志の家の前にメイドの

安曇を待たせていまずが……まだ連絡が来ません……」


太志とは何度か大喧嘩をしましたが、それでも一晩たてばけろりとして

すぐに仲直りしましたので今回みたい事ははじめて。

もしかして本当に思い余って……。

わたくしが不安になっていると、安曇から携帯へ着信が来ましたので急いで出ます。


『もしもし、わたしです。志麻お嬢さまがお帰りになりました』


お嬢さま?なにをおっしゃてるの?それに志麻って誰ですの?


「ちょっと、安曇、なにをおっしゃていますの?それに志麻って誰ですか?」

『千鳥お嬢さま、大丈夫ですか?幼馴染の志麻お嬢さまですよ?』

「わたくしの幼馴染は男子ですわ、安曇の方こそ何を……」

『お嬢さま、いくら気が動転しているからと言って16年間一緒にいる

幼馴染を男性と間違えた挙句にお名前まで忘れるとは余程ですね。

なんておいたわしや……』

「と、とにかく、そちらへ向かいますので、引き留めておいてください」

『わかりました』


ちょっとなに言っているのかわからないです。

確かに、太志はかわいいショタタイプですが男の娘でも女子でもありません。

しかし、安曇がこんな時にわたくしにこんな意地悪をする訳はないですし……。


(一体どうなってますの?)


よくわかりませんが、太志の家の前へ行ってみると……見た事のない

女子が安曇と一緒に立っていました。


「こんばんは、ちーちゃん」

「ええ、こんばんわ……」


ひとまず挨拶をしますが、わたくしをちーちゃんと呼ぶのは太志だけ……。


「志麻さん、お嬢さまってひどいのですよ、志麻さんの名前を忘れたうえに

男性とおしゃってました。この可愛いいお方のどこが男性なのですかね」

「ははは……」


わたくしほどではないにしろ、確かにかわいいですわ……。

しかし、なぜ太志が女子にになっていますの?

3時間前までは確かに男子でしたのに……。


「ちーちゃん、ここではなんだから……ぼくの部屋で説明するから」

「ええ、わかりました……。安曇はお父様とお母様にお隣にいますが遅くなると伝えといてください」

「はい、わかりました」


安曇を家に戻らせて、わたくしは太志……いや、志麻の家に入ります。

おばさまと珍しく早く帰宅したおじさまも、太志が女子になった事を

驚くこともなく、帰りが遅くなった事を注意しておられましたが

それ以外はわたくしに挨拶をして普段通りに接してます。

これではまるで太志が最初から女子だったみたいです……。


 志麻になった太志の部屋に入ると、部屋の中も女子の部屋らしく

さらに部屋の匂いも男子の匂いでありません。


(これは完全に女子の部屋です…。今朝、迎えに来た時も今まで通りの男子の部屋でしたしのに……)


わたくしがそう思っていますと、志麻が口を開きますが


「え~と、どう説明したらいいのかな...」


太志がなぜ志麻になったか説明すると言ったものの、そのまま10分ほど経ちますが

モジモジするだけで何もいわないので、イライラして詰め寄り顔を近づけます。


「ふと……いや、志麻、いいから話しなさい!自分から説明するっていいましたよね?」

「わ、わかったから、話すから離れてよ……」


志麻に迫るとやっと説明をし始めました。


「え~と、あの後学校を出て、家と反対側の所にあった稲荷神社に

行ったんだけど……そこでロリ……善孤のミヤコ様に会って

女の子になる願いを叶えて貰ったんだ……」

「はぁ?志麻……いえ太志、いくらがファンタージーとかが好きだからって何言ってますの?

馬鹿にするのもいい加減にしないさい!」

「ほ、本当だってば。実際にちーちゃん以外、みんなぼくの事、志麻って呼んで

女の子だって言ってるじゃん」

「た、確かに、そうですね……」


確かに、大志だった事を覚えてるのはわたくしだけでの様です。


「ミヤコ様はたまに書き換わってない人がいるって言ってたけど、それがちーちゃんだったみたいだな」

「なぜわたくしは書き換わっていないんですか?」

「理由は言ってないけど、稀にこういう事があるらしいよ」

「そうでか……」


志麻の言う事は信じますが、それよりも太志時代から女子らしくて

かわいかったですが……いざ、女子になったら本当にかわいいです……。

髪は少し長くなりましたけどそれでもショートカットで、身長は以前と

ほとんど変わってませんが、胸は体型の関係で大きく見えますが……

DというよりCカップぐらですわね。


 話し方は太志のままですが、声は可愛いらしい声になりましたわね。

見た目は妹系キャラですが、ぼくっ娘なのがなんかよいです。

妹や弟キャラもわたくしの大好物……好みでありますので神様も

わたくしの好みにしてくださったのですかね?

でも、あくまでもキャラクターでの話であって、女性を恋人にする気は

ありませんし、神様によって志麻を恋人にされてませんし。


「願い事は1つだけで、女の子になりたちとちーちゃんと恋人になりたいって

お願いしたけど、100円だと先に願った女の子にしてくださいって部分だけ

叶えたんだって」

「100円で1つでも願いを叶えて来るとは随分、気前のいいお狐さまですわね。

それだと逆に後々祟れたりしませんか?」

「なんか、ちゃんとあるじの神様が認めてくれそうだで、認められると

縁が切れるから祟りとかはないんだって」

「なんか都合がいいように感じますけど、そんなものなのですか?」

「2度目はないって言ってたし、大丈夫と思うよ……多分」

「2度目はないって事は、もうずっとこのままですか?」

「まぁ、そういうことかな」


……何て事をしてくれますの、ショタの太志がよかったのに!

はっきりい言いますわ、わたくしが太志の事を恋人にしなかっのは

家族としてしか見れないのではなく、かわいすぎて恋人になったら

わたくしの心臓が持ちそうなく耐えられないので断っていました。

そして、毎朝部屋へ迎えに行くのは部屋で太志の匂いを嗅ぐためでしたのに!


なのに、そのお狐様のせいで太志の匂い消えてしまましたがが……でも、女子になっても

これはこれでいい匂い……ってなんでわたくし女子の匂いで興奮しるんですか!

思わず興奮してしまいましたが、ひとまず落ち着きましょう。


「元に戻れないなら仕方がありません。わたくしも志麻として接するしかありせんね」

「ありがとう、ちーちゃん。そうそう、せっかくだかここで告白するね」

「は?またなにを言ってるますの?」


3時間前に振られたのに、また告白するのですか?

それに、わたくしが女子が好きなのは勘違いなのに。


「え~と、ちーちゃん……じゃなかった、柳千鳥さん、ぼくの恋人になってください!」


志麻が右手を差し出すけど……ダメに決まってますわ。


「残念ですが、志麻とは恋人に慣れません。わたくしは女性とお付き合いできません」

「ちーちゃん、また強がらなくてもいいって。同性を好きな事を周りに言えないから、あえて断ってるんだよね」


だから……なんでそうなるんです?

性別が変わっても、変な思い込みと勘違いはそのままみたいです。

しかし、ここで違うと言っても聞き入れるとも思えないので条件を出しましょう。


「そうです、それでは条件をだします。2か月後のわたくしの誕生日の

7月10日までにデレさせてたら恋人になります。

無理でしたら、今まで通りの関係でいましょう」

「わかった、2か月でデレさせればいいんだね。デレさせなかったから、恋人になる

のは諦めるけど、ちーちゃんと幼馴染なだけで自慢できるからね」


なんとか、この場は収まりましたがわたくしをデレさせるのは……簡単そうで困ります……。

正直、志麻はキャラ的にわたくしの好みといいますが、ど真ん中です。

デレさせたらって言いましたが、はっきりいます、既に落ちています。

ただ、今はその事に志麻は気づいていないので、2か月間すでに落ちている事を

志麻にばれずに過ごしてみます!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る