【連載版】わたくしに振られた幼馴染♂が勘違いで女子になりまた告白されました

しいず

幼馴染がTSして女子になりました

第1話 千鳥お嬢さまの幼馴染♂が勘違いでTSしました

「ごめんなさい、わたくしあなたとはお付き合いできません」


わたしくしは告白した男子を振るが、この男子はわたくしに告白したのは5回目。

何度も何度も振っているのにしつこくてたまりません。

ここまでくるとストーカーになる恐れがありますが、幸いそこまでの心配はありません。

しかし、こう何回も告白されるといちいち断るのが面倒でしかたありません。


「な、なんで僕はダメなの?確かに、ちーちゃんは僕が嫌いなの?」

「嫌いではありません」

「それじゃ、何でダメなの?僕が男らしくないから?それとも好きな人がいるから?」

「それは……」


わたくしの名前は柳千鳥。

そしてわたくしに5度目の告白してきたのは幼馴染の大野太志ふとし

太志はわたくしの家のお隣で、幼い頃から家族ぐるみで付き合ってるため

愛情はあるものの恋愛感情はなありません。

ただ、太志はわたくしの事を1人の女子と思っており、1年前から何度も告白されています。

初めはちょっとした冗談と思いましたが、3回目から本気だと言う事はわかった

ものの男女としての付き合いはわたくしにはやはり無理。

断っても諦める様子がなく、お隣なので逃げようもない上、家族からも

「太志君なら構わない」と言われて外堀が埋めれている状態であります。


(太志は嫌いではありませんが...男女の付き合いというは無理ですわ。

あと、太志はわたくしの胸が目当てでありますし)


太志が女性の胸が好きな事は太志の部屋にある本や本人から聞き出したので知っています。

男性が女性の胸が好きなのは理解しますが、太志の場合半分以上が胸が目当ての

なのでそれが許せないのです。


「太志はわたくしのどこが好きなのですか?もちろん、胸意外で」

「そ、それは……え~と……」


即答できないのは我慢しますが、数分経っても胸意外の良い所が出てきません。

どうやら半分どころか完全に胸目当てのでしたわ。

嘘でもいいから、どこか1つでもいい所を答えれば少し考えを改めましたが、これでは無理です。


「結局、わたくしの胸目当てですのね。だから男子は好きになれません」

「え、もしかして、ちーちゃんは女の子が好きなの?」


何でそういう意味になりますの?

太志はこのように考えが飛躍する所があるのがいけません。

わたくしは百合作品は読みますが、別に女性が恋愛対象ではありませんわ。

むしろ、ショタタイプの太志が好み……いえ、ショタが好み。


「うー、そうだね、今時の女の子は同性を好きでもおかしくないよね」

「太志?なにをおっしゃってるいますの?わたくし別に女性が好みではありません」

「ちーちゃん、わかってるから隠さなくていいよ。大企業の柳グループの1人娘が

同性愛者なんて言える訳がないのはわかってるよ」

「だから違い......」

「心配しないで、僕、ちーちゃんの秘密は守るよ」


太志はわたくしの口に指をあてて黙らせますが、人の話はちゃんと聞きなさい!


「でも、僕は男だから……ちーちゃんと恋人となれないね。

何度も告白してごめん。かわいい彼女を見つけね、

ちーちゃん、応援してるよ、それじゃまたあした」


そういって無駄にクールに去っていくが、だから違いますの、わたしくの好みは

ショタですの、太志~戻って来て~。


―――――


 ちーちゃんと別れたけど、ちーちゃんがまさか女の子が好きだったなんて。

僕は身体が小さく、力も弱くて女の子みたいだって言われているけど、ちゃんとした男だからちーちゃんの彼女にはなれない。

ちーちゃんは家族みたいだから好きになれないって言ってたけど、女の子しか

愛せないからそう言って誤魔化してたんだね。

気づかなくてごめんね、ちーちゃん。


「いっそのこと、僕が女の子だったらちーちゃんにまた告白できるのに。

女の子が好きってわかっていたら5回も告白なんてしなかったのにな」


僕はため息をつくけど、家に帰ってもちーちゃんの事だから僕の部屋で

さっきの事についてまた説教されるんだろうな。

ちーちゃんに責めれるのはご褒美……いや、つらいけど、今日はまたちーちゃんと

顔を合わせたくないし、なんか家に帰りたくもない。


 そんな気分だから家と反対方向へ歩いて行くと、神社の前を通るがこんな所に稲荷神社があったんだ。

家からそんな離れてないが、こっちの方は意外と来る事がないから知らなかったけど

行く所もないし、この時間なら人もいなから1人になれそうだし、ここで時間を潰すかな。


 この神社は小さい神社だけど、掃除がしっかりされていて地域の人に大切にされてるのはわかる。

神社に来るにはもう遅い時間だけど、せっかく来たんだからお参りをしていこう。

お賽銭をいれてお祈りするけど、ちーちゃんと恋人になりたいけどまずは

僕が女の子にならないといけないな。


「僕が女の子になって、女の子が好きなちーちゃん……柳千鳥の恋人になれますように」


こんなお願いしても叶わけないけど、言葉にだしたら気持ちが少し楽になったかな。

とはいえ、家に帰る気がしないからもう少しここでいるかな……。


『その願いききいれたのじゃー!』


突然、社から声がしたが、その声と共に社が光るけど、なにこれ?

漫画やアニメとかである神様が出てくるシーンみたいだけど

まさか本当に神様が出てきた?


「はっはっはっ、小童、わらわがその願いかなえるのじゃー。

わらわに願いをかなてもらえるのは光栄と思うのじゃー」


キツネ耳でしっぽが生えて浄服姿……いわゆる巫女服の女の子が

社から出来てきて、しかも「のじゃー」って言ってるし。

漫画やアニメとかに出てくるケモミミロリ神様みたいだいけど、まさか本当に神様がなの?

小童って言われるとなんか格闘物のキャラみたいだなぁ。


「えーと、君は神様なの?」

「神に向かって君とは何なのじゃー。わらわは善狐のミヤコじゃ」

「善狐か……。せめて仙狐クラスじゃないと……」

「なんだとー、わらわはこれでも人間換算で990年善孤をやってるのじゃー!

あと10年経てば仙孤になるのじゃー!

というか、何でそんな事にくわしいのじゃー」

「そういうジャンルが好きだか詳しくなったんだよ」


ポカポカ叩いてくるけど、本当に神様なのかというか狐は神様というか眷属なんじゃ。


「狐は眷属だから願いが叶えられない気がするけど……」

「まったく、無駄に詳しい小童じゃの。わらわはこの社を管理し、ちゃんと

社に祀られてるのじゃ、ちゃんと祭神をよんでみるのじゃ」


丁寧に説明板に案内されて祭神を読むと、確かに宇迦御之御霊神と一緒に「膳孤」ってあるな。


「確かに祭神になってる」

「そうなのじゃ、わらわを敬うがよいのじゃ」

「そうはいってもなぁ」


お稲荷様というか狐に願いを叶えてもらうといい話を聞かないけどなぁ。


「昔話なんかだと眷属狐に願いを叶えると大体良くない結果になるけど、信用していいの?」

「それは欲をだしてちゃんと切る所でえにしを切らなかったものがわるいんじゃ。

わらわが願いをかなえたらちゃんと礼をすればいいのじゃ」

「お礼って油揚げとか?」

「狐だから油揚げとは短絡的なのじゃ。

昔ならいざしらず、今はちゃんと金銭でお礼をするのじゃ」


なんだろう、お金をせびらられてすごい怪しい。


「……やっぱり神を語る化け狐にしか思えなないけど」

「なにをー!わらわはもうすぐ天狐になる善孤とっ言っておるのじゃ!

疑うのならば願いはかなえないのじゃー!」


またポカポカ叩いてくるが全く痛くはないけど。


「といわれても、いくら払えばいいのかわからないよ」

「気持ちでいいのじゃが、具体的にいう……そうじゃのう……100円でいいのじゃ。100円は大金なのじゃ」


100円が大金っていつの時代だろう。


「少し聞いていいかな?」

「なんじゃ?言ってみるのじゃ」

「ミヤコ様は前に願いを叶えたのはいつ?」

「そうじゃのう、前回は120年前ぐらい前なのじゃ」


それって明治以来って事だけど、明治なら確かに100円は大金だな。


「そんな前じゃ信用できないな……」

「人間基準で120年なのじゃ。120年など神ならば数日程度じゃ」


流石に数日程度は短い気はするが、神様の感覚では短いのは確かかもしれないけど……。


「本当に100円でのいいの?」

「はっはっはっ!わらわが構わないと言ってるのじゃ。

あと、かなえた後は金さえもらえればわらわとの縁は切れるので

後腐れはなしなのじゃ、祟ったりしないから安心するのじゃ」


まぁ、100円で女の子になってちーちゃんと恋人になれるのならば安いか……。

ちょっと怪しいけど、後腐れも祟りもはないと言ってるしこんな経験は滅多にないから別に構わないか。


「一つ聞いていい?僕が女の子になった事、皆に受け入れられるの?」

「心配しなていいのじゃ、生まれてからずっと女子おなごだったと書き換わるのじゃ。

たまに書き換わってない者もあるが、そんな者は滅多におらんから気にせんでいいのじゃ」

「それじゃ……お願いするかな」

「よし、任せたのじゃ」


何やら呪文のようなものを唱えると僕の周りを光が包む。

何か身体が変わっている感じはするけど、苦痛とかはない。

そして、その光が消えると……僕は体だけでなく、服装や持ち物

もちろん下着まで女の子になっていた。


「す、すごい、本当に女の子になってる。胸もあるし……ついてない」

「どうじゃ、すごいじゃろ。これがわらわの力なのじゃ」

「本当に神様だったのか、ありがとう、ミヤコ様」

「うむ、わかればよしいのじゃ。それより、お礼の100円をよこすのじゃ」


なんかがめついけど、女の子なってちーちゃんと恋人なれたと思えば

100円はお得すぎるか。


「それじゃ、100円」


僕は財布から100円玉を出してミヤコ様に奉納する。


「毎度なのじゃってなんだこの丸い金物は?」

「100円だよ」

「嘘をつくはやめるのじゃ、わらわが知っている100円は……」


っと言いかけたら、ミヤコ様の身体が光るが何だろう。


「光ったという事は……おぬしが嘘をついてない証拠.……これが100円なのじゃな……」

「これが『今』の100円だからね」

「なん……じゃと……」


ミヤコ様が地面に手をついてうなだれるけど、なんか騙したみたくて悪い事したかな……。


「なんか騙したみたくて……ごめん」

「ごねんで済んだら、天罰などいらんのじゃ!!

じゃが……ウカ様が正しいと認めたという事はおぬしが正しいのじゃ……。

そしてわらわが間違っていたのじゃ……」


どんどんと地面をたたくが、いくら神様が正しいと認めてもロリっ子狐を騙したと思うと気が引ける。


「かなえてしまったものは仕方がないのじゃ。それに、もうお主との縁は切れて

しもうたので取り消す事もできぬのじゃ。

願いをかなえるのは1つだじゃ、つがいになれるようにがんばるのじゃ。

わらわはそろそろ帰るときなので、さらばなのじゃ」

「ちょ、ちょっとまって、ぼく、女の子になっただけなの?」

「かなえる願いは最初から先に言った1つだけじゃ、わらわはもう寝るのじゃ。

もっとも、おぬしに会う事はもうないはずなのじゃ。おやすみなのじゃー」


そういうと、ミヤコ様が社に消えていあったが同時に社の光も消えた。


「そ、そんな……」


僕はその場に座り込むけど、叶ったのは女の子になる事だけで

ちーちゃんと恋人になるのは自力でって事か……。

やはり、100円じゃ叶うのは1つだけだったけど、仕方がないか。

このまま家に帰るとみんな驚くだろうけど、ミヤコ様はぼくが最初から女の子だった事になってると言ってたから大丈夫かな。

あと、女の子になったから名前がどうなってるか生徒手帳を

確かめたら「大野志麻」になっていた。

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