YO!
前話の悪童復活も前後してしまいましたが同時に公開してます。
申し訳ありませんでした。
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「だまれっ! 私は12枚様なんてふざけた名前じゃないっ!!!
私には崇高なる名前のヨ……」
「はああっ?!
声ちっさくて聞こえねーよっ!!!」
さすが工藤。いいタイミングで邪魔をする。
12枚様に昇格できるくらいのいい子ちゃん相手への嫌がらせはさすがだなと思いながらもあんな声を聴かされて花梨が怖がってないか心配になって様子を見るも
「聞いたあ?
崇高なる名前の『ヨ』様だって!」
「「 YO!」」
片手を上げて岳とハイタッチ。
うーん。
さすが女王様。
あまりのたくましさに千賀さんも林さんも困り顔だ。
さらに名前で揶揄われることなど一度もなかっただろうヨ様はここまでの侮辱に顔を真っ赤にされていた。
「ふざけるのもたいがいにしろ!
私はっ!!!」
「ここでサヨナラする相手の名前に意味あるのかよ」
工藤が持っていた黒い剣で12枚の翼の内4枚を切り落とした。
「わ、わ、わ……私の翼がっ!!!」
絶叫するヨさま。
かなり動揺されている。
まあ、しゃーないかと思うも蝙蝠様の羽を一枚含む左側だけから4枚切り落としたのだ。嫌がらせもここまでやるとはさすがだなと腹立つ存在の工藤だけど仲間になるとここまで頼もしいとは……
次のネタは何かちょっと気になってしまう。
しかしそこはすかさず
「にゃっ!!!」
雪が翼を咥えて俺の所に持ってきたのだ。
「ん?雪の羽根布団計画は続行するの?」
「にゃ、にゃにゃっ!」
「おいおい先輩よお。そんな羽毛布団ぜってー悪夢見るぞ」
先輩と言う名の敬意のない呼び方、工藤らしいと思うも雪は構わず3枚の翼を俺に渡して蝙蝠様の羽は見向きもしない。
好みの差に笑いたくなるけど
「先輩、せっかく切り落としたのにリリースっすか?」
雪に話しかけながらもヨ様に向かって言い放つ言葉。
元天使様なら蝙蝠様の羽なんて屈辱以外何物でもないだろうと思えばそこはやっぱり元天使様。今も天使かもしれないけど
「あそこを脱出するために奪った羽だ!
そんなものなくても構わん!」
なんて光の玉を当てるもボロボロにならずに壁際まで吹っ飛ぶだけ。
「案外丈夫だな」
「アレを人工的に作ることが出来たら軽くて丈夫、テント素材として最高じゃないでしょうか」
三輪さんと橘さんが何やら前向きな事を言っているけど、ヨ様は手持ちの羽ですら有効活用しようと狙ってる俺達に初めてヤバいという視線を向けてきた。
「お前たちはなんて野蛮な種族だ!
誇り高き我々の象徴ともいうべき翼を奪おうとするなど……」
「えー、でも8枚様。あ、12引く4だから8枚様ね。
それを守り切れなかった誇り、風で飛んでいく程度でしょ」
「誇りと埃、翼と羽箒の差ですか。
結城一佐が言うのならまだしも相沢みたいな世代がそう言うのを言うものではありませんよ」
ここに居ないのにさりげなく巻き込まれた結城さんに酷いこと言ってますよ林さん。なんて注意する人物は誰もいないけど、岳が「ぶふっ!」なんて噴き出していて正直者め!ちょっと羨ましいぞ!なんて千賀さんが顔を背けながらも肩を震わせていたのをこっそりと冷静に撮影する女王様。俺は知らないふりをしながら
「でもまあ、アンバランスだから反対側の翼もいらないよな?」
なんて俺は剣に魔力を溜めるようにしてかまえれば本来この剣の使い方をする俺にすぐさま対応するように8枚様も剣を構えるも死角から工藤が襲い掛かる。
金の力で引き上げられたそのレベル。さらにもともとの身体能力の高さ、挙句に雪に鍛え上げられたダンジョンでの戦い方。
あれだけごっつい体をしていて足音をさせないなんて忍者かよなんて突っ込みたい。
だけど残念な事に剣の使い手としては向こうが上手。
俺同様振りかぶって剣を振り下ろす程度しか技術のない工藤に対してすぐさま自分の翼だろうか。一枚の翼の羽根を自らの手で引きちぎったかと思えば真っ白な純白の剣へと変わる。
蝙蝠様が自分の体から剣を取り出したと同じように自分の翼から剣を作るのかと驚きと同時に蝙蝠様は自分の体の中に手を突っ込んで召喚した剣は何を元にして作ったものか答えは知らないものの想像してぞっとしてしまう。
剣になったばかりのそれで工藤の攻撃を余裕で受け止めて
「お前の攻撃は単純でわかりやすい。私の翼を狙ったこと後悔させてやる……」
なんてとても天使様とは思えない凶悪な視線と意外にも獰猛な犬歯を見せて笑みを作ってくれた。
金の力で同等のレベルになった工藤と押し合う力もほぼ同等。
クソみたいに働かされて十分な筋力を作ったからか何百年と生きていそうな天使様と張り合える力がちゃんと備わっていた。
俺だったら力比べなんて速攻で負けるのにと改めて魔力しか育てなかったことを後悔する。俺だってちゃんと筋肉も育てればもうちょっとは筋肉のついたいい体になってたのにな……
そんな男の夢を少し詰めたたらればにシャツの首元から現実を見てそっとため息を吐きだした瞬間
音もなく白銀の線が剣を交えるほんのわずかな隙をかいくぐって8枚様の翼をさらに3枚切り落としていた。
「さすが雪。抜け目はないな」
蝙蝠様の羽しか残ってない元天使様を見て雪はご満悦に翼を咥えて
「これもよろしくね」
なんてキラキラお目目で言わんばかりに俺へと運んでくれるのだった
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すみません。コロなって以来執筆遅れています。
体力落ちている所に家族が救急車で運ばれたり、手術に遠方に出かける事になったり、結果また寝込んだりと情けない限り。
メンタル面でもテレビから流れた突然の久しぶりに聞いたクラスメイト(席順で三年間隣だった)の訃報の知らせにここ数日いろいろ思い出しては考え込んだり。
こういう事は重なるといいますか、うわあああ…ってなってます。
気分的には仕事も忙しくなってそれどころじゃないと復活しておりますが、某所で書いてる少しホラーチックな話のせいかいろいろビビる状態の不思議な日常に執筆がはかどらない状況。
ほんといろいろ重なってますが書く事だけは止めれそうもないのでどうぞお付き合いください。
ぐちってすみません。
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