敵を知るのは大切な事です
かなり明るい時間になって目を覚ました。
隣のベッドでは岳が寝ていて、その様子から当分目を覚ましそうはない。
取り敢えず喉も乾いたからベッドから出て水を飲む前にトイレに行き……
ジャーっと水が流れる文明的な音に満足する。
トイレはやっぱりこれだろ。
そんな当たり前が当たり前でなくなったこの生活に与えられた日常。
「家に帰りたくねー」
なんて思いながらもこれもどうせ結城さんが俺たちをここに引き止めるための作戦の1つ程度だろうなんて考える。
乗りたいのは山々だが生憎家でイチゴチョコ大福と言う俺が育てた三人娘が俺の帰りを待っているのだ。
帰らないなんて選択はどこにもない。
それに雪の彼女達やその子供、舎弟達も待っているのだろう。面倒見のいい雪が帰らないなんて選択をするわけがない。
うん。
早く山に帰ろう。
後いくつかの用事をさっさと済ませてだけど。
顔を洗って着替えてまだ起きてこない二人に遠慮する事なく雪と一緒に朝食を食べる事にした。
そして約束の時間になっても起きない二人を担いで向かおうとしたところで目を覚ましてくれて、昨夜のうちに買っておいた朝食を食べさせて3分で準備をさせた姿で待ち合わせの大学の体育館前に向かうのだった。
勿論そこには隙のない結城さん。その支配下にいる千賀さん達もちゃんと揃っていて、水井班の方達も並んでいた。
「おはようございます」
そんな俺のあいさつに岳と沢田も「おはようございます」と続く。
「おはよう。少しは休めたか?」
なんて聞かれたので取り敢えず俺はと言葉で濁しておいた。
それで岳と沢田の様子を見て察してくれたが
「今日は昨日頂いたビデオとスキルの検証で君たちにはダンジョンには潜らないでもらいたい」
「何かあったのですか?」
なんて聞けば場所を変えようと言って千賀さんと林さんを連れてダンジョンのそばに設営してあるプレハブハウスに案内された。
取り敢えず進められるままパイプ椅子に座れば
「前より相沢君に頼まれていた沢田君の詐欺事件の調査報告ができた。
渡しておこう」
そう言って分厚い封筒を渡されたので俺はそれを机の上にぶちまけた。
沢田は見たくないと言うように目を瞑って顔を背けたけど、俺は確証を得るために大量の写真を見る。
岳は恐る恐ると言うように写真を見るもこの写真はなんだと言う顔をして
「男の人はみんな一緒だけど女の人はみんな違うね?」
その言葉に沢田は振り向いた。
そう。
沢田の元カレ、あの男の被害に遭っていたのは沢田だけでなかったと言う驚きの展開だった。
*・゜゚・*:.。..。.:*・''・*:.。. .。.:*・゜゚・*
すみません。本日は出かけていますので短いですがここまでで失礼します。
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