第6話 妹誕生

あれから半年が過ぎた頃、ついに我が母カナリヤに陣痛が始まったのだ。

屋敷中のメイド達が大慌てでお産の準備を始め、産婆さんの指示でお産が始まった。


「ひぃっ!ひぃっ!ふぅ~!ひぃっ!ひぃっ!ふぅ~!」


と言う聞き覚えのある掛け声と一緒に母親のカナリヤはいきんでいた。

それを私は何だか神秘的な物を見ているようで早く生まれないかなぁとドキドキとワクワクが止まらないでいた。

そして、その時は来たのだ!


「オギャー!オギャー!オギャー!」

「「「おぉぉぉぉ!」」」

「おめでとうございます!奥様!元気な女の子ですよ!」


と、産婆さんがカナリヤに赤ちゃんを抱かせようと預ける。そこにグレイスも慌てて部屋に入って来た。



「まぁ!アリーシアに似て可愛いわね」

「そうだな!アリーシアによく似てる!」

「それにしてもアリーシアの時と違ってよく泣くわねぇ」

「奥様、赤ちゃんは本来このぐらいは泣くのです、アリーシア様が大人しかっただけなのです」


と、産婆さんがアリーシアの時と妹との違いを話してくれた。

まぁ、私には前世の記憶が有ったからね


「さて、それではこの子の名前を早速決めよう!」

「そうねぇ、また何か考えて来てくれての?」

「あぁ!そうだ!今回も女の子らしい名前にしたぞ!」

「あらぁ~、楽しみねぇ何て名前なの?」

「ミリーサはどうだ!これも花の名前なのだが紫色のハートの花びらが特徴で花言葉が強く愛らしい女性と言うものらしい!」

「あら!それは良いわねぇ~、その名前でいきましょう」


これで私の妹の名前はミリーサに決まったのだった。

それにしてもグレイスは何で花の名前を就けるのだろうか?以外とロマンチストなのだろうか?まぁ、そんなことはどうでもいいか。

取り敢えず、私はこれで姉となったため、姉としてどうしてあげたら良いのかとかどうあるべきかなどはこれから学んで行こう。

前世では居なかったからね!それから程なくしてミリーサは私が使っていた赤ちゃん用のベッドに寝かせられ、私は3歳を過ぎたからもう一人で寝れるだろうと判断され、念願の一人部屋で寝ることになったのだ!


「良し!これで夜な夜なでも魔法の練習が出来る!そして、超能力が使えるかどうかの確認もついに出来る!」


そして、一人部屋に移ったので早速その夜、超能力の確認をすることにした。


「まぁ、超能力を使えるかどうかの確認だけだから攻撃系じゃなくても良いわけだけど…あっ!一番被害がない能力があったんだった!透視能力や念話能力なら被害が出ないじゃん!」


そう!私は今更気づいてしまったのだ。透視能力などの自分の強化や被せる様な能力なら被害が出ず試せるではないか!だが、これには理由があるのだ!私の攻撃系の能力は強大過ぎてこれらの能力を使う理由がないのだ。

故に前世ではこれらの能力を使った事が全くないのだ。

それでいてこれらの能力を使えることを忘れていたのだ。


「まぁ良いか!取り敢えず透視能力を使って見るかな」


そう言って私は部屋の壁に向かって透視能力を使って見ることにした。

すると、壁の向こう側が見えたのだ。物置部屋なのだろうか木箱が沢山有り、その上に白い布を被して綺麗に棚などに整理されていた。


「まさか、この世界でも超能力を使えるなんて…でも、魔法を使う時と何やら感覚が異なるな」


そう!魔法は言葉によって具現化されるが、超能力に関しては脳内イメージを具現化するため脳に負担がかかるのだ。

前世で使い慣れた感覚だったため、何やら懐かしさを感じた。


「でもこれって使い分ける事が出来れば私無敵なのでは?」


魔法と超能力が使えるのであれば魔力が無くなっても超能力で代用が効き、脳に限界が来ても魔力がある限り魔法も使える。

これについてはこれからどういう使い方をすれば効率が良いかを練習していけば良いだろう。

ともあれ、妹が誕生し、超能力も使える事も確認が出来たため、さらに戦闘における幅が広がったため、どんどん練習していこうと心に決めたのであった。

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