第10話  ゴールデンウィーク初日

香織『遊びに行く日、行きたいところとか、したいことある?』


 そう香織からメッセージが届く。


(したいことか、俺なんかの意見でいいのかな?)


龍也『俺なんかの意見中でいいの?』

香織『龍也君の意見を聞きたいの』


 龍也はそのメッセージを見て男女の遊び先をラノベの知識を総動員させる。


(恋人未満の男女が行くところか...、水族館?動物園?カラオケ...は歌える気がしないし、映画、そうだ映画だ、映画館ならショッピングモール内にあるし映画鑑賞の待ち時間も見終わった後も暇になることがないはず)


龍也『それなら、映画とか?』

香織『いいね、ちょうど見たい映画があったんだ~』

龍也『じゃあ、それ見に行こう』

香織『集合時間は午前10時ごろでいい?』

龍也『大丈夫』

 


 遊びの予定具体的にが決まった次の日、ついにゴールデンウィークが始まりいつもより少し遅く起床した龍也は朝食と摂り学校から出された課題をしたり、授業の予習復習をしゴールデンウィーク初日の午前を過ごした。

 午後からは、未読のラノベを読み進めた。

 一冊読み終えた龍也は香織に出会ってからの五日間のことを思い出していた。

 香織の嬉しそうな笑顔、安心した顔、困った顔などこの短い間に色んな香織の表情を見ることができた。

 これまでボッチだった龍也にとってそのすべてが新鮮で香織の色んな表情をみるたび胸が高鳴り、顔が火照った。

 龍也は改めて思い返してみて龍也にとって香織は特別な存在に早くもなっていることを感じた。

(香織は友達だからこんなに優しくしてくれているんだ、だから俺は絶対に友達以上を望んではいけない。だって香織はメインヒロインで俺はで、運よくその他大勢から友人Aに昇格できただけなのだから)

 と龍也はいつも通り自分の気持ちに制限をかけ、再度ラノベを読み進めた。 


*** 

 一方、香織は午前中に学校の課題を終わらせて、午後からは千夏の家で一日に向けての作戦会議が行われていた。

 参加メンバーは、香織、友恵、千夏そして千夏の彼氏の斎藤さいとうはじめの幼馴染四人だ。


「これよりかおりんの神田君との映画デート作戦会議をはじめまーす」


 と元気よく千夏が仕切る。


「ちょっと別にデートってわけじゃ...」

「じゃあ何なのかな、か・お・り・ん」

「お出かけ?」

「「なわけあるかー」」

「分かったデートでいいよ、もー」


 と香織は頬を赤らめて恥ずかしそうに答える


「んでなんで俺呼ばれたん?」

「男性陣の意見が聞きたくてね」

「そういうことなら、篠崎と遊べるってなったら男なら嬉しくない奴おらんって」

?」

「違う俺は違うぞ、俺はちぃーが一番かわいいし好きだ」


 凄まじい殺気を感じた一は慌ててそう返す


「もう、はじめんたら」

「はいはい、そこのバカップルはこっちの話にも集中してくださいね」

「はーい」「りょうかーい」

「香織さんは神田さんとどうなりたいんですか?」

「龍也君ともう少し仲良くなりたいです」

「そういうことなら何かプレゼントを渡すとかどうー?」

「ちー、それいいじゃねか」

「へへへ」

「やはり何かを贈られるのは嬉しいものなのですね」

「それはそうだろ」

「だそうです香織さん」

「分かった、考えてみる。

ところで男の子はどういうものが嬉しいとかあるの?」

「俺はだけどその人が考えて選んでくれたものだとなんでも嬉しいよ」


 と一はいい千歳の方を見る。


「はじめん♡」

「ちぃー♡」

「ゔっゔっん、お二人とも私たちがいることもお忘れなく」

「「あっ」」


 と二人の世界に入ってしまう前に友恵の一声で現実に千歳と一が引き戻される。

 そうしてこの日は解散し千歳と一はそのままおうちデート、友恵は欲しい参考書があるからと言って書店へ向かった。

 そして香織は龍也へのプレゼント探しにショッピングモールに向かった。

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