第9話 ゴールデンウィーク前日

 明日から始まるゴールデンウイークを前にした教室ではゴールデンウイーク中の予定や楽しみなことで龍也のクラスでは盛り上がっていた。

 かくいう龍也も今年のゴールデンウイークは香織と遊ぶ約束をし、少し浮かれたのだが昨日の母親からの連絡をきっかけに昔のことを思い出して少し気分が下がっていた。

 今日は髪をセットしてこなかった龍也はいつもで売りの時間に登校したので香織より先に登校していたので以前のようにラノベを読み進める。

 そしていつも香織が登校してくる時間になり、龍也は香織と軽く挨拶し再度ラノベのい目を向け読み進めているとポケットの中でスマホが通知を受けブブッと震える。

 送信元は香織だった。


香織『今日、元気がないように見えるけど大丈夫?保健室いく?』


 慌てて龍也は香織の方を見る。

 香織は心配そうに龍也の方をじっと見つめていた。


龍也『ううん、大丈夫。心配させてごめん』

香織『大丈夫ならいいんだけどしんどかったら無理せず言ってね』

龍也『分かった』


 そうやり取りした後、龍也は香織に心配をかけないように自分は元気だと主張するように香織ににこりと笑顔を向ける。


 この後、龍也はいつも通りすごし今朝より気分はマシになっていた。


「龍也君大丈夫だった?」

「うん大丈夫」

「うん朝よりは元気そう。よかった」

「俺なんかのことで心配させてしまってごめん」

「龍也君はなんかじゃないよ!友達なんだから心配だよ」

「うん、ありがとう」


 龍也の胸のあたりがなぜだかドキッとする。

 だが龍也はこの胸の異変の正体が分からないため気にすることをやめ帰宅のためバッグを持つ。


「じゃあ行こっか」


 そう香織が言い香織との下校二日目が始まった。

 校門を抜け学校を後にした龍也たちは明日からゴールデンウィークということでお互いの予定について話していた。


「龍也君、五月一日って空いてる?」

「うん、暇だよ」

「よかった。その日どこか遊びに行かない?」


 と少し不安そうに龍也に問いかける。


「いいけど、僕なんかでいいの?」

「私は龍也君がいいの」


 と龍也に聞こえないくらいの声で恥ずかしそうに香織が呟く。


「香織、顔赤いけど大丈夫」

「大丈夫全然平気」

「それならいいんだけど」


 龍也は香織のその言葉に少し不安に思いながらも先の道を進む。


「龍也君」

「ん?どうしたの」

「心配してくれてありがとう」


 と香織が龍也の前に出て振り返って笑顔で感謝を伝える。


(この笑顔だけは守りたいな)


 龍也はそう心に決め香織の横に並び再び歩き出す。


***

(誘っちゃった。これでゴールデンウィークも龍也君に会える。

 これっていわゆるデートっていうやつなのでは?

 龍也君はそうは思ってはいないかもしれないけど

 でもでも、思うくらいはいいよね)


 香織は龍也とのお出かけのことについて学校の予習をしながら一日ついたちのお出かけについて心躍らせていた。


「楽しみだな、龍也君とのお出かけ」


 予習を終えた香織は行き先をスマホで探す。


(うーん分からないな友恵たちに聞いた方がよさそう)


 香織は友恵と千夏とのグループを開く。


香織『異性の友達と遊びに行くならどこがいいかな』

友恵『ゴールデンウィーク神田さんと遊びに行くのですね』

『ふーんとするキャラクターのスタンプ』

香織『実はそうなんだ』

千夏『いいな私も龍也君と遊びたーい』

友恵『千夏さんは斎藤さんがいるでしょう?』

千夏『そうだった』

友恵『どこに遊びに行くかでしたよね?』

香織『うん』

友恵『それは二人で一緒に相談して決めれば良いかと』

千夏『さんせー』

香織『どうしても?』

千夏『その方がお互い何が好きか知れると思うよー』

香織『うん、そうだね。そうしてみる』

千夏『かんばれー』


 香織は龍也のはトーク画面を開く


香織『遊びに行く日、行きたいところとか、したいこととかある?』

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