第26話 対人戦イベント結果発表1
対人戦イベントが終了してから一週間が経過していた。
相変わらずレベル上げに奔走する毎日を送ることもなく、淡々とモンスターを倒す毎日だった。
「ふぅ。こんな感じかな……ん?」
レベルアップを確認した。
すると運営からメールが来ていた。
何だろうと思いタッチしてみると、如何やらこの間の対人戦イベントの結果が出たらしい。何でも今晩には公式放送がμTubeで有るらしいが、それを観る気がイマイチ無いので、グリムはここで確認することにした。
「えっと、私の順位は……一位はファイアさん。二位はブリザードさん。三位は……シロガネさん! 凄っ」
言葉を失った。まさか自分が最後に戦った相手が総合三位にまで上り詰めているとは想像もしていなかったのだ。
とは言え考えてみたら答えは一発だ。
シロガネは相当強かった。アレだけの人数をたった一人で相手をして打ち負かしてしまうのなら下位になるはずがない。
「流石だね。私も次は負けないように頑張りたいけど……えっ!?」
スクロールしていくと、グリムは自分の順位を確認した。
なんと五位。完全に上位に入りこんでいて、グリムは目を丸くした。
まさかの初イベント参加で五位。これは華々しい結果の筈だ。
「やった! 賞金もおまけに記念アイテムまで貰えるなんて。超ラッキーだよね?」
報酬を受け取るボタンをタッチすると、早速報酬を受け取ることができた。
今回は賞金一万P。記念品はメダルのようで、5と真ん中に彫られていた。
一見すると何の価値も無いかもしれないが、グリムは嬉しくて笑みを浮かべた。
「でも次は勝ちたいな。おっと、そう言えばステータスをちょっといじったんだよね。すっかり忘れていたよ」
イベント中はレベルは上がらない。けれどスキルを獲得することはできる。
戦闘中に一々ポップアップされると困るので通知を切っていた。
それを解くことにしたのだが、その前に手が止まった。
ステータスの一番下。スキル欄に新しくスキルが追加されていたのだ。
■グリム
性別:女
LV:11
HP:110/110
MP:70/70
STR(筋力):46
INT(知力):50
VIT(生命力):44
MEN(精神力):130
AGI(敏捷性):45
DEX(器用さ):90
LUK(運):50
装備(武具)
メイン1:〈死神の大鎌〉ATK:-X
メイン2:
装備:(防具)
頭:
体:〈死神のシャツ〉〈死神の外套〉DEF:-X
腕:
足:〈死神のレギンス〉DEF:-X
靴:〈死神のブーツ〉DEF:-X
装飾品:〈死神のネックレス〉ステータス:-X
スキル(魔法を含む)
【精神相殺】【観察眼】【看破】【ジャストガード】
ユニークスキル
【マイナス固定】
新しく追加されていたのは【ジャストガード】だった。
スキルの説明を試しに確認する。
スキル【ジャストガード】
条件:敵の攻撃を完璧に防御する。
説明:敵の攻撃を完璧に防ぐことでダメージを0にすることができる。※器用さまたは運に起因する。
中々面白いスキルだった。むしろグリムにはピッタリで満足した。
おまけに知らずにレベルも10を超えていた。
これも経験が活きたと思い、グリムはニヤついた笑みを浮かべた。
「シャドウさんとシロガネさんのおかげかな。二人は特に強かったから」
とは言え今回はほぼ互角だった。
たまたま頭の切れ具合のおかげで打ち負かすことができた。
もっと強くならないと余裕が持てない。このままだと祭理がゲームに参加した時に変に笑われかねないのだ。それだけは何だか不服なので、もう少しモンスターを狩りに行く。
「よし。この辺りに居るモンスターは……おっと、スライムだ!」
グリムはまだ雑魚狩りを頑張っていた。
スライムを見つけると、シュッと近付き〈死神の大鎌〉を脳天目掛けて叩き付けた。
「そりゃぁ!」
「プギュゥ!」
スライムが弾けて経験値に変わる。
けれど経験値リソース的にはあまり美味しくはなく、レベルも上がらなかった。
「この辺で潮時かな」
グリムはスライム狩りを止めた。
今の所はレベル11。別に高くもないし、低くもない。
それでいて強者の風格を放つのは、やっぱり呪のアイテムの弊害だとグリムは自分で強者を抜いて気が付いてしまった。
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