第3話 探偵さんたちは働きたくない。③
「そんなこんなで探偵様の珍しいところもみれたことだしさっさと依頼人のとこ行くぞ」
「むー,,,,,仕方ない...。ほら早くいくよ」
「それはこっちのセリフだしそもそもお前が拗ねてただけだろうが。店の誘導してくれてる人が結構困惑してどうすればいいのかわかんなくなって苦笑いになってるだろうが。」
「あぁ、いえお気になさらず。こうなることは先に来てるお客様に一応説明はされているので...」
「どんな説明受けてるんですか....」
若干変な噂でも流れているのではと不安になりつつもそれが嘘ではないため何とも言えない顔になってしまう悠馬。
そのまま案内をしてくれるサービスマンの女性が愛想笑いでそのまま案内してくれる。
案内された先の部屋に入るとそこには一人の少女がいた。
色素の薄い髪、うっすらと赤い瞳。人形のような顔つきに生気のない死んだような瞳。
その美貌がありながらもそれを失わせるかのような死人のような雰囲気。
一瞬生きている人間だと思えなかったがその相手の腕が動いたことで生きている人間だと初めて気づく。
それまで悠馬の常人離れした感覚ですらとらえきれないほどに生命力がなかった。
まるで死んでいるのか人形かのように。
おそらく見た感じでは20代といった年齢だろうがこうもやつれていると見た目だけでは年齢が推測しきれない。
「初めまして。わたしが依頼人の海野です。分け合って本名ではないが許してください。」
「そうか、初めまして。依頼を受けさせてもらった名探偵の結城 愛梨(ゆうき あいり)だ。僕たちに任せてくれれば大体のことは何とかなると思おうよ」
「あくまで大体のことはだから保証はしねぇよ。過去にどうにもならなかったことだってある」
自信満々に答える自称名探偵の愛梨の補足をする悠馬。
これは過去に何度か愛梨が先走った結果の事故が複数件ありそれのカバーや対応に追われた経験からくるものだ。
目の前の少女は今の悠馬の発言からすべてを察したように少し笑いながら答える
「一応君たちに依頼をするということになったから君たちのこと自体はそれなりに調べさせてもらってはいるよ」
ほほえましいものを見るように少しほほを緩めながら(とはいってもかなりやつれているので雰囲気的にそう感じるというだけだが)続ける。
「過去に受けた以来の数は把握できただけで129件。そのうち126件が成功。成功率が以上に高いと思わないかい?君たちのところに届く依頼なんて結構イカれたものが多いと思うんだけれども」
自分が事前に調べている情報を自信満々に発表する依頼主の海野さん(仮)。
「残念だけど僕らの受けた以来の数は129件じゃなくて正確には143件で成功した以来の数は132件だよ。細かいところにまで気を使うべきだね!自信満々で言ったのに間違えてるよ?」
自信満々で間違いを訂正する愛梨。
「むしろお前は俺たちの成功率がさらに低くなるデータを伝えたわけだが。信用とか大事なのに自分から信用を損なう可能性のある情報さらけ出してどうする。しかもその含まれてない数のは一応極秘って形の物だろうが馬鹿。」
その自信満々な愛梨の発言に対してあきれたようにため息をつきながらたしなめる悠馬
「あッ!」
その指摘にふと気づいたかのように声を上げる自称名探偵(笑)の愛梨。
「ふふふ。久しぶりにこんなに楽しい見世物をみさせてもらいました。それでは本題に入ってもいいかしら?」
何処までもただほほえましいという感情を隠そうとせず笑みを浮かべる海野さん。
その様子に違和感を覚えながらも本題に入ろうとする話の流れを断ち切るわけにもいかずそのまま話を聞く。
ちらりと愛梨の方を見てみると愛梨も少し違和感を感じてはいるようで表情が少し普段の物より険しくなっている。それも普段から一緒にいる悠馬がしっかりと見たうえで心なしかそう感じるというだけだから相手は気づいていないだろうが。
「あなた方に依頼したい内容なのですが」
そこで一息ついて溜める。そしてにわかには信じられないような発言をする。
「あなたたちには私の心臓を取り返してほしいんです」
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※注意
完全に趣味で書いてるだけなので細かいところの表現とかに違和感を感じるかもしれませんがお許しください。
そのうちこれのリメイクとか作ることになったらちゃんと作り直します。(おそらく需要はないのでやりませんが)
そのうえで私はこの作品を続けていきたいのでできれば応援していただけると嬉しいです。
ハートマークとお星さまください!
PS.そういえば探偵さんの名前出たけど名前決めるの雑とか言わないでね...?
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