第3話 拙者、ホタテ漁の求人を見る
漁業の求人を見ていると、ホタテ漁師(補助員)の求人を見つけたでゴザル。
補助員というのは、漁のサポートの仕事でゴザろう。
待遇は……
・月27万円
・労災・雇用保険(国民年金・健康保険なし)
・3月〜11月までの期間雇用(翌年の再雇用可能)
・9ヶ月で650万円以上可能
だったでゴザル。
月27万円で国民年金・健康保険は自分で支払うということは、今の月収と大差ないでゴザル。3月〜11月までの期間雇用で翌年再雇用されるなら、12月から翌2月は実質的に休みでゴザル!!
ただ、それで650万円以上可能とはよく分からないでゴザル。27万円×9ヶ月=243万円でゴザル故……、残りの約400万円が謎でゴザル。
という訳で募集先の漁協に電話でゴザル!
トゥルルゥゥゥ………。
「オホーツク漁協(仮称)です」
「万吉という者ですが、ホタテの求人を見て電話致しました」
「ありがとうございます」
「一点伺いたいのですが、月収27万円、9ヶ月で650万円以上可能とはどういう事でしょうか? 計算が合わないような気がするのですが……」
「それは、ホタテが獲れた量と皆さんの頑張りに応じて
「丁寧に説明して下さり、ありがとうございます。それでは、応募したいのですが、履歴書を送らせて頂いてもよろしいか?」
「分かりました。それでは、履歴書が届くのをお待ちしております」
「よろしくお願いします」
◇◆◇
なるほどでゴザル。決して誇大広告の類ではなかったことが分かったでゴザル。
あと、雇用保険について調べたところ、ホタテ漁師は季節労働者に分類され、12月〜翌2月については、季節労働者用の失業給付が支払われるという事でゴザった。
これは、凄くいい話ではないかと思ったのでゴザルが、世の中そんなに甘くないという事をこの時の拙者は忘れていたでゴザル……。
◇◆◇
万吉8でゴザル。
補助員についての説明を補足するでゴザル。
ホタテ漁に従事する通称ホタテ船には、
・船頭
・機関員
・甲板員(3名)
の計5名が乗船するでゴザル。
補助員は、この5名に欠員(病気や冠婚葬祭の休み)が出た場合の穴埋めをする人員でゴザル。
とは言っても、休むことはあまりない(特に船頭が休むと船が動かない)ため、欠員はあまりないでゴザル。
欠員がないときは、船員5名+補助員1名で漁に出るでゴザル。6月〜11月の本操業は、ベテランの方でも大変なので補助員の頑張りが期待されているでゴザル。
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