第2話 ゲームの始まり

 次の日学校に着き教室に向かうと、尼崎、九重の二人がすでに一つの机に集まっていた。


「おっようやくきたなぁ、ちょうどいまゲームのこと話してたんだよ」


「本当にやるんだ……」


 表面上では、あまり嫌そうにはしなかったが、内面嫌で嫌でしょうがない。


「お前らなに話してるんだよ!」


 後ろから省吾が僕の背中に飛びついてきた。


「俺な昨日あの話したあと、RINEで友達承認送ったよ、そしたら承認OKだったよ、まぁまだ一言二言しか会話してないけど」


 RINEとは、世界的に有名なメッセージ交換アプリである。さすが省吾早速行動が速い、それと比べ僕は乗り気ではない。しかし、告白ゲームがこの時間をもって正式にはじまった。


 1年生ということもあって授業量が多く今日は7時間授業であった。尼崎と九重はなにかやることがあるといって先に帰ってしまったが、僕と省吾の二人は残ってこれからの作戦会議を開くことにした。


「なぁ省吾本当に告白するつもりなの?」


「やっぱ、お前やりたくないんだろう」


 省吾は僕の気持ちを見透かしていた。


「う……ん……」


 省吾は笑いながら、


「絶対に優がこんなのやりたいと思うわけないと思ったよ、だって昨日の嫌々OKしてたし、まぁあいつら二人は空気読まない奴きらいだからあの状況じゃあしょうがないけど……。そっか、優はやりたくないのか……」


 省吾は僕が告白ゲームにやる気がないことを知ると、なにかたくらんでいるのか、にやにやしながら僕の背後に近寄ってきて、僕の肩に手を回した。


「なぁ、優お前告白する気ないんだったら、俺の手伝いをしてくれない?」

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