第85話 スタンピートについて…

「まず2人は……“レノ”のこと——当然覚えてるっスよね?」


「ああ……忘れてないよ。ちゃんと覚えてる」

「寧ろ、忘れるなんて無理! 忘れられるはずないでしょ!」



 シュレインは『スタンピート』について語り始めた——


 しかし……その説明の冒頭で、何故か話に上がったのは【レノ】という人物だ。


 レノから命を狙われ、大型飛竜種イグニスのヘイトを移されたのは、つい昨日のこと——アインとレリアーレは自身の命が脅かされた苦い記憶から、冗談混じりのシュレインの「覚えてる?」との発言に顔が強張り渋い反応を見せる。

 そんな彼(レノ)の存在浮上は、2人にとって無理解であり、不快でもある一方……この状況で、レノの話が上がるのには何か理由があるはずだ。したがって、表情こそ顰めたが、一言シュレインに対しての頷きに類似した言葉を漏らすと、それ以上の発言を控えて彼の喋りに耳を傾け続けた。


 そして……



「実は、僕——気絶した彼(レノ)の護送中……一瞬の隙に『とある魔道具』を起動させられたっス」


「「……魔道具?」」


「——そうっス。で、その魔道具——あろう事か、レノに噛み潰されちゃって、もうバラバラ〜〜」


「——え?! それって……粉々に壊れたってこと——? それだと、魔道具の効果は壊れちゃうし、効果自体分からなくなるわよね?」


「ほほ〜お……いやはや、さすが魔法職のレリアーレっス。魔道具のことは良くご存知なようで……」



 ついで話に上がったのは『魔道具』についてだ——シュレインはうっかり起動させられた昨日の出来事を簡素に語る。その最中、『魔道具を噛み潰されて』との部分にレリアーレが大いに反応を示した。『魔道具』とは——その名の通り、魔法を付与する道具のこと……魔法を扱う人間であれば、知識としてそのメカニズムも多少は身につく。したがって“光魔法の使い手”レリアーレは当然知っていた。



《魔道具は傷付き割れてしまうと内包する力が正しく発動しない。それどころか、どんな効果が付与されていたかすら判別が難しくなってしまう》



 と言う事を——



「レリアーレの言う通り、魔道具は壊れると効果が分かり辛くなるっス——でも、内包する微かな魔力の残滓を拾って、大まかな効果内容を知れないか——ちょっと解析してもらったっスよ——この子に……」



 シュレインはこの時——隣の少女を指差して語る。魔道具解析はムースが担当したらしく、ぐで〜と椅子にもたれた姿とは魔道具解析の強行による徹夜が原因だった。



「で——その肝心の効果……なんと、判明したっス!」


「え!? 壊れた魔道具の効果を判明させるって……それ、本当!?」

「……ん? 何、それってそんなにすごい事なの?」

「当然よ! 魔道具は傷ついただけでも、その綻びから内包する魔力と魔法陣が溢れ落ちるの。砕かれてしまった魔道具となると最早残滓と言っても露ほども魔力は残っていなかったはず——それを拾って紐解くなんて、相当なことよ!!」

「……へ、へぇ〜〜そうなんだぁ……」

「そうなのよ! アイン!! もっと驚きなさいよ!!」

「む……無理言わないでくれ……君じゃあるまいし……」



 ムースの活躍により魔道具の解析は成功した。この事実を耳を疑ってかレリアーレは興奮して浮き立って見せるが……隣のアインはと言うと、そんな彼女に「すごいの?」と聞き返した為に、魔法大好きレリアーレのマニア心に触れたのか——熱心に語りだす。ただ、アインはこれに若干引いた。



「ははは……まぁ〜〜僕の部下は優秀っスから〜〜!」



 そしてシュレインはそんなレリアーレの反応に、部下が褒められた事実を自分の事のように高らかと嬉しそうに話す。

 しかし、その最中——隣に座る件の優秀な部下の頭を、シュレインは……


 ペムッペムッペムッ——!


 と叩くが、正気でない彼女はシュレインの手の衝撃に合わせ……


「…ウッ…ウッ…ウッ——!」


 と、唸っている。少し、かわいそうな光景だ。


 

「まぁ……解析した〜と言っても、彼女(ムース)は微かな残滓を拾っただけであって、100%の確証がある訳じゃないっス! ムースの分析結果と状況証拠……あとは僕の推理を元に導き出された、ほとんど予想に近いモノっスけど……可能性は高いんじゃないかと確信してるっス! で、肝心の魔道具効果っスけど……」


「「ゴクリッ」」


「……なんだと、思うっスかぁ〜〜?」


「な……なんで、焦らす? 時間なかったんじゃないのかい……シュレイン君?」

「——ッ! も、もったいぶらないでよ! シュンちん!」


「ははは……これぐらいご愛嬌っスよ! てか……レリアーレは、僕のこと“シュンちん”呼び確定なんスか?!」


 

 肝心の魔道具の効果だが……シュレインの焦らして答えをチラつかせる反応にはアインとレリアーレは少し、ムッ——としてしまう。

 『スタンピート』という大問題が控えてる手前……このような、おふざけに近い態度を取られれば、誰しも怒るのは当然である。

 今の彼からはまるで『スタンピート』を歯牙にもかけていないのか——それとも、スタンピー危機トを容易く払い除けるだけの秘策でもありそうな——そんな雰囲気を放っていた。

 アインとレリアーレを取り巻く幾つもの不理解とは、その内の筆頭にはきっと……そんなシュレインも含まれてそうである一時だ。



「まぁ……いいっス。で、肝心の効果なんすけど……レノの起動した事象は、おそらく『信号』っス」


「「信号?」」


「離れた位置に電魔法による反応を飛ばす——『電気信号』ってヤツらしいっスね。僕もイマイチよく分かってないっスけど……そういうのができるみたいっス。ムースの解析結果では、魔道具に微弱に雷魔法の魔力が残ってたらしいっス。で、僕の推理と照らし合わせた結果……そう結論付けたって訳で……」


「でも……それって、『スタンピート』となんの関係があるのよ」


「ああ……まぁ、そう思うのもムリないっスね」



 明かされた魔道具効果とは『電気信号』——それは、離れた位置に微弱な雷の魔力の波を飛ばすと言ったモノだ。これにより、何ができるのか全く想像がつかない訳だが……それが分からない一方で、さらに謎なのが……それがどう『スタンピート』と結びつくのかだ。当然、そこを疑問視する声がレリアーレより上がる。


 すると……



「ときに、お2人方……『魔物避けの鈴』という魔道具はご存知っスか?」



 シュレインからは、さらなる別の魔道具の話題が浮上した。



「ん〜〜まぁ、知ってはいるよ。アレだろ、御者や商人が良く使う魔物を寄せ付けないって言う鈴のことだろ?」

「正確には、魔物の嫌がる波長を音に乗せて周囲に解き放つ“土魔法”の魔力を編み込んで作り出す魔道具ね。人にとっては、単なる鈴の音色でも、魔物にとっては爆音の“いびき”や“歯軋り”みたいに聞こえるそうよ」

「おお! さすがリア。物知りだ」

「これぐらい当然——魔法使いにとっては常識よ!」



 【魔物避けの鈴】だが……アインとレリアーレはこれについては知っていた。そして肝心の効果はレリアーレの語った通り——



「“魔物避けの鈴”っスけど、効果は今彼女が言った通り……魔物の嫌がる音を発して遠ざける魔道具……そうっスね?」


「うん……それで、その鈴がどうしたって言うんだシュレイン君? さっきの『でんきしんごう』? の魔道具についても、詳しい関係性の説明はまだだけど……」



 ただシュレインは、レノの所持していた【電気信号】の魔道具を忘れてしまったかのように、突如【魔物避けの鈴】と言った別の魔道具の話をした。

 

 一体これがなんだと言うのか——この疑問についてはアインの口から放たれた。



 だが……次のシュレインの一言で……




「じゃあ……『もしも』——」




2人は気づきを得ることになる。




「——『魔物避けの鈴』の効果を反転させたら……どうなるっスかね?」



 そう……この一言で……



「——反転? それってつまり……」

「——避けるじゃなくて……」

「その反対だから……?」

「引き寄せる。いや……誘導——ッあ!!」

「魔物を呼ぶ——ッ!?」



「ふふふ……ようやく、気づいたようっスね」



「「って事か!!」」



 アインとレリアーレは真実への軌跡を、交互に読み合って言葉を綴れば、2人の声量は答えに近づくにつれ高々と——やがては叫びを上げ『スタンピート』へと思考はたどり着く。


 すると……



「さっき言った『電気信号』の魔道具とは、一種の『起動装置』——これを起動する事で、何処か離れた位置に存在する“魔物を呼ぶ魔道具”……まぁ〜言いずらいんで『魔呼マコ』とでも呼ぶっスかね? これに信号が飛び魔道具が起動する——ウチの“諜報君”が先行して魔物の変な動きを確認したっスから、まず魔物を呼びつけるか、これと類似した魔道具が存在しているのは間違いないっスね」



 シュレインは答えに行き着いたであろう2人を確認すると……細かい補足を入れる。



「ほんとレノはとんでもないことしてくれて……気づくのが遅くなれば大変だったっスよ。噛み砕いたのは、発見を遅らせて僕を困らせようとの意趣晴らしのつもりだったってとこっスかね〜〜?」



 ここまで、一見バラバラだったと思われる話題の数々は、この補足が差し込まれた事によって、ついに全てが合致したのだ。



「シュレイン君……その『魔呼』とやらは、見つかっているのかい?」


「いや……残念な事にまだ。今はウチのチームメンバーの“諜報君”と“隊長補佐官ちゃん”が必死に探してるっスけど、これがなかなか難しいってヤツなんス。ここいらの地形って複雑で、魔物の動きから場所を特定するのに難航してるっスよ」


「——ッ……そう、なんだ……」



 しかし……答えに行き着いても……


 再び放ったアインの質問にシュレインは眉間に皺を寄せて首を振っては問題打開の難航を示す。これにアインは視線をテーブルに落として意味のない頷きを一言返すことしかできなかった。



「それに、『魔呼』の場所っスけど……特定が難しい理由にはもう一つ問題があって……」


「「……え?」」


「——飛竜種イグニス……」


「「——ッ!?」」


イグニスアイツがカエちゃんに倒されてしまったのも問題っスね」



 現在、シュレインの手引きで魔物呼びの魔道具……通称『魔呼』は捜索中である。だが……起動中の魔道具というものは、本来簡単に見つけることができる。それは、起動によって霧散する魔力を追えばいいだけの話であって、魔法に精通するものならば誰だってできることだった。


 しかし……今回の場合——


 魔物とはその体内に一定の魔力を宿しているのだが、魔物共が跋扈する事で——彼らの内包する魔力によって感知が難しい状況にあった。それに加えて、今の時期は魔物の繁殖期……よって尚のこと難儀な状況が捜索者に突きつけられることになる。

 したがって……捜索方法としては、魔物の移動や動きをよく観察すること——そうすることで、魔物の動きの複数のデータを参照して共通点を導きだし、捜索範囲を絞るしかない。


 それに伴って、もう1つ懸念材料が……


 イグニスが倒された実情——


 これにより、魔物のテリトリーがひしめき合う真ん中で、突如——脅威がポッカリと消えたエリアができてしまった。すると、イグニスの脅威に追いやられていた魔物の群が、その穴から抜けてくる。これによって、予想外の魔物の流れができてしまい、魔道具の発見に影響を及ぼしていたのだ。



「因みに、竜を倒したカエちゃんを責めたりはしないっスよ。僕自身、これは予想外だったっスから、彼女を責めるのはお門違い……それに仮にカエちゃんが倒さなくとも、僕が倒していた可能性もあったっスからね。だから君たちも気負う必要はないっスよ」


「「…………」」



 ただ……『イグニス討伐』という事実は、アインとレリアーレにも大いに関係があった。だからか、2人は命を脅かす要因となった件の飛竜の姿を思い出し、その表情には怪訝が張り付く。自分達の責任で、命の恩人である彼女にも責任が向かってしまうのでは——と……


 行く当てのない罪悪感が2人にのしかかっていたのだ。


 シュレインは、そんな2人を見兼ねてフォローを入れるも……それでも表情に回復の兆しを見せない。


 これに我慢ならなかったのか……



「まったく——そんな過ぎた事をクヨクヨしてる暇なんてないっスよ!」


「「——ッ!」」



 シュレインは語気を強めて、アインとレリアーレを叱責する。


 続けて……



「僕たちに求められるのは『魔呼』が発見されて、その機能停止させるまでの間——このエル・ダルートでスタンピート防衛戦をしなくちゃならないっス。魔物の群はエル・ダルートを目掛けて進行中。街に到着するのは予想では明後日の早朝。もう猶予はないっス!」


「——明後日? 2日後……?」

「——もう、すぐじゃない……」



 早口に今後の方針を語りだす。魔物の到着まであと2日。猶予は殆ど残されていない。



「今、このエル・ダルートはベテラン冒険者が殆どいないっス。現状トップをはってた男は捕獲しちゃったし、ギルド室長も確保——頭のいな〜いもぬけの殻。仕方ないんで現状は僕が取りまとめてるっスけど……冒険者はB級パーティーが数組と残りC以下——だから、唯一A級である君たちには期待してるっス!」


「「…………」」



 だが……叱責を受け落ち込む2人に、シュレインは期待を寄せているのだ。



「さっきは気負うなと言ったっスけど、落ち込む気持ちはよく分かるっス。だって、僕だって油断……してた訳じゃないっスけど……魔道具起動されちゃってるっスからね! 責任感じているならここは一つ、クヨクヨするために時間を使うんじゃなく未来で挽回しようじゃないっスか!」


「——ッ……未来で挽回か……そうだよな。俺どうかしてたな」

「……うん……私も、いつまでもクヨクヨして助けられてばかりじゃいられないわ」



 過去を嘆き反省するのも大事だが、人はその失敗を糧に未来に生かさなければ、過去に取り残されるだけのただの愚者——

 だから……シュレインの『未来』との発言から、2人は過去に取り残される事をやめて、未来を思い、その瞳に輝きが戻り始めるのだ。



「だから、2人とも……僕に協力してくれないっスか?」


「当然だ。協力させてもらうよシュレイン君!」

「やってやるわよ! 私の力見せてあげるんだから!」


「お2人ともその調子っスよ! 協力感謝っス!」



 そんな希望を取り戻した2人に満足したシュレインは、ニカッ——と笑うと親指を立てて拳を前へと突き刺す。

 



 もう、この2人なら大丈夫であろう。そう……シュレイは感じていたからのポーズである。





 そして……





「じゃあ、もう時期会議の準備が整うと思うっスから……続きの話はそこで……」



 会話を始めて20分弱。一体、区切りをつけるには頃合い。



 シュレインは希望を取り戻した2人に満足し、会議準備の進捗でも聞きに行こうと、腰を持ち上げるべく机に両手をつこうとした。



 ただ……その時——



「シュンちん! ムリなのぉぉおお!!」


「「「——ッ!?」」」



 シュレインの隣——意識がはっきりしているのか謎の1人の娘が突然声を荒げた。



「……シュンちんッ! ……無理やりッ! ……ムリなの……入らないの! これ以上……したくないの……ううぅぅ……!」



 またしても……ムースはとんでもない譫言を、先ほどよりも大きな声で呟いた。それも、うなされながらも明らかに興奮が伺える反応だ。



 しかし……これについて誰かが何かを言う前に……



——スパァァァーーーーッン!!



 と——シュレインが、ノウルックで隣の彼女の頭を思いっきり平手で叩き散らした。目の前に居たアインとレリアーレが、ギョッ——として驚く。


 これには、流石に……



「——ッッ痛ャァア!! ッな、ッなに、すんじゃぁあ!! ワレぇええーーなの!!!!」



 たまらず、ブチ切れムースが叫びと共に目を覚ます。



「やぁ〜バッドモーニング、ム〜スちゃ〜ん。目を覚ましたっスか〜〜?」

「——ッ?! シュンちん?? おはよう……なの?? あれ? 私……今、ナニしてたの??」



 だが、次の瞬間にはシュレインは張り付いた笑顔のまま挨拶を口にする——これを目撃したムースは、つい面食らってしまい彼女の顔と脳裏には疑問が必然として張り付く。



譫言うわごとをブツブツと——魘されてたみたいっスけど〜〜君、ど〜〜んな『夢』見てたんっスかね〜〜?」

「……ッえ? 夢??!!」



 続けてシュレインは、ムースの先ほどまでの状態を彼女自身に聞かせる。この時、なぜ彼がそんな事をするのかは理解に苦しむ場面だが——聞かされた彼女は、まだ寝ぼけているのか、状況を全く飲み込めていない。



「え〜〜と、私……今、仕事をやらされてて……」

「……ん? それは、やらされてたっスか〜〜?」

「はへ? え〜〜とぉ〜〜……」



 そして寝ぼけたムースより、ナニかの言葉を引き出すかのようにシュレインは語りかける。


 すると……



「シュンちんが……嫌がる私に……無理やり……仕事を……?」

「うん——それはつまり……」



 ここで、ようやく求めていた言葉を引き出したシュレイン。盛大に顔を綻ばせ次の瞬間には高らかに声を張り上げる。



「ムース? 君は“夢の中”で——無理やり! 『ムリなの! 入らないの! これ以上したくないの!』って——叫んでいたんじゃないっスか? あくまで“ユ・メ・の・な・か”——で!!」



 シュレインは、先ほどの“魘されムース”が叫び散らかしたセリフの足りない箇所をまるで穴埋めするかのように言葉を発した。それもよっぽど大切なことなのか『夢の中』との部分を2度も高々と強調して喋っている。

 これに対し、ムースは「はて?」といったように首を、コテンッ——と傾げ、数秒考えるそぶりを見せると……



「う〜〜ん?? 確かに……そんな気がぁ……するような……気がするの?」



 と——呟く。これにシュレイン——



「ムース証言ありがとうっス……………ッて、事でぇぇーーース!! 皆さぁああああーーーん!! 僕は、無実ッスぅぅぅぅううううう!!!!」



 声を大にして叫ぶ。それはもう……ギルドの吹き抜けとなったエントランスホール一杯に響き渡らす程に——


 いつの間にやら、周りに居た冒険者、受付嬢の面々は『スタンピート』という脅威を一旦忘れてしまったんじゃないかというように足を止め……シュレインに対して突き刺す視線を飛ばしていた。それはもう、まるで蛆虫でも見るような——はたまた、汚いゴミやドブでも見つめるような——そんな視線が……


 だからか——そんな少女達の蔑視する姿に、シュレインは大慌てで自身の無実を証明して見せた瞬間だった。



「ねぇ……アイン? スタンピート……本当に起こるのよね?」

「う〜〜ん……おそらく……たぶん……」



 この時——一部始終を目撃していたアインとレリアーレには困惑の色が伺えた。



 緊張感の無い一幕に——


 

 そして、立ち止まって射殺さんと見つめ続ける少女、お姉さん方——



 これで、本当に『スタンピート』が発生しているのか? と——





 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る