第48話 頓挫する方針

「待ちなさい!! あなたが、ギルドに現れた黒外套なのでしょ!?」

「ええ……本当に!? 間違いじゃなくて?」

「黒い外套……2人の……少女……聞いた話、一致しているの……」



 カエとフィーシアは、再び路地の細い通路を走って居た。


 それと言うのも、ミューリスと別れてから、エル・ダルートの街中央に位置する市場を目指そうとしたところ……最初の角を曲がったところで、現在絶賛鬼ごっこ中の女性3人組と鉢合わせ——そのまま今に至っている。



「黒外套が何かは、存じ上げませんが〜〜人違いでは? 私〜ギルド〜とか〜よくわからないです〜〜!!」


「そんな訳ないでしょ! 人違いなら、何で逃げているのよ!! 心当たりがあるからでしょ!?」


「——ッチ……通用しないか……」



 今、追って来ている人物は、長剣……長槍……杖とローブ……等々、装備品を見る限り、RPGのパーティーを彷彿とさせる出立の面々——おおかた、冒険者であろう。

 おそらくだが、ギルドでの一幕“強請られた件”と関与した者達であるのが予想される。

 直接の関与は強請り女(確か【レミュ】、【へリス】と名乗った2人組)であり、その裏にはギルド……厳密にはこの街のギルド支部に異動して来た“室長”なる人物が居る。コレは、ギルド受付嬢シェリーの話しから判明した事実だ。


 現在、追って来ているのは今挙げた強請り女とは別の人物達。しかも、カエはその3人組とはまったくの面識がなかった。


 試しにフィーシアにも聞いてみたが……



「……記憶にありません。ギルドでも、あの様な者達は居なかったと思われます」



 彼女も記憶には無かったそうだ。


 フィーシアはそういうところ、記憶力が驚異的なのだが……そんな彼女が、こう言っているのなら、初めて会った人物ということになる。

 追って来ている3人のセリフを拾う限りでも、“黒外套”云々を言伝にでも聞いた感じが伝わってくる。

 つまり、この者達は強請り女との関係者……顔が広いと言っていた一部の人物という事なのだろうか——? 


 だとするのなら、一体何用で追い掛けて来るのか……? 


 大体予想は付くが……そこのところの理由を明確にはしておく必要がある。



「……あの〜〜? 何で追いかけて来るんですかーー? 追われている理由に身に覚えが、無いんですが〜〜!!」


「あなたそれ……本気で言っているの!? C級冒険者のレミュが言っていたのよ! 黒外套の少女の2人組が“竜の鱗”を盗んで生意気な態度を取った挙句、逃亡したって……!!」


「ナンダそれ? うわぁ……尾ひれ背びれが、ピッチピチ……」


「だから! 貴方達を捕まえて憲兵に突き出してやるんだから!! でも、その前に“竜の鱗”を元の持ち主に返させて、彼女の前で謝って貰うわ!!」


「…………」


 “竜の鱗”を強請り取られそうになったのはコチラだと言うのに……何故か黒外套少女(カエ達)が盗んだ事になっている。

 

 昨日に引き続き、今日になってからも相変わらず……ツイてない。



 変態に来襲され……


 2度に渡って追い掛け回され……


 挙句、前日の事件の被害者を加害者と書き換えられ……



 持ち越され——



 転生してからの不幸の降りかかり具合がどうかしてしまっている。


 カエ達はこの街を訪れてから、ロクな目に合っていなかった。いい加減、女神ルーナはこのカエの不幸体質にテコ入れしてくれないだろうか——?

 と思いつつも、「どうせ“加護”が事の呪いの原因だ!!」と思い込んでいるカエは……この時、思いとは別に心の中で神を呪い返していたという。

 

 だが……


 そんな事をしても、ただの現実逃避で虚しいだけだ。結局、現状を打破しなくてはいけないのはカエ自身——



 よって、カエは走りながらも3人組を回避する考えを巡らす。



「あの者達……マスターを盗人呼ばわり——◯◯しますねマスター?」


「いや……ダメでしょ!? そんな事したら更に立場が悪くなる!」


「……………了解しました」


「本当に了解したの? なら、いいんだけど——とにかく、追っ手を撒くなら……変態(アイン)を撒いたみたいに、また【迷彩】を起動したいなぁ〜」


「はい——ですが、それだと問題が1つ……」


「うん……分かってる」



 今回も追っ手を撒くにあたって、先ほども使用した方法……相手の視線が外れたタイミングで高所に飛んで【光学迷彩】。

 一見、同じ手段を講じるだけでいい様にも思える状況だ。


 しかし……そこには安易にこの方法に踏み入れない理由があった。



「——ッ!? ……ちょぉおっと——ごめんなさーーーい!!」


「——ッうわぁあ!? 何じゃいきなり!! コラァアーー嬢ちゃん、こんな狭い通路を走ったら危ないじゃろーー!!」


「ごめんなさーーい! お爺さーーーーん!!」



 今いる路地の通路は、今朝宿を出た頃と比べて辺りはすっかり明るくなり始めていた。するとたとえ路地裏の目立たない場所と言えど……人の通りがちらほらと現れる様になる。

 今し方も、カエは建物の扉から姿を現した老人と衝突してしまいそうな、危なげな場面に直面した。

 これでは先程の案を実行するには、些か時間が経ち過ぎてしまっている。秘密(光学迷彩)を見られたく無いカエにとっては、おいそれと迷彩を起動できずにいた。



「ちょっと……ハアハア……待ちなさいったら……」

「あの子達速いわね——ちっとも追いつけないのだけど……」

「私たち、コレでも現役の冒険者なのに……あの外套女、本当に一般人!? そう聞いているのだけど……ハアハア……」

「それだけじゃないの……あなた最近……甘い物食べ過ぎ……おそらく、太ったの……運動不足、故……なの」

「——ッな……何ですってーーー!!」

「本当の事を〜♪ 言ったまで〜♪ なの〜♪」

「ちょっと、喧嘩しないでよ」



 あれから暫く、路地を走り続けているが、追っ手3人組は、器用に揉み合いながらも執拗に追い掛けて来ている。かなり諦めが悪い……

 あの調子の連中には間違っても追いつかれることはないだろう。であるなら、このまま流して走り続け、諦めてくれるまでこの状況に付き合ってあげても吝かではないと感じている。

 

 時間は掛かってしまうが、その手段で撒こうか……と……



 考えていた。その時だ——





「…………ッあ……か———カエちゃーーーん! 見つけたーーーぁあ!!」



「——ッ!? うわぁ……」



 通路前方より、叫び声と共にコチラに猛スピードで走って来る男の姿が、カエ達の瞳に飛び込んできたのだ。

 

 朝一で撒いた筈のA級冒険者——変態男 (アイン)……撒いたはずが、路地を回りまわって、正面に回り込まれてしまった。カエ達には最悪なタイミングでの鉢合わせである。


 つまり、今の状況は——


 背後から女冒険者3人組……


 前方を通り魔告白男アイン……


 ついでに今走る通路は、脇道1つすらない一本道……


 完全なる挟み撃ちの構図。最悪の状況が出来上がってしまったという事だった。



 しかし……



 一見、救いがない様に見えるこの状況。



「………いかがいたしますか、マスター……もう手段は選んでいる場合では……」


「うーむ——ッ……いや……寧ろ、好都合! ここは私に任せて!」


「——ッ!? マスターには名案が……!? 分かりました。では、マスターを信じます」



 カエは、1つの案が脳裏に浮かび、思わず不敵な笑みを浮かべる。



「それじゃ……フィーはそのままのスピードを維持! 私は……ちょっと先に行って来る!」


「了解しました——お気をつけてマスター」



 そうフィーシアに言い残すとカエは有ろう事か、前方からコチラへ向かって来ている男に対し狼狽えるでも無く、寧ろ更に速度を上げ——加速した。



「……ッん? って——ウソぉお!!?」



 すると、こちらへ駆けて来るアインは、その驚異的な速さに一瞬で度肝を抜かれ、明らかな驚愕が表情に張り付いて見せた。

 凡そ30メートルは有ろうかという距離を僅か一刹那の間でもって接敵を許してしまったのだ。彼が驚くのもムリはない。

 また、その目の当たりにしたカエの本気は……今朝の『追いかけっこ』の一幕では、彼女が全く本気を出していなかった真実をアインへと物語った。


 アインは、この事実——この経験で……驚愕と共に“悔しさ”に駆られることだろう。


 しかし、そんな感情が彼の中に芽生える間もなく……アインは更に、ヒヤッ——とする体験をする事となる。


 何故なら、眼の前に迫ったはずの彼女が、視界から突如として消えたのだ。



「——ッ!?」



 すると、アインは彼女の姿を探す隙もなく——次の瞬間には、視界が旋転……景色が激しく回転を始めた。


 いや……正確には、この時……


 

 回っているのは、決して景色なんかではなかった。




 それは……彼の方——であったのだと……忽ち気づく。




 カエがアインに急接近を果たしたのち、彼にぶつかるかという直前——と言っても、5メートル程の距離に差し掛かった段階だろうか……? カエはその位置で勢いを殺さないまま、素早く屈んだのだ。

 そして屈む動作に加え、体を捻る。そのまま遠心力を利用しつつ片方の足を伸ばすと……長く伸びた脚は地面を滑りながら、そのままアインの足を思い切り刈り取って見せたのだ。



「ッうぇえ——!?」



 足を刈られてしまった事でバランスを崩したアインは、跳ね上がると路地裏の石畳目掛け顔面から崩れ落ちていく。



「……ックゥ!!」 



 だが、そこは流石A級冒険者といったところか……すかさず、手を前のめりそのまま見事な受け身の行動を取る事で大勢を立て直そうとする。

 

 だが……


 彼は見事に受け身を取ったかに思えたが、勢いが有り余っているセイで、全く止まる気配がない。

 それに、通路が微妙に湾曲していたのもあってか、一度、二度と、身体が回転を繰り返し、やがて……



——ッガシャアアアァァァーーーーーン!!!!



 アインは、路地通路の脇に置かれていた木箱の山へと突っ込んだ。



「——ッうし! 狙い通り!!」



 カエが取った行動……それは、“ただ”変態(アイン)の足を引っ掛け転ばせた“だけ”の事だった。

 しかし、そこで執り行われた行動には、決して“ただ”や“だけ”——とでは説明が付かないような高等なテクニックが使用されていたりする。


 まず、常人ではあり得ない程の疾走速度の加速……


 そこから、目視できない程の高速で屈むと共に相手の視線を外し……


 体を回転させ、転ばす対象の足目掛け丁度のタイミングで足を刈る。

 

 それも、相手の足が今まさに地面に触れるか——といった絶対に回避不可能な絶妙なタイミングのドンピシャを狙って……


 ただ、『嫌いな相手を転ばせる』といった低次元の行為に使用するには、不釣り合い——能力の無駄使いである。


 これが、僅か数秒の間に起こった事実……何ともくだらない一刹那であった。



「………ッイ……イ、タタタ——やられた。だが、流石としか言いようがないね……俺が惚れただけのことは有るという訳だ」



 木箱の山に突っ込んだアインは、その後直ぐに瓦礫の中より這い出て姿を現す。本人は痛がる素振りは見せるものの、その姿は目立った外傷はなく、無事であった。

 

 結構な勢いで木箱に突進していたが、無駄に頑丈な男である。


 だが、カエは強いてアインに怪我を負わせたい訳ではなかったので、彼の状態には満足であった。

 そして……アインの無事を確認すると、カエは這い出してきたばかりのアインに近づいて行く。

 一見その行為はこの後、アインに手を差し出して『大丈夫?』とでも言いながら起こしてあげる場面にも見える。


 しかし……変態に対してカエがそんな事をする訳が無く——


 そこには、カエの思惑あっての明確な目的があったのだ。



「あれぇ〜〜! あなたは〜〜もしかして、A級冒険者……え〜と? 清竜……の……涙? ……そう! 【清竜の涙】の“アイン様”ではないですかぁあ〜〜!」


「——ッ!? ッぇえ——? カエちゃん?? 君は……何を言って……」



 そして、カエはアインを指差し、声を大にして彼の肩書きを言い放った。すると、路地の狭い通路には声が反響し響き渡る。

 アインは何故……彼女が、その様な行動を取ったか全く想像につかず。地にふしたまま頭の上に疑問符をつけたかの様な表情を浮かべている。

 

 だが……


 カエの行動の謎は、声を上げてから僅か数秒で判明する事に……



「ぜぇーぜぇー……え? アイン? 清竜の涙? A級——?」

「噂でこの街に来てるとは聞いたけど……じゃぁ、彼が……?!」

「有名人……なの?」



 そこへ追いついて来た3人の娘が、反響する声を拾い大いに反応したのだ。



「ええ!? 本物!? あのアイン様なのですか!?」


「——ッん!? あ、あぁ……え〜とぉ〜……」


「私、大ファンです! 握手してください!!」

「なに抜け駆けしてるのよ! 私も握手良いですか?」

「サイン……貰った……方が……いいの?」



 そして、男を中心に取り囲む。


 既に、彼女らの頭の中から黒外套の少女の事など抜け落ちているかの反応だ。



「ちょ……カエちゃーーん!? これって……どういう……こと……?」


「ふふふ……その人達の相手、よろしくお願いしますね〜〜! それではぁ〜〜アディオス!!」


「——ッえ! 嘘——まっ、て……?!」



 そして、追跡者の彼女達をアインに押し付け、カエとフィーシアはその場を後にする。


 カエが取った行動の発端……それは昨日の、ギルドでの出来事を想起してのものだった。


 あの場を逃げ出せたのは、アイン目掛けて女性が殺到した事により、カエに向く意識が消えたからである。

 その情景を思い出したカエは、例えこの男が変態で自分に取って嫌悪の対象であったとしても……大多数の者、特に“女性達”からは絶大な人気がある事は疑う余地もない。


 そこで、考え付いたのが——追っ手をアインに擦り付ける方法だったという訳だ。


 フィーシアの話だと追っ手の3人は、ギルドで絡まれた時にはその場に居合わせていなかったそうだ。

 よって、そんな彼女らの前に巷で有名な冒険者(スーパースター)を差し出せばどうだろう……

 もし、昨日のカオスな現場に居たのであれば、A級冒険者様に対して新鮮みは感じずらかったのだろうが……“初”であるならば、女性であれば十中八九飛び付く——と踏んだのだ。


 

 そして、結果はご覧の通り……アインが取り囲まれる構図を作り出すに成功した。


 急な加速によって、カエに備わる力の一端をアインに見せてしまったが、迷彩を目撃されるよりは何倍もマシだ。それに、彼は今……女の子に囲まれてそれどころではない様子……


 なら……これ以上関わるのは野暮と言うやつだ。


 あとは、4人で仲良くやってもらおう——と、カエとフィーシアはその場を後にした。







 そして——



 どうにか……こうにか……追跡者を撒いたまでは良かった。



 だが……



 その後もカエ達は、なかなか中央の大市場まで辿り着けずにいた。


 それというのは、道中——冒険者と思しき者達を目撃してしまったからである。

 それが、ただの善良な冒険者なら良いのだ。しかし、その者達は誰しも当たりをキョロキョロ……おまけに道行く人に聞き込みをしつつ行動する様子が確認できる。

 それも冒険とは無縁そうな路地裏を——だ。されに言えば、それが1人、2人程度ではなく——“数組”にも亘って……

 

 まるで……誰かを探しているかの様に……カエには写って見えてしまった。


 一概には、この者達が“黒外套”なる人物の捜索者とは明確となっていない。しかし、先の事もあってからか、用心に越した事はないと、カエはこの様な怪しげな行動を取る冒険者を避ける傾向を見せつつ——時には迷彩を使って、路地裏の迷路を右往左往……


 それだからか……暫くそんなことを続けていては、無駄に時間を浪費するだけ——


 それでも目的地に辿り着ければ、まだ良い方で……結果は、街の中心部に行くどころか、外へ……外へ……と追いやられるかのように移動する羽目に……


 気付けば、エル・ダルートの玄関口——倉庫広場へとやって来てしまっていた。


 カエ、フィーシアはその広場の中でも、高く積み重なった荷箱の山の影……一際目立たない場所を見つけ、手頃な木箱を椅子代わりに並んで座っていた。

 そして、すっかり疲れ果ててしまったカエは、木箱の影場からでも望むことの可能な高く聳え立つ堅牢な門扉を、ただただ目的も無しに、ジィ——っと見つめている。

 太陽の日も既に真上に上がり……燦々と、そんなカエ達を照らしている。それはまるで、悪戯に時間が過ぎ去った実感をカエに突き付けているかの様である。



「どうして、こうなったかなぁ〜? 今日やりたかったことの、端にも触れてないっていうのに……あれだけ、路地を冒険者が彷徨いていたなら、絶対ギルド付近の市場なんて、もっとウロってるだろうなぁ〜〜」



 そんな、日差しに苛立ちを覚えるも、むしゃくしゃの捌け口はこの場には存在しない。そもそも、それを表に出す気力すらも早朝の鬼ごっこに奪い取られ……カエはただ状況説明を読み上げるだけの人形となっている。



「僭越ながらマスター……こうなってしまっては、一度宿に戻り、初めから方針を考え直すべきかと……場合によっては、早急にこの街を出るべきだと提案致します。この街は些かきな臭いですし、奸邪な者も見受けられる。ここは、マスターが日々を過ごすのに相応しくないです」



 そんな主の様相を目の当たりにしてか……すぐ隣りのフィーシアから、提案が投げ掛けられる。

 この街がカエに相応しいかどうかは置いておくとして……フィーシアが述べた案は、話し合った方針の中で『最悪なケースに見舞われた場合』の対象法として用意した考えの1つだ。

 確かに、これだけ冒険者が街中を彷徨き“黒外套少女”の大捜索が執り行われているなら……フィーシアからこの話が出るのは当然である。



(なんだか……昨日から、こんなのばっかりだよなぁ〜〜本当……)



 嫌な問題へと直面して、心は次第に無気力になっていく。


 正にこれは——昨日の二の舞——


 早急に諦めてしまう事は簡単な事である。しかし、できるならそんな選択は選びたくはなかった。

 カエの脳内論争は、常にそう認識あるものの……ここまで短いスパンで問題案件に直面してしまっては、流石に思考の殆どを諦めムードに傾くのは当たり前かに思えた。

 その状況に舞い込んだフィーシアからの『諦め』への提示は……この時のカエには、余程甘美に聞こえた事だろう。

 


「——フィーシア……一旦、宿に戻ろっか?」

「はい、マスター。それは正しい考えだと私も思います。ですので……悔いて責める事は決してありませんよ」

「ありがとう、フィー……慰めてくれて……」

「いえ……これも、マスターの為ですから」



 そして、心折れてしまったカエは、重い腰を木箱から下ろし……憂鬱な気持ち抱えながらも……宿へと戻ろうかと動きを見せる。



 すると……その時——



「——あれ? 君たち、ココで一体何をしているんだい?」



「——ッん? あなたは……」



 カエは、ある人物に声をかけられた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る