第5話 境目
翌朝起きて歯を磨きながらやっぱり俺って変わったよな?と思いながら口を濯ぐ。
なんでかな?メガネなんてもうしてないしチビでもデブでもなくなってる。泣きぼくろだけが残ってるくらいだな。
ひげもほとんど生えてないし、本当に若返った?んなばかな。
今日もVRだな!カプセルに入って器具を取り付けてスイッチオン!
あ。そうか宿屋から始まりだったな。延滞料を払い、宿から追い出された。こんどから一週間分くらい払っとくか。
魔法屋に行って風魔法と土魔法のオーブを買う。金貨20枚飛んでった。
ギルドに寄って。え?金出せ?おーい、ここに盗賊がいますよー!
ギルドの連中は知らんぷりかよ?
「えーと。やだ」
「てめぇ舐めてんのかこのやろう!」
と拳を出してくるのでそこに剣を置いておく。
「アダアァァァァぁ!」
「あらら、かわいそうに」
「て、てめえ!おぼえてろよ!」
「忘れるの早いからね!」
そしてやっとギルドの受付と話ができる。
「は、な、何のご用でしょうか?」
「盗賊を捕まえて首とカードを出したら報奨金がもらえるってほんと?」
「は、はい!盗賊が指名手配されてるならですが」
「これがボスっぽい人」
「ひぃ!あ、あ。ギルド長!」
奥に通される、立派な椅子だな。
「やぁ。またせたね、ギルド長のギルバートだ」
「冒険者のアキトです」
「で?ここらを根城にしてた灰色の盗賊を倒したんだって?」
「これが首ですね」
ギルド長は震える手で頭を持つと、
「ほ、本当のようだね!これでここの奴隷達を解放できるよ!ありがとう!」
全部で20の首とカードを出したら金貨を500枚もらった。
そしてこの町の奴隷商人が捕まって奴隷が解放されたらしい。売られた人はかわいそうに。
金が入ったからまた、魔法屋にいって、こんどは回復魔法と雷と氷の魔法のオーブを買う金貨200枚だった。
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アキト 二十歳
レベル154
スキル
身体強化 火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 回復魔法 雷魔法 氷魔法
ユニーク 心身同調
加護 海珠 深淵
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こんだけ覚えておけばいいだろ?使ったことないけどさ。
さて、この街も平和になったみたいだし、金もあるし、ゆっくり歩いて次の街に行くかな。
歩いていると後ろから猛スピードの馬車が走り抜けていったが、それを追いかけるウマに乗った男って盗賊かな?
走って見にいくと囲まれているようで騎士が守っている。どうみても悪者だよな。
「助け入るかー?」
「すまんが助けてくれ!」
「はーい」
ちゃんと聞かないとな。
馬を蹴飛ばして盗賊の剣を剣ではね飛ばす。騎士も加わり3人の騎士と俺で30人近い盗賊を倒した。
「ありがとう、僕はアルバート!」
「俺は旅してるアキトだ」
「そうか、アキトは次の街に行くつもりか?」
「うん。そうだよー」
「なら一緒に行こう、盗賊の報奨金ももらえるはずだからな!」
「うっす」
また盗賊の首を斬っている。そしてカードを探している。金めのものまで剥がして俺にくれるからいらないとも言えずにアイテムボックスにしまうと、
「アイテムボックス持ちか?それなら頼みたい荷物があるのだが?」
「いいですよ?」
「ありがとう。この恩は必ず」
馬車に積んである荷物をアイテムボックスに入れてそこに俺が収まると出発だ。
中には何処ぞのお嬢さんが乗っているんだろうなぁと思いながらけつの痛くない馬車に揺られて次の街に到着する。
「ここで、さっきの首とカードを出してくれるか?」
「はい!」
ゴロゴロと首を出しながらカードを渡すと、明日には金貨が用意できるとのことだった。
そして、1番奥の大きな屋敷で馬車は止まりお嬢さんが降りていく。こちらを一度も見なかったな?
俺はそのまま馬車に揺られて進んだ先で荷物を出すと任務完了!
「アキトありがとう」
「どういたしまして」
これは領主からの心付けだ。とっといてくれと、金貨1000枚はあるだろう袋が手渡された。
るんるんで街に行き魔法屋に行ってみると転移魔法が売っていたが。金貨500枚と高いが俺に買えないものはない!あれくださいと金を積んだら、おまけに生活魔法なるオーブまでもらった。
次の日と言っていたので今日は泊まることにする、こっちとあっちじゃ時間が違うからな。宿屋にチェックインして下でエールを飲む!クアー!効くねぇ!
次の日は寝ぼけ眼だったが水のある場所がわからず初めて生活魔法のウォーターを使い顔を洗った。
使えるね!生活魔法!クリーンを使ったら塩みたいな汚れがパラパラと落ちて綺麗になった!使えるね!
昨日のとこに行くと来たかと言われて詳細を話されると金貨1500枚になった。大金貨にするか?と聞かれたが金貨でいいと言ってアイテムボックスに入れる。
おどろく衛兵?を後にして魔法屋に行く。
昨日の今日なので変わり映えしないが何か面白いのはないかと探していると、探知魔法というのがあったのでそれを購入する。
魔法が使えるのはいいなぁの思いながら武器屋に寄って予備の剣を購入。また、裸で寝ることはないがあったに越したことはないからな。
さて街ブラも終わったし宿屋に一週間分の前払いをしてから部屋からログアウトする。
別に何処からでもログアウトはできるが、できるだけ安全なところでログアウトするように推奨されていたからだ。
我が愛しのカプセル型VRちゃんのメンテをして買い物に出かける。
とりあえずは栄養補給液で十分なのだが、普通の飯も食べないと体が衰えていくそうだ。ということで飯を大量に買って行く。途中重くなったのでアイテムボックスにしまう。
え?
アイテムボックスが普通に使えた?
これは大問題だ。普通に使えるなんてしれたらやばいことになるぞ?もしかして魔法も?クリーンを使ったらパラパラと汚れが落ちて来た?これはやばいだろ!
あれだ!こっちもVRなんだろ?そうだな!なわけないだろ!
タピオカを買って飲みながら椅子に座る。
はぁ、なんでだ?バグってるのかな?そうだよ!だから最初の街じゃなくて森なんかにいたんだよ!はぁ、バグじゃ仕方ないか。俺にはもうどうにもできないぞ。
この世界には魔法が使えてアイテムボックスが使えるおじさんがいますよー!!
はぁ。50過ぎると疲れが癒えないな。
って。バグって二十歳になってるのか?免許証とかどうしようか?って今から考えてもしょうがないから考えないようにしよう。
よし、帰って寝てみよう!
朝起きて鏡を見るとアバターと一緒の俺がいる。はぁ、歯を磨いて顔を洗う。
本当にどうしよう。
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