第五十九回 WEB小説家に求められる素養とは

 はじめての方はよろしくお願いします。

 お馴染みの方はようこそ懲りずにお越しいただきました、虚仮橋陣屋(こけばしじんや)でございます。


 さて第五十九回ですが、宣言どおり前回の後半にて挙がりました「WEB小説家に求められる素養とは」をテーマにお届けしたいと思います。


 では、早速お送りしますッス!




■おさらい――「24時間テ〇ビ」のエンディングで歌うアレ


 前回書きかけでした「WEBモノカキに求められる素養、素質、能力」として、こけばしはこんなものを箇条書きでまとめました。


 ・物語を書くチカラ。すなわち「物語力」

 ・作者自身を広く世間に知らしめるチカラ。すなわち「セルフプロデュース力」

 ・生み出した物語とその世界観を広めていくチカラ。すなわち「宣伝力」

 ・常に情報を発信し、注目を集めていくチカラ。すなわち「インフルエンサー力」

 ・積極的に周囲と関わり、運を引き寄せるチカラ。すなわち「招福力」


 このうち、「物語力」、「宣伝力」については、前回綴りました。



 ……ちょっと待って下さい?

 ひとつ飛ばしてるじゃないですか!!!(爆笑中)



 ああ、びっくりした。

 では、あたらめて。



■作者自身を広く世間に知らしめるチカラ、すなわち「セルフプロデュース力」


 小見出しにすれば、忘れない、ってことで。


 作者自身を広く世間に知らしめるチカラ、すなわち「セルフプロデュース力」に関しては、「宣伝力について」の時にうっかりニアミスしてしまっておりましたが(激しい後悔)、まあまあ皆さん不得手なはずです。ええ、もちろん、このこけばしも大の苦手でございますよ。


 要は、作家としての自分自身にどれほどの魅力があるのか、をどうにかして伝えないといけないワケです。その最たる例が、いわゆる「メディア露出するモノカキ」なんだと思うんですよね。


 知識人、文化人枠として、神代人代の昔から(そんな昔じゃねえだろ)モノカキがクイズ番組やらニュースやら、バラエティやらに登場することがありますけれど、あれって、究極の「セルフプロデュース」だと思うワケです。


 古くは野坂昭如。まさか、あの「剥き出しのナイフ」のごとき凶暴さを秘めたいかにもヤバいおっちゃん(失礼)が、『火垂るの墓』の作者だなどと誰が思うでしょう? まあ、こけばしも今まさに著作一覧を拝見し、ああ、これ以外はタイトル書けねえな、と思ったり(自己責任でお願いします……)。


 近年では岩井志麻子。さすがにキャッツのメイクはねえだろ、と思うのですけれど、そこはさすが異端児MXテレビであり、『5時に夢中!』であるワケでございます。誰があのキャラ付けにしたんだろう……と、いまだに謎は解けません。友人である西原理恵子嬢のせいなのでしょうか。信じられないだろ、これで志麻子、かつてはコバルト文庫で書いていたんだぜ……。


 獏ちゃんと言えば「山と釣り」ですし(NHK人になる前は「エロスとバイオレンス」だったのに……)、栗本薫もとい中島梓であれば女性軍のリーダーですし(誰が知ってんだ「ヒントでピント」)、村上龍であれば「RYU‘S BAR」であり「カンブリア宮殿」なワケです。


 でも最近は、タレントを作家化する方が多いのかも。ジャリタレの書く文章って、どうなん?(超失礼) メディア的にはキャラが欲しいんでしょうねえ……。いらんだろ、文化人枠。



■常に情報を発信し、注目を集めていくチカラ。すなわち「インフルエンサー力」


 これもまた似たようなお話になりますが、放送塔のような役割も求められます。


 X(旧・Twitter)などでフォローしておけば、面白い話が聞ける、みたいな。些細なひと言が広く影響を及ぼすような存在(善し悪しは別にして)になることが必要です。


 こけばしなんざ、Xでアンケとっても、回答数なんて二桁いったら万々歳です。フォロワー1000いたってそんなモンです(意外といる!)。まあ、誰かが喜んでいるのを見たら、根こそぎ「いいね!」押しまくるはた迷惑なヤツですから、ミュートしてるくらいがちょうどいいんですね、はい。


 キャラ付けではないですけれど、グルメ系を書いているモノカキさんならば、毎度の外食の際に、小洒落たお店に足しげく通って、そこの自慢の一品を毎日アップするくらいの特徴はないといけないのかも。


 じゃあ、なにかい? 異世界モノカキは、毎日異世界生物の生態でも写真付きで上げろってか?(逆ギレ) 推理・ミステリーモノカキさんは、毎回SCRAPさんみたく、謎解きを考案してアップするとか……。でもなあ、モルカーアップしている御大もいるしなあ。


 毎度毎度、誰かに噛みつく! みたいなキャラ付けだときっと不幸になるよね……。



■積極的に周囲と関わり、運を引き寄せるチカラ。すなわち「招福力」


 これは、ネットワーク作りにも関連することです。


 やはり、人と人のご縁というものは、いつ、どんな風に繋がるかは分からない。ですので、できる限りいろいろな方と交流を持ち、繋がっていくと、なにかあった時に、ふと、思い出してもらえる。


 これは、営業職の方でも同じことは言えるかもですよね。元IT屋のプロマネだったこけばしは、用がなくてもクライアントのところに通え! とコテコテ昭和上司にしつこく言われていたものです。


 いつもいると、ふとした時に相談しやすい。いつでもいるもんだから、ちょっとした悩みでも打ち明けやすい。ここが困ってるんだよねえ……と言われた時に、「ははは……大変ですねー」ではなく、「じゃあ、ちょっと絵図面書いてみます?」とぱぱっと手を動かせれば、向こうも聞く気になる、ってモンです。


 純粋に、人の持つ運不運のお話しになりますと、これはもうどうしようもございません。


 今生でいくら徳を積もうと前世でやらかしておれば、どう足掻いても挽回は難しい。いやね、ときおりそんなことを思うのですよ。こけばし、前世でなんかやらかしたかしら、と。そのくらい運には恵まれておりませんが、今のところ幸運を招く壺やらの購入計画はございません。


 カクヨムの金のタマゴで取り上げていただいたり、某アルファなんとかさんのホラミスジャンルで二ヶ月近く五位以内に掲載いただいたりとあったりもするのですけれど、まあそれが幸運だったのか、それとも運を逃したのかは分かりません。少なくとも、書籍化は夢また夢です。


 長年の御礼にご挨拶に伺う先なら、すでにリストアップしてるんですけどね……。



■結局のところ


 今回「WEB小説家に求められる素養とは」というテーマの後半について綴ってきたワケなのですが、すっげえやること多いじゃん! と涙目。


 宣伝力ということでなら、著書が一望できて、世界観や設定、超絶美麗なイラストまで掲載されたオフィシャルサイトを作るのもアリでしょう。今はWIXなど便利なCMSも多いです。


 セルフプロデュースやインフルエンサーということであれば、Xなどで積極的にスペースを開いてホストとして名を売るのもアリでしょうね。あの人、面白いよね、みたいな。キャラ付けということであれば、動画サービスの活用もアリでしょう。



 でもさあ。

 そんなこと全部やってたら、本業がなんだか分からなくなるし、そもそも書けなくね?



 うわあ、大変そう……と言っているうちはまだまだ、苦労はするだけ実になって返ってくる、というのは分かるんですけれど、それは血気盛んでバイタリティに満ち溢れている人のやることじゃね? って思うんです。そして、得てしてそういう方は、モノカキをしていないという。


 まあ、いろいろやってみるのもアリですよね。

 良くも悪くも、結果は自分に返ってきますから。うん。




 おっと、そろそろお終いの時間ですね。

 ではでは、次回は別のテーマにて。


 どうぞ、よろしくお願いいたします。



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