第五十八回 物語が終わった時のなんというかアレな感じ

 はじめての方はよろしくお願いします。

 お馴染みの方はようこそ懲りずにお越しいただきました、虚仮橋陣屋(こけばしじんや)でございます。



 さてさて、だいぶ久々の第五十八回ですがー。


 タイトルにもありますように、今回の「カクヨムコン9」参戦にあたり、練りに練っていた新作を書き下ろしたりしておりました。


 そして、本日(二〇二四年二月十八日)に無事完結と相成りました。

 やったぜ、フラン!(髭G)



 ■異世界戦争最前線の野良犬たち

 https://kakuyomu.jp/works/16817330669141324300



 というワケで(なにがだ)、「ひとつの物語が終わると切ないよね」というテーマで、つらつらと書いてみようと思います。


 では、早速お送りしますね。



■ひとつの物語が終わる時――。


 見出しにもありますが、もしこれをお読みのあなたがモノカキさんだった場合、さて、どうしますか? いくつかのパターンがあると思います。



 ・長き戦いに終止符を打ち、祝杯をあげる。チアーズ!

 ・もーとにかく嬉しいので、しばらくはあちこち宣伝しつつ、物語がたりする。

 ・しばらくなにもしたくないので、自閉モードに入る……Zzz。

 ・ふぅ、とひと息ついて、さてと、と書き途中だった物語の続きに取り掛かる。


 などなど。



 こけばしの場合、ほぼ最後の「図らずも止めてしまっていた物語の続きを書く」になります。


 以前の回でも何度か触れましたとおり、複数の物語を並行して書ければ、一番それに越したことはないんでしょうけれど……不器用なので。てへ。



■こけばしだって語りたい


 いやね?

 本当は、こけばしだって書き上げた作品について、あれやこれやと語りまくりたいのですよ。


 でも、それって、どうなのかな、って(おい馬鹿やめろ)。


 練りに練って、悩みに悩んで書き上げたワケですから、余韻に浸ってもいいワケですし、自分しか、作者にしか分からないあれやこれやについて、ああだこうだと能書きを垂れても良いのです。それだけの労苦を強いられてきたのですから。


 でも、それは自分が自分で選んだことです。


 誰かに「おい、お前、こんな話を書けい」と命じされて書いたものならば、愚痴のひとつでも溢したくなります。本当はこうしたかったんだよ……と後悔の念を綴ってもいいワケです。



 こう読んで欲しい。

 ここはこういう意図なんだ。


 そう、自分の筆で書ききれなかったことを書いてもいいんです。



 でも、できあがったものはあくまで公開済みの「それ」でしかありません。それ以上にも、以下にもなりません。どう足掻いたって、「それ」は「それ」でしかないのですよね。


 だから――というワケでもないのですが、どうにもこけばしは「物語がたり」が苦手です。



■もしも芸人だったのなら


 もしこけばしが芸人であって、そこそこウケた、バズったネタができたとしましょう。たぶん、その時の正解って「そのネタをしつこいほど擦りまくる」なんだと思うのです。


 けど、哀しいかな、こけばしにはそれができない。

 言ってしまえば、ひとネタで生きていく「覚悟」がないんですね。


 不安なので、すぐ次のネタを作りはじめてしまう。

 そりゃ、生き残れないワケです、はい。


 芸人としては、もうどうしようもないくらいに生き方がヘタクソなのです。



■WEB小説家に求められる素養


 ここで少し難しいことを書こうと思います。

 書けるとは言っていない(定期)。



 まだまだ発展途上にある我ら「WEBモノカキ」ですが、そこに求められる素養、素質、能力というのは意外と多いと思っています。箇条書きでまとめますよ?


 ・物語を書くチカラ。すなわち「物語力」

 ・作者自身を広く世間に知らしめるチカラ。すなわち「セルフプロデュース力」

 ・生み出した物語とその世界観を広めていくチカラ。すなわち「宣伝力」

 ・常に情報を発信し、注目を集めいくチカラ。すなわち「インフルエンサー力」

 ・積極的に周囲と関わり、運を引き寄せるチカラ。すなわち「招福力」


 ……なんか最後の方、やけに宗教じみていますが、それは気のせいということで。



 物語を書くチカラ。すなわち「物語力」が重要だということはいうまでもありません。


 ですが、昨今のカクヨムを拝見すると、その創作シーンにおいての人工知能の活用、いわゆる「ChatGPT」のようなA.I.にその部分を担ってもらうという試みがあるようです。


 こけばしは、これ、否定派です。


 妄想するチカラ、思い悩んで自分の中にある聖剣・魔剣を抜き払い、すべてを駆使して難敵に挑む、これこそ人間にしかできないことだろうと思うからです。そりゃ、いろんな著作物を無作為に収集してデータとして活用しているA.I.ですから、相談してみたらきっといいアイディアは出てくるんじゃないかしら、と思うんです。


 でもですよ?


 それは、創造されたもの、ではなく、半ば統計学的にベターだと思われる一文を抽出して出力したにすぎません。驚くような視点はきっとそこにはないはずなのです。だって、人工知能は「妄想」はできませんから。


 ですので、これだけは必須の素質だと言えるでしょう。



 生み出した物語とその世界観を広めていくチカラ。すなわち「宣伝力」に関しては、多くのモノカキさんたちが苦手なもののはずです。だって、言葉で、自分の身体で伝えることができるくらいなら、なにも不自由な「言葉」というツールを使う必要なんてないですし。絵でも良い、歌でも良い、他にもっと便利なツールはあるはずなのです。


 そこで不幸にも(なのか?)「言葉」というツールを選ばざるを得なかったモノカキさんたちは、その「言葉」によって作者たる自分を、その大事な我が子である作品を宣伝しなければなりません。コミュニケーションとるのが得意なくらいだったら、こそこそ書いてねえよ! となるワケですね。うん。


「言葉」以外のツールを使うことができたら、便利です。


 少し脱線した話になりますけれど、「東方Project」の元締め(他の言い方ないんか)、神主ことZUN氏は、自分の作曲した楽曲を聞いてもらうために、シューティングゲームを作る、という一見するとかなりの大回りの道を取られました。結果的にそれは一大ムーブメントを築き上げたワケですが、これだってひとつの「宣伝力」なワケですね。


 今となっては、単独作品でコミックマーケットとほぼ同レベルのオンリーイベントを開催するほどの一大ジャンルにまで成長しました。これはとても凄いことです。真似しようったって、そうカンタンにはいかない。というか、別の才能、多才であったからこその結果だと思います。




 おっと、久々すぎて文字数のペースがまったくダメであります!

 そろそろお終いの時間とさせていただき、次回もこの続きにてお会いしましょう。


 どうぞ、よろしくお願いいたします。



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