第四十五回 からだ を だいじ に !

 はじめての方はよろしくお願いします。

 お馴染みの方はようこそ懲りずにお越しいただきました、虚仮橋陣屋(こけばしじんや)でございます。


 さて第四十五回ですが、こんめて長い時間カキカキーってしているそこのあなた! 運動、していますか?


 はい、こけばしはしておりません!

 ダメじゃん……(元バレーボール部)。


 どうしても同じ姿勢が続くと、全身にりが……。


 なのでこけばしは、一時間に一回、休憩をとって席を立ち、ストレッチをするようにしています。身体の大きな筋肉が固まると、大抵ロクなことにはなりません。肩甲骨を緩めたり、腰を伸ばしたり。座ったままの姿勢が続くと、太ももには血液が溜まりやすいので要注意です。


 今回はそんな「モノカキの健康について」というテーマです。

 では、早速お送りしまーす!




■「座る」ということの悪影響


 職場では長時間のデスクワーク、自宅ではソファーでネットやネトフリ……。現代人は一日の大半を座って過ごしています。


 長時間座りっぱなしだと、筋肉の代謝や血行が低下し、健康に害を及ぼすようです。日常的に座り仕事が多い人ほど、肥満・糖尿病・がん・脳血管疾患・認知症などのリスクが増加し、寿命が縮まる可能性が高いんだそうな。一日八時間以上座っている人の場合には、三時間未満の人と比べると死亡リスクが1.2倍になるという研究結果もあるそうです。


 この悪影響は、毎週末に運動する程度では解消することができないんだとか。


 さらに、一日十二時間以上、およそ半分を座って過ごしている人の場合、その半分の六時間未満の人と比べてメンタルヘルスに影響を及ぼすリスクが三倍も多いという調査結果もあるそうです。やだなー日本人、というか現代人。ココロヤミーな未来しか見えないんですけど……。


 せめて、ちょっとでも解消したい! と思うなら、マメに椅子から立ち上がって運動だ!



■ストレッチのススメ


 うーん。

 でもでも、なかなか運動っていってもやる機会も場所も、道具だってないしなー。


 てなわけで、こけばしのやっている「肩甲骨をほぐすストレッチ」をご紹介します。座ったままでできますし、1セット四分程度で終わるので、とってもお手軽です。



・その①

 デコルテのラインの、首元から肩の方へ人さし指と中指の二本で鎖骨の下側をなぞっていくと、肩の手前に謎のでっぱりのようなものをかすかに感じると思います。そうしたら、そこの外側斜め下あたりをぐーっと中指で押します。時間は、片側三〇秒。

(余裕がある人は、この時反対側の腕を背中に回して、肩甲骨に手の甲で触れるような体勢にしてみましょう)


・その②

 背筋を伸ばし、視線をまっすぐに向けた状態から視線を足元に落とし、首全体を倒すようにして斜め下に傾けます。この時、傾けた方向と反対側の首の後ろの筋が伸びているのを意識して下さい。時間は、片側三〇秒。


・その③

 高くまっすぐ両手を挙げ、そこから片方を折り曲げてうなじに触れるように腕を畳みます。そして、反対側の手で折り曲げられた腕の肘を掴み、ゆっくりとひっぱりながら身体を横に倒します。この時、背中が丸まらないよう姿勢を維持して下さい。脇の下あたりの筋肉と筋が伸びていくのを意識しましょう。時間は、片側三〇秒。


・その④

 最後に、胸を張って背筋を反らし、手のひらを上に向けた状態で身体の横に構えます(注:自分をヨガの達人だとイメージしながら)。ちょっとニワトリのような変な恰好になっているはずです。そこから水泳のバタフライをするように、両手をまっすぐ高く、飛び込みをするように伸ばします。大きく肩甲骨が動いているのを意識してください。伸ばしたら、再び謎のポーズに戻します。回数は、なるべくゆっくり一〇回。



 こんなカンジです!


 どうでしょう? たった四分のストレッチで、ずいぶん肩回りが楽にほぐれた感じがしませんか?(ここで素直に「します!」と言うと、プラシーボ効果も発揮されます)。肩甲骨周辺は可動範囲も大きく、大きな筋肉や筋もあるので、ここが緩むだけでもかなり違いますよね。


 デスクワークやスマホの長時間使用で、猫背や巻き肩になってしまっている人も多いです。


 ぜひ、日々のストレッチを試してみて下さい。

 継続は力なり、です。



■甘い物の誘惑……


 第二十七回の脚注で少しふれましたけれど。

 脳という器官は、その構造上、自らエネルギーを貯め込むことができません。


 脳の主たるエネルギー源となるのはブドウ糖で、そのブドウ糖が不足すると集中力低下などの症状を引き起こしてしまいます。つまり、モノカキの最中に、つい甘い物をつまみたくなるのは、もはや必然! と言ってもいいでしょう。



 かの漫画の神様、手塚治虫センセの机の中には、いつもチョコレートが入っていたそう。それをバリボリ噛み砕きながら書いていた……ということは、本能的に甘い物が必要! って理解したんでしょうね、きっと。「HERSHEY’S《ハーシーズ》」が大のお気に入りだったとか。


 手塚センセというと、自画像なんかの影響か、つい小柄な方をイメージしますよね。でも実際は、身長170センチ、体重75キロと、当時にしてはがっちりした体格だったんです。それでもエネルギー不足になるなんて! まあ、一日三時間睡眠の神がかり的バケモノじゃ無理もないかー。



 とはいえ。



 前々項にも書きましたとおり、ただでさえ座りっぱなしが続くと、肥満や糖尿病のリスクが増えます。なので、ずっと甘い物を食べていたらリスク一直線! ニトロでブーストするようなモノですのでご注意を。


 ラムネは、ブドウ糖が主成分ですので(たしか……)アレを数粒、くらいで我慢!



■そのへん走ってろよ!→だが断る


 こけばし、走るのが大の苦手です……。


 そこまで遅くもないけれど、決して速い方でもない、そんな微妙なポジショニング。別にマウントとかじゃないんですけれど、こけばし、ちょっぴり背か高いので(ちょっぴり?)接地の瞬間、かかとにかなりのダメージ来てると思うんですよね。うん。危ないよ、ランニング。


 今は亡きマラソン界の重鎮、小出こいで監督にお会いした時にも、「ランナーはかかとで着地した際に赤血球が壊れて貧血になる子が多い」って言ってたもん(真偽のほどは定かではない)。


 たぶん、小学校時代にバレーボール部で行った山中湖の夏合宿で、湖を一周させられたのがトラウマになってると思うんです。ゴールした次の瞬間、口からキラキラしたもの、出たしー。


 それに、バレーボール部の負の遺産で、太ももが太い。重い。高校は自転車通学で、ずっと坂道だったから、余計にね……(他に原因があると思う)。


 だから、チャリもランニングも嫌。


 その代わり、どこに行っても階段を使うようにしています。小学生の頃、東京タワーも第一展望台まで階段で登ったもんね!(注:今は「メインデッキ」って呼ぶんだそう。ちなみに、フツーに展望台の料金はかかります)。ま、そのせいで高所恐怖症になったんだけど……。


 割と不摂生な日常を過ごしているんですけれど、健康診断に怯えたこと、ありません。


 ま、身長と体重計るの、嫌なんですけど。



■いや、ホントに……


 ぶっちゃけ、広い意味でモノカキの人は、身体を壊しがちです。漫画家なんてもう悪い見本の人がたくさんいるので、皆様もホントにお気を付けくださいませね。


 健康あってのモノカキ・ライフですから。




 そろそろお終いの時間です。

 次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。



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