第十二回 プロッター・ウント・パンツァー!(ロケ地・大洗)
はじめての方はよろしくお願いします。
お馴染みの方はようこそ懲りずにお越しいただきました、虚仮橋陣屋(こけばしじんや)でございます。
さて第十二回ですが、そろそろ書きはじめろよ! という怒号と罵声が飛び交う頃かと思いますので、よりによって(よりによって)界隈でも定期的に炎上する話題、「パンツァー型かプロッター型か」について綴っていければと思いますので、燃えない程度によろしくお願いいたします(白目)。
ということで、さっそく「パンツァー型」とはなんぞや、「プロッター型」とはなんぞや、の解説からはじめたいと思います。今回は、炎上覚悟でお送りします!
■「パンツァー型」と「プロッター型」
さて、はじめに。
もうすでにご存じの方も多いことと思いますが、以下引用です。
『作家は2つのカテゴリーに大別できます。アウトライン派と非アウトライン派、あるいは執筆前にプロットを作る「プロッター」と、作らない「PANTSER(パンツァー)」。パンツァーとは「計画を立てず、勘を頼りに作業する=SEAT OF PANTS」というイディオムからきています』
これは、K・M・ワイランド、シカ・マッケンジーによる「アウトラインから書く小説再入門 なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか?」の中の一文です。
つまり、
「執筆前にプロットを作成してアウトラインを作るスタイルが『プロッター型』」
「プロットは作成せず、直感とヒラメキで書き進めていくスタイルの『パンツァー型』」
と、要約すればこのふたつのタイプ、ということになるかと思います。
良く燃えると評判の、X(Twitter)では、
「プロット? なにそれ美味しいの?」
「あらかじめ構成を決めないとダメだなんて、俺の個性が死ぬ」
「あんなん無駄無駄。プロット書き終えたら、それで満足しちゃうから意味ないッス」
という「パンツァー型」推奨作家様の声と、
「直感とヒラメキだけで書いたら物語が破綻する」
「思いつきでダラダラ書きたい趣味の人はそうしたら良いと思います(笑)」
「プロットも満足に作れない奴が創作論云々言ってるの見て、草通りこして密林生えた件」
という「プロッター型」推奨作家様の声が交錯して。
(脚注:引用ではなく、記憶を頼りにテキトーに書いたものですので犯人探しはノーです!)
小動物並みに怯えやすいこけばしは、ぷるぷると震えて布団を被り、ただじっと息を潜める毎日です……(そんなにしょっちゅうはないだろ)。
「みんな違って、みんないい」(金子みすゞ)が座右の銘であるこけばしは(今、そうだと決めました)、どっちもアリですよね、となるべく目立たないように、しっかりと発言します!
ただですね。
どちらのタイプにせよ「向き不向き」があると思うのです。
ちなみにこけばしは、コテコテの「プロッター型」です。
ですので、自分の経験を踏まえて、どういうやり方をして、どんな時に役立ったかを綴ってみることにしようと思います!
■「プロッター型」の執筆の進め方
今までの回で出てきたものを合わせて整理しますと、こけばしの場合は、以下のように執筆を進めるように心掛けています。
① 物語のアイディアをひねり出す
② 物語の世界観・設定を考えてルール化する
③ 物語のメインテーマを決める
④ 主要な登場人物を生み出す
⑤ 導入からラストまでのあらすじ(シノプシス)を書く
⑥ あらすじをさらに細分化して、イベントごとの要約文(プロット)を書く
⑦ 文体を決めて、バリバリ書き進める
⑧ 推敲・校正を行う
⑨ あまりの反響のなさに絶望する
⑩ なにを思ったのか公募にチャレンジして無事玉砕する
最後の二項は極めて蛇足ですが……。
自虐ともいいますね、うんうん。
前回までで①~④までの作業は終わっているものとして、今回から「いよいよプロットを!」となるワケですけれど、⑤を行うか、すっ飛ばして⑥に進むかは、個人によって差があります。
今回のテーマはあくまで「プロッター型」の執筆方法について、なので、ここでは全体の流れをもとに、どういうところで便利なのか、メリットは? といったことについて書きますね。
■「プロッター型」のココが凄い!(謎の帝京平成大学感)
良く勘違いされる方が多い点として、「一度シノプシスなりプロットなりを決めたら、もう変更できない」というものがあります。これは、ある意味イエスですが、ノーでもあります。
あらすじを書いた時点では思い浮かばなかった奇抜な発想が、別の日、別の時間に、ぽっ、と湧いて出るなんていうことは往々にして起こります。なぜかお風呂タイムが多い……。やっぱりノーミソもリラックスしているんですかねー。耐水メモ帳をバスルームに常備している、というモノカキさんもお見かけしたことがあります(ちな、ダイソーで購入できます!)。
ともあれ。
こういった場合には、こけばしの場合、シノプシスを見直し、必要であれば調整を行います。
プロットは? という疑問の声が聴こえてきましたが、プロットに関してはあまり関係がありません。本来「シノプシス」というのは「あらすじ」のことであって、「プロット」は「個別のイベント事」だからです。もしかすると諸説あるかもですけれど……。
こけばしの場合、「シノプシス」として、大体四十二文字×三十四行の、公募系で最もスタンダードな原稿用紙に、一枚から二枚程度でまとめたものを作成することにしています。あまり細かい描写やセリフなどは省き、何がどうしてどうなった的な割と簡素なモノに留めています。
これをベースにして、各話……というより、発生イベントごとに分けた「プロット」を作成していきます。本来であれば、ひと単語程度のモノでもいいはずですけれど、こけばしの場合は、先程の原稿用紙の三行程度の文章を書くようにしています。百二十文字前後ですね。
おっと、そろそろお終いの時間ですね。
今回のテーマ「プロッターとパンツァー」については、もう少し掘り下げる必要がありそうです。
なので、次回も引き続き綴っていけたらと思います。
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