第14話 生臭聖女の夜遊び万歳
「よっしゃあああ!! 花の街で遊び尽くしますわよおおおおお!!!」
元気な私が遊びに来たのは、世界最大の歓楽街『ツクヨミ町』。
キラキラ輝くネオン街に並び立つ大人の遊び場。
酒!女!ギャンブル!
私が大好きなものが全て揃っていますわ!
ひゃー! 昔っからここに来るのが夢だったんですわ!
教会生まれの私を縛り付ける規律はもうない!
私は勇者パーティの聖女! つまりもう自由なんですわよ!
元より災厄を討伐したらここで豪遊する予定でたし、もう夜も遅いですしこりゃ遊べって神様が言ってんですわ!
「よーしまずはギャンブルですわ!」
案内所のパンフレットを見ながら目的地へと移動する。
目的地はツクヨミ名物ギャンブル横丁。
ありとあらゆるギャンブルを揃えた世界一の賭博場!
カジノにポーカー、ちんちんろ、競馬。
その中でも私が1番やりたいのはこれ!
「いらっしゃいませー!」
そう、パチンコですわ!!
このうるさいBGMにお店の独特な匂い!
最っ高にジャンキーな気分になれますわ!
とりあえず可愛らしい女の子の台に座って·····金貨をインサート!
「しゃあっ! 回しますわ!」
貸出ボタンを押してジャラジャラと出てくる玉。
右下のハンドルを握るとピュンと玉が出ていく。
釘に当たり中央の穴の部分へ上手いこと入るとモニターが動き出す。
「·····全然入んねーんですけど」
125発貰ったはずなのに入るのたったの10発とか詐欺では!?
まーた、借りなきゃなんねーじゃねーですの!
かれこれ30分打ってますがなんですの!? 5000ゴールドは消えましたわよ!?
金1貨枚1万ゴールド、半分も持ってかれましたわ!
「くっそ! そろそろ当たりなさいよ!!」
イライラしながら打っていると、
『ポキューン!!』
「なっなんなんですの!?」
ランプが光鼓膜がちぎれそうな爆音が機体から聞こえてきた。
思わずハンドルから手を離してしまいましたわ·····
·····ってんん!? なっなんか、すげー盤面が騒がしいんですけど!
ガチガチ動く台の中の飾、そしてうるさくなるBGM。
気分が高まる演出が出てくるってことは、きっとこれ当たりですわ!!
ほらボタンが出てきましたわ! 真ん中のここ押せばいいんですわよね!
はい、勝ち確ー!
自信満々にボタンを力を込めて押す。
『うわー!!』
バリンと割れたようなエフェクトが出て固まる画面。
「はっ?」
何ともなかったように戻るBGM。
始まる次の変動。
「·····もう絶対撃ちませんわ」
残りの金を抜き取って私は再び夜の街を歩く。
くっそ、金取られただけじゃねーですの、やる気なくしますわ。
私聖女ですのよ?神の祝福とかねーんですの?
·····祝福ねーとか神様怠惰じゃなくて?聖女が祈ってんですわよ?
「あーイライラする、私災厄滅ぼしたんですが! こうなりゃ、酒と女ですわ!!」
という訳で、本日のメイン。
「「「いらっしゃいませー!」」」
ゴージャスな店内に露出の多いドレスを着た美しい女性の皆様方。
そう、キャバクラですわ!
「お客様、女性1名様で宜しかったでしょうか」
「えぇ」
「お姫様ご来店でーす! VIPルーム解放願いマース!」
「·····普通の席でいいのですが」
「当店女性の方はVIPルームで飲んでもらうシステムでして·····」
なんですのそのルール。
お金足りるかしら·····一応教会時代の金は全部持ってきましたが·····
ボーイに通されたVIPルーム、そこには美しいレディの方々が私を待っていた。
「いらっしゃいませー! 」
「うわー! シスターさんだ!」
「可愛いー!」
私を取り囲む綺麗なお姉様方。
「·····生きてて良かった」
「お客様ああああ!!?」
綺麗なレディーに褒められて思わず鼻血を垂らしたら、ボーイに心配された。
「とりあえずボーイ君ドンペリ持ってきてくださいですわ」
「えっ?」
「金ならここにいっぱいありますわ」
ジャラっと金貨の入った袋を見るとそこに居た全員が私への態度をもっと素晴らしいものに変える。
「「「きゃー!聖女様ぁ!」」」
キャバ嬢達はボーイを吹っ飛ばして私の所に走ってきた。
「·····最&高ですわ!!」
女の子達に腕を組まれ席に案内された私は心の底から悦に浸った。
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