第13話 討伐ボーナス

「納得いかねーですわ!!!!」


救護班の馬車で先に城に戻った私。


なっ、なんでですの! 私超頑張ったのにシノンたんによしよしとか超過激なスキンシップが取れないんですの!?

私超ピンピンしてますのに!?

シノンたんに少しでも長くお姫様抱っこしてもらおうと思って、途中から狸寝入りこいてたバチでも当たりましたの!?

ぶっちゃけ、皇帝の回復魔法だけですげー元通りだったんですが!

つーかあの子もかなりの実力者では!? 皇帝やらずにうちのパーティ入ってくれればかなり華やかになると思いますわ。


「あー!! 早く帰ってきてシノンたーん!!」


彼女の名前を叫んだ途端今の彼女の状況を思い出す。


「あっ、やべ、アイツも復活させたの忘れてましたわ」


シノンたんが拗ねないように、アシュラのヤツもちゃんと復活させて二人で協力して倒せるプランにしたんですわ·····シノンたんだけだと、あの煙の中私の所にこれるか分かんなかったですし。


·····ん? ちゅーことは、もしかして私あの二人に初めての共同作業させちゃったのでは?

そして今頃あの馬車でラブイズオーバー·····


「ぴぎゃあああ!! それはノー!! ですわ! 顔だけ私と同レベルの男にシノンたんとのフラグが出来るだなんて! へし折らねば! 今から向かいますわー!!」


彼女の危機を感じた私は城の窓から外に飛び出した。


「おっ、おい、なんか暗くないか?」


「ん? 確かに·····ってうわああああ!!」


空を見上げた外の兵士はびっくりして逃げ出した。


「とぅ!」


辺りに誰も居ないことを確認して、無駄に弾力のいい帽子を地面に投げる。

すると帽子は救護マットのようにでかくなり私を上手く包み込む。


「ふぅ、さて行きましょうか」


帽子をかぶり直して、いざシノンたんの場所へ!


「あっ!やばっ、杖忘れましたわ!『スティール』」


忘れ物回収魔法、本当は物を盗む魔法ですが、盗むものはあまり無いので。


「これが無いとなんかしっくりこねーんですわよねぇ」


クルクルと回して鎌と杖にフォルムチェンジ。


「うん、何ともないですわ。置いてきてごめんですわ、ロザリオステッキ」


着いた汚れを袖でふき取って少し労った。


「さぁ! 気を取り直してシノンたんの馬車へ!」


「ふぃー今日早上がりしていいってさ」


「まじ? じゃあ、ツクヨミ町行こうぜ! パチ屋行ってキャバだキャバ!」


「おっいいねぇ!」


兵士達の言葉を聞いて、私は歩みを止める。

·····今なんと?

私の死ぬまででやりたい悪い遊びがわんさかあるツクヨミ町ですって?

·····推しをとるか、欲を取るか·····

ぐるぐるぐるちーん。

目的変更、せっかく頑張ったのですからちょっとくらいはめ外して遊んでもいいと思いますわ


「Hey! そこの兵士! ツクヨミ町の場所教えてくれですわ!」

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